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2025.04.30

うっかり洗濯してしまった! ボールペンのインク汚れを服から落とす方法【専門家監修】

ボールペンを入れたままうっかり洗濯してしまうと、インクが服についてしまいなかなか落ちない… と落胆することも。しかし、正しいケア方法を知っていれば焦らずにすみます。この記事では、服についたインクを落とす手順や素材別・インク別の落とし方、クリーニングに持ち出す際の判断基準を紹介します。

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気づかずにボールペンをポケットに入れたまま洗濯してしまい、洋服にインクの染みが… という経験をしたことのある人は少なくないでしょう。慌てて洗い直しても、落ちにくいのがこの汚れのやっかいなところです。

本記事では、種類ごとのインクの特徴や素材に応じた落とし方、家庭で使えるアイテムを活用したケア方法について、創業80余年の歴史を持つ京都発祥の染み抜き・お直し専門店である「きものトータルクリニック吉本」さんにお聞きしました。落とし方を知っていれば、大切な服を無駄にせずに済むかもしれません。早速、紹介していきましょう。

ボールペンを一緒に洗濯してしまった! 服についたインクの落とし方とは?

うっかり洗濯してしまった、ボールペン。慌てずに対応するための手順とコツを紹介します。

ペン しみ

(c) Adobe Stock

まず何をすべき? 洗濯直後の緊急対処法

洗濯機から衣類を取り出した際にインクの染みが見つかったら、できるだけ早めに対応をしましょう。最初に行うべきは、汚れた部分には触れずに衣類を静かに分けること。他の洗濯物にインクが広がるのを防ぐためにも、この一手間が役立ちます。

次に、濡れている状態を保ちながら、汚れた箇所を下にして広げましょう。ティッシュや布で強くこすらず、軽く押さえるようにして余分なインクを吸い取ります。インクの広がりを防ぎつつ、後の処理のしやすさにもつながります。この段階では洗剤などは使わずに、あくまで「何もしない」ことが最善の準備です。

家庭にあるもので試せる応急処置のアイデア

専門的な洗剤が用意できない場合は、身近にあるものでも応急処置が可能です。乾いたタオルの上にインク染みのついた衣類を置きます。固形石鹸をインク染み部分に優しく塗り、濡れた布やガーゼを押し当てててみましょう。水性ボールペンの場合、特に有効です。

油性ボールペンの場合は、消毒用アルコールを活用しましょう。綿棒や清潔な布にアルコールを含ませて、インクの輪郭部分から内側に向かって優しく押さえるようにします。広がりを防ぎながら汚れを浮かせていくこのやり方は、汚れの範囲を広げないために有効です。いずれの場合も、作業の際は換気を行い、素手では触れないように注意しましょう。

インクの種類によって違う! 素材別・インク別の落とし方

ボールペンのインクには種類があり、落とし方も異なります。適した方法を見極めましょう。

水性・油性・ゲルインク、それぞれの特徴と対応方法

見た目は似ていても、インクには大きな違いがあります。水性インクは水に溶けやすく、早いうちなら比較的落としやすい傾向にあります。濡れた状態で見つけた場合は、常温の水で軽く押し洗いするだけで薄くなることもあります。時間が経ってしまった場合は、固形石鹸を塗り、ゆっくり押し洗いすると、汚れが浮いてきやすくなります。

油性インクは市販のクレンジングオイルや、衣類用の部分洗剤を活用すると対応しやすいでしょう。ティッシュや綿棒で優しく叩くようにして、汚れがにじまないように少しずつ作業を進めてください。

ゲルインクは、顔料が多く含まれているタイプです。対応が遅れると跡が残りやすい傾向にあります。このタイプでは、消毒用アルコールや除光液は、衣類の素材によっては変色や傷みの原因となる可能性があるため、慎重に判断する必要があります。例えばアセトンが含まれている除光液はアセテートを溶かしてしまうため、アセテートが入っている衣類には使用できません。

ペン 種類

(c) Adobe Stock

綿・ポリエステル・デリケート素材ごとの注意点

衣類の素材によっても、落とし方の工夫が求められます。綿素材は吸水性が高いため、インクが広がりやすい反面、ある程度の処理には耐えられます。強くこすらず、インクが付着した範囲を限定しながら、洗剤やアルコールで押し拭きする方法が適しています。ただし、綿は摩擦で落ちやすい染料を使用して染められている場合が多いため、色物については目立たない部分でのテストが必要です。

ポリエステルは素材自体は丈夫ですが、色落ちする可能性があるため、処理前に目立たない場所で試しましょう。

シルクなどの繊細な素材は、少量の水分でも生地を傷めることがあります。この場合は無理に家庭で対応せず、状態を記録してから専門のクリーニング店に相談する方が安心です。

落ちない… そんなときどうする? クリーニングに出す判断基準

落としきれなかった場合の次の一手と、クリーニングの活用タイミングについて紹介します。

家庭で落ちにくいケースの特徴

繰り返し試してもインクが残る場合、無理にこすったり薬剤を重ねると、生地の傷みや色落ちにつながることがあります。特に、ゲルインクが広範囲に広がっているケースや、乾燥後に定着してしまった汚れは、家庭での処理では限界があるでしょう。

また、布の表面に光沢や変色が見られるようなら、これ以上の処置は避けた方が無難です。

ペン しみ インクにじみ

(c) Adobe Stock

クリーニングに出す前に確認すべきこと

クリーニングに出す場合は、事前の準備が仕上がりに影響します。まず、どのような経緯でインクが付着したか、使用したインクの種類や、これまで試した対処法を簡単にまとめておくとクリーニング店に事情を伝えやすくなります。具体的には、「消毒用アルコールを綿棒で使用」など、小さな情報も処理の判断材料になりますよ。

インク汚れには対応していない店舗もあるため、受付の前に対応の可否を確認しておくことをおすすめします。また、素材や色柄によっては、事前に見積もりやリスクの説明をしてくれるケースもあります。仕上がりや料金について納得したうえで依頼すれば、より安心して任せられますね。

お気に入りの衣類の場合、インク染みに気が付いたらご自身で触らず、そのまま染み抜きを得意とした専門家に依頼をするのがおすすめです。インクが広がったり、衣類の色が変化していないため費用も抑えられ、また傷も残らず仕上がりがよくなるからです。

最後に

ボールペンのインク汚れは、落とし方の基本を知っておけば冷静に対応できます。家庭にあるものでできる工夫をすることで、大切な衣類を守りましょう。

TOP画像/(c) Adobe Stock

プロフィール写真 ソファとテーブルが置かれた部屋の様子

監修

きものトータルクリニック吉本

吉本は、創業80余年の歴史を持つ、京都発祥の染み抜き・お直し専門店です。京都・日本橋・南青山・金沢・高松・鹿児島に店舗を構えています。着物をはじめ、高級衣類や鞄などのクリーニング・染み抜きや修復を行なっております。他店で難しいと言われた品も、最高峰の修復技術でお直しします。 →HPはこちら

執筆/京都メディアライン

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