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LIFESTYLE 職場の悩み

2018.10.10

3親子で6日間の経営合宿/キャリアコンサルタント岩橋さんの場合【ワーケーションの現場から3】

「ワーケーション」とは、ワーク(仕事)とバケーション(休暇)を組み合わせた造語。第3弾は、会社の仲間と共に実践した親子ワーケーションの例をご紹介!

Text:
南 ゆかり(フリーエディター)

時間を気にせずアイディアを出し合う・まとめる場として活用

岩橋ひかりさん
Hikari Iwahashi/株式会社MYコンパス代表取締役 キャリアコンサルタント
金融機関に10年勤務する中で、やりがいを感じつつもワーキングマザーの働きづらさを痛感。「同じように悩む女性を救いたい」と第2子出産後に独立を決意。200名以上の受講生を活躍に導く中で編み出した独自のキャリアメソッドを展開し、オンライン講座「MYコンパスアカデミー」を主宰。2019年10月より子育て中の忙しい女性でも国内外からオンラインで参加できるコミュニティ「MYコンパスカレッジ」を開始。WEBを活用した新しいキャリア支援スタイルを追求している。8歳と4歳の二児をもつ。
●MYコンパス 公式WEB
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子どもだけでも過ごせて、でも誘惑が多すぎない場所で

上の息子が小学2年生になった今、いかに一緒に過ごす時間を多くつくるか。それが、私が今年になってずっと考えてきたことでした。夏休みはもちろん一緒に遊びたいけれど、長く仕事を離れるわけにもいかないし…。うまく解決できる方法はないだろうかと考えてチャレンジしたのが、ワーケーションでした。

同時に参加したのは、私の会社のメンバー3人とそれぞれの子ども(現地合流も含む)。どの家庭も、小学生の子どもを連れての参加となりました。というのも、今回はバケーションよりも仕事をメインに予定を組んでいたので、それより小さい子どもは連れて行きにくい。小さな子どもは、それぞれの父親とお留守番をしたり、後から合流することになりました。行き先は沖縄で、滞在は6日間。ミーティングのできる環境がありながらも、その間に子供はホテルの中で過ごすことができて、バケーションも楽しめる場所。とはいえ遊びの誘惑が多すぎないほうがいいと考え、繁華街から離れて丘の上にあるホテル「ユインチホテル南城」を選びました。

ふだんできない深い議論に発展

事前に決めていたのは、午前中は仕事の時間にあて、その間は子どもたちが夏休みの宿題をするということ。だから子どもたちは、宿題のうちどれをどこまで沖縄でやるか、あらかじめ決めて持って行きました。そして午後は外に出て遊んだり、それぞれが自由に過ごしたり。

初日の夜。子どもが寝た後にメンバーが集まって、やり残した仕事を話し合っていたとき…。「せっかく3人集まっているんだし、いつもの実務に時間を使ってしまうのは、もったいない。もっと議論することに使ったほうがいいかもしれない」。そう気づいたのです。経営会議は東京でもやりますが、メンバーはお迎えもあって5時までと時間が限られているし、全員そろって長時間確保するのが難しいのが現実でした。ならば、このワーケーション期間をすべて経営会議にあてて、思う存分議論するののがいいと考えました。

▲左が岩橋さんと長男(8歳)。各家族で別々の部屋に滞在したが、ひと部屋だけはリビングが広い部屋にして、そこを会議に使用。

経営会議は午前の仕事時間と、さらに足りなければ夜にも続きを実施。その時間はとても濃密で、ふだんは踏み込めない深い議論にまで発展しました。会社の目標、個人のビジョン、それぞれのライフプラン…、こうしたことが具体的になり、そして各自の士気が高まって、その後の仕事へのいいステップとなりました。そしてワーケーション先でする仕事は、日常の残務や書類づくりなどよりも、考えをまとめたり自由に発想するタイプのものが向いていると、確信しました。午後のオフタイムにも遊びながらアイディアを得たり、それがまた次の議論につながったり。考える上でいい循環が生まれたのです。さらには、子どもにとっては母親の職場見学にもなるし、家族間の交流という副産物も生まれる。3家族でのワーケーションでは、こんなふうに多くの発見がありました。

自分の仕事のあり方を考え直すチャンスにも

ワーケーションをためらう人からは、「旅先に仕事を持って行きたくない」という話もよく聞きます。もしかすると、「仕事=大変なこと・つらいこと」ととらえている人は、旅と仕事を切り離したいかもしれません。でも私にとっては仕事自体が楽しいし、それが仲間と楽しい旅先でできるなんて、いいことづくし(笑)。もし、バケーション中の仕事を嫌だと思うのなら、自分の仕事のあり方も考え直したほうがいいのかもしれません。

また、「ワーケーション中、子どもが気になって仕事に集中できなかった」という体験も聞きます。私も、小さい子どもとふたりきりだったらそう感じていたかもしれません。けれど今回のワーケーションのように、仲間と複数人で行くことで、子どもの面倒も代わってもらえたり、助け合ったりすることができました。ただし子どもに対しては、「お母さんは仕事に、子どもたちは宿題をしに行く」ということをしっかり伝え、夏休みとは別ものであるとわかってもらうことが大事だと思います。

その後、今度は完全な夏休みとして3日間を使い、家族全員で蓼科旅行へ行きました。パソコンも持たず仕事もしない休日を、久しぶりに満喫しましが、私の場合は、少しずつでも仕事に触れていたほうが、落ち着くみたいです。気になって遊びに集中できないなら、メールをチェックして連絡をとったほうがいい場合もありますからね。0か100かではなく、夏休みだとしても10や20は仕事に触れる。それくらいのユルさが、私には合っているようです。

▲沖縄滞在の終盤は丸1日をアクティビティの日に。メンバーの家族も合流してにぎやかな休日になった。

▲現在メンバーは3名。リモートワークは日常に定着しているほか、毎週水曜は全員が同時にフルリモートワークで「出社しない」スタイルも実践中。

私のワーケーション論
●複数家族で一緒に実践する。
●子どもにもワーケーションの予定と目的を伝える。
●アイディアをまとめる・発想するなどの仕事を。

南 ゆかり

フリーエディター・ライター。10/3発売・後藤真希エッセイ『今の私は』も担当したので、よろしければそちらも読んでくださいね。Cancam.jpでは「インタビュー連載/ゆとり以上バリキャリ未満の女たち」、Oggi誌面では「お金に困らない女になる!」「この人に今、これが聞きたい!」など連載中。

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