Summary
- 「エンゲージメント」は、場面によって意味が変わる言葉。
- SNSでの「エンゲージメント率」は、投稿の反応を数値で見る指標。
- ビジネスでの「エンゲージメント」は人とのつながりの深さを表します。
「エンゲージメント」という言葉はよく聞きますが、何を意味するのかはっきりしない人も多いのではないでしょうか? SNSやビジネスシーンなど、さまざまな場面で使われている「エンゲージメント」ですが、場面によって意味が異なるので、しっかり意味を把握しておきたいところです。
そこで、この記事では、「エンゲージメント」についてひもといていきます。
「エンゲージメント」とは? 意味を確認
「エンゲージメント」という言葉は、使われる場面によって意味が少しずつ異なります。まずは、この言葉の基本的な意味を確認してみましょう。

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「エンゲージメント」の意味
辞書では次のように説明されています。
エンゲージメント【engagement】
1 約束。契約。協約。
2 結婚の約束。婚約。
3 広告などの各種マーケティング活動において、顧客の興味や注意を引きつけ、企業と顧客の結びつきを強めること。→エンゲージメント率
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「エンゲージメント」は「約束」や「婚約」などの意味を持つ言葉です。
近年では、マーケティングの分野で「顧客との結びつき」や「関与の深さ」を表す意味としても使われることが多いでしょう。
SNSにおける「エンゲージメント」とは?
SNSでは「エンゲージメント率」という指標が使われます。これは、一つの投稿に対してどれくらい反応があったかを見るためのもので、企業や個人の発信に対する関心の深さを測る目安とされています。具体的には、投稿を見た人が「いいね」やコメント、シェアなど、何らかの行動を起こした割合を示します。反応の数が高いほど、投稿が多くの関心を引いたと捉えられます。
エンゲージメント率の計算方法は「エンゲージメント数 ÷ リーチ数 × 100」です。例えば、1,000人に届いた投稿に100件の反応があれば、エンゲージメント率は10%になります。この数値は、SNSの運用が順調かどうかを見極める手がかりのひとつとされ、発信内容の改善や方向性を考える際の参考になります。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)

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Xのエンゲージメント率の計算方法とは?
X(旧Twitter)では、「エンゲージメント総数 ÷ インプレッション数 × 100」で計算されます。エンゲージメントに含まれるのは、リポストやいいね、返信、ハッシュタグやリンクのクリック、画像や動画の再生、「詳細表示」のクリック、プロフィールの閲覧などです。
インプレッション数とは、特定の投稿がユーザーに表示された回数のこと。同じユーザーが何度見てもすべてカウントされます。
インスタのエンゲージメント率の計算方法とは?
Instagramの場合も、「エンゲージメント総数 ÷ インプレッション数 × 100」が基本です。対象となる反応は、いいね、コメント、返信、シェア、保存といった行動です。
ただし、正式なエンゲージメント率が定義されているわけではありません。したがって、分母にはインプレッション数だけでなく、リーチ数やフォロワー数が使われることもあり、どの数値を基準にするかは運用方針によって変わる場合があります。
TikTokのエンゲージメント率の計算方法とは?
TikTokでは、「エンゲージメント総数 ÷ ビュー数 × 100」で計算されます。エンゲージメントに該当するのは、いいね、コメント、シェアの3つです。ビュー数は、その動画が再生された回数であり、同じユーザーが何度見ても、そのすべてが反映されます。
参考:NTTコム オンライン
ビジネスで使われる「エンゲージメント」って?
ビジネスの場では、「エンゲージメント」という言葉が、人と人との関係性を示すものとして使われています。特に、組織内のつながりや、企業と顧客の関係を語るときに目にする機会が多い言葉です。
企業活動においては、従業員との信頼関係を表す場面と、顧客とのつながりを示す場面の、2つの文脈で使われています。それぞれが少し異なる意味合いを持ちながら、共通して「関わりの深さ」に焦点を当てている点が特徴です。以下で、詳しく見ていきましょう。

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「従業員エンゲージメント」とは?
従業員エンゲージメントとは、社員が仕事や組織に対して抱く愛着や思い入れを意味する言葉です。単に会社に「満足しているか」ではなく、「この場所で共に成長したい」と感じられる関係性に近いイメージですね。
例えば、会社や仕事に誇りを持てるかどうかを問う調査によって、エンゲージメントの傾向を把握することができます。そうした誇りが強いほど、離職率が低い傾向があるともいわれていますよ。
エンゲージメントが高まる職場には、いくつかの特徴があります。例えば、周囲との関係が良好で居心地がいいと感じられること、自分の仕事にやりがいを見出せていること、そして職場のビジョンや方向性に共感できていること。
これらがそろっていると、長く働きたいと思える環境が生まれやすくなります。
「顧客エンゲージメント」とは?
顧客エンゲージメントとは、企業とその顧客との間に築かれる信頼や親しみの度合いを表す言葉です。ブランドに対して愛着を持ったり、自発的に関わろうとしたりする姿勢が、その一例です。例えば、製品を気に入って繰り返し購入する人、企業のサービスに対して前向きな意見を伝える人、そうした行動は顧客エンゲージメントの表れといえます。
このような関係が深まることで、売上の向上だけでなく、企業に対するフィードバックが得られやすくなります。顧客とのつながりを大切にすることは、企業の成長につながる一つの要素だといえますね。
最後に
- SNSにおけるエンゲージメントは、投稿の影響を測ることができます。
- 従業員エンゲージメントは、仕事や組織に対する愛着を意味。
- 顧客エンゲージメントは、企業とその顧客との間の親しみの度合いを表します。
SNSでは一つ一つのリアクションに、ビジネスでは人と組織の信頼に、それぞれの文脈で「つながりのかたち」が表れています。「エンゲージメント」という言葉が使われる場面が広がるほどに、この言葉が映し出すものも少しずつ変化していくのかもしれませんね。
「エンゲージメント」の意味を知ることで、自分とまわりとの関係を見つめ直すきっかけになれば嬉しく思います。
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Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けたファッション&ビューティをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれや美容を楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッション感度の高いエディターを通して発信中。
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