Summary
- 傘やレインコートの撥水性は時間とともに劣化するが、自宅の家電を使って復活可能。
- 撥水力低下のサインは、濡れ方や乾き方の変化に表れる。
- 素材やアイテムに合わせたケア方法と注意点を解説。
Contents
お気に入りの傘やレインコート、気づけば水を弾かなくなっていませんか? 買い替えの前に、自宅でできる「撥水復活」の方法を試してみるのもひとつの手です。ドライヤーや乾燥機など、身近な家電で再加工できる方法なら、時間も手間も節約できます。
この記事では、初心者でも無理なく実践できる撥水復活の方法を、創業80余年の歴史を持つ京都発祥の染み抜き・お直し専門店である「きものトータルクリニック吉本」さんにお聞きしました。アイテム別・道具別に分けて分かりやすく紹介していきます。
傘やカッパの撥水が弱くなった? 撥水効果が落ちる原因とは!?
水を弾いていたはずの傘やカッパが濡れやすくなる理由は、繊維表面にある撥水成分が徐々に摩耗していくからです。雨に濡れたまま折りたたんで放置すると、湿気と汚れが加工面に残り、機能が損なわれます。洗濯や摩擦だけでなく、経年による空気中の汚れの蓄積も影響します。
つまり、「使う頻度が少ないから大丈夫」と思っていても、保管状態によって撥水効果は少しずつ失われていくのです。

(c) Adobe Stock
見た目では分かりづらい「劣化のサイン」
撥水性が落ちているかどうかは、外見だけでは判断が難しいです。目安になるのは、雨が布地の表面で水玉にならず、しみ込んでいくような状態。
表面が乾いているのに手触りがゴワつく、光の当たり方でムラがある、という現象も撥水加工が弱まっている可能性を示します。新品時と比べて「乾きが遅い」と感じるのも、効果低下のサインとして見逃せません。
使う前にできる簡単なチェック方法
外出前に撥水性を確認する方法としては、布の端に霧吹きで水をひと吹きしてみるのが簡単です。水が丸くなって転がれば、撥水性はまだ機能しています。一方で、水がじんわり広がったり、染み込んでいくようなら加工の効果は弱まっています。
家庭にある道具でできる! 撥水を復活させる具体的な方法
傘やカッパの撥水効果が弱くなってきたと感じたとき、クリーニングに出す前に試せる方法があります。ここでは、ドライヤー・アイロン・乾燥機を使った基本的な手順を紹介します。
ドライヤーを使った撥水復活の基本手順
まずは、傘やカッパの表面に熱を加えることで、繊維表面に残った撥水剤を再活性化させる方法を紹介します。風の向きを固定せず、全体にまんべんなく熱を行き渡らせるのが肝要です。折り目や端の部分は撥水性が落ちやすいため、念入りにあてると効果が出やすくなりますが、30秒程度で十分効果があります。最後に水を数滴垂らし、水玉になれば成功のサインです。
【基本手順】
1. 表面を乾いた布で軽く拭き、ほこりを落とす
2. ドライヤーを「中温」に設定する
3. 生地から約15cm離し、温風をムラなくあてる
4. 片面につき約2分ずつ、全体を温める