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LIFESTYLE 職場の悩み

2018.10.01

子どものデュアルスクールの間、ワーケーションをしてみたら/ヒトカラメディア・杉浦さんの場合【ワーケーションの現場から2】

 

「ワーケーション」とは、ワーク(仕事)とバケーション(休暇)を組み合わせた造語。第2弾は、子どものデュアルスクールに合わせて体験したワーケーションの例をご紹介!

Text:
南 ゆかり(フリーエディター)

息子のデュアルスクールに合わせて徳島滞在

杉浦那緒子さん
Naoko Sugiura/株式会社ヒトカラメディア オフィスプロデュースグループ・プランニング事業部
新築マンションの営業会社に就職。その後、リクルートの不動産領域広告(現 SUUMO)営業、充電期間を経て、Webメディア、フリーのFP、キャリア教育などさまざまな業種&働き方を試す。現在は、東京・軽井沢・徳島にオフィスを構えるヒトカラメディアにて自ら新しい働き方の実験をしつつ、企業のオフィス移転をサポート。
●ヒトカラメディア

子どもは小学校へ、私はサテライトオフィスで

以前に徳島で知り合った方から「デュアルスクール」について聞いたのは、2016年5月末でした。東京の小学校に通う息子を、一定期間徳島の小学校に通わせるというもので、私はすぐに「面白そう!」。でも息子は「知ってる人いないし。ムリムリ」と。ならば、秋に学校が始まる前に知り合いをつくっておけばいい! と考え、まずは夏休みの1週間、徳島に滞在することにしました。

1週間は、とても充実したものでした。朝早く起きて海辺を散歩。私は9時半から仕事を始め、昼は外に食べに出たり夕食の買い物をしたり。18時半までまた仕事をしたら、息子と夕食をとって、夜は温泉へ。インドア派だった息子は、釣りや川遊び、学校のプール通いと、真っ黒になって遊んでいました。友達はもちろん、地域の方とも仲良くなって、ひとまわりたくましくなって。私の仕事が終わる時間まで外にいますが、何かあったらすぐに行ける距離なので、私も安心です。息子の「ムリムリ」が「また来たい!」に変わり、私もこの場所ならワーケーションできると実感。その後、学校への書類手続きなどを済ませ、10月に再度徳島へ。息子は正式に徳島県美波町の日和佐小学校2年生の生徒として、2週間通いました。

▲2年目となった2017年の徳島滞在。カヌー体験は日和佐川で、ほかにもウミガメの産卵で有名な大浜海岸など自然に恵まれた場所。

徳島での息子のデュアルスクールに合わせて私が活用したのが、「美波町ワーク制度」です。私が勤める会社「ヒトカラメディア」の社内制度で、年に一度、徳島県美波町への交通費を会社が負担し、サテライトオフィス体験施設「戎邸」に滞在しながら、ワーケーションができるというもの。以前から自宅でのリモートワークは実践していましたが、場所を変えて長期間のワーケーションは、2016年が初めて。それから年に一度、息子のデュアルスクールに合わせて実践した徳島でのワーケーションは、今年で3年目です。

常に仕事仲間の「顔が見える」環境

私の場合、バケーションの中で仕事をするというより、仕事をそのままバケーション先に持って行く、という感じです。仕事の時間も、東京にいるときと変わりません。実際には、東京のように通勤時間がないぶん、長く働いていました。

2016年に初めてワーケーションをしたとき、東京のオフィスにいるスタッフとは、チャットツールのSlackでのやりとりがメインでした。でも、私の姿が向こうから見えないぶん、すぐに返事ができないときは、どういう状況なのかわかりにくかったようです。徳島ではご近所の方が訪ねてきたり、おうちに呼ばれたりするので、少しの間パソコンから離れることもあるのです。

そこで、2度目のワーケーションからは、appear inというビデオチャットを使いました。URLだけ共有すれば、事前準備なしでお互いをモニター越しに見ることができます。勤務時間中の9時半から18時半はずっとつけておき、東京のオフィスと徳島のサテライトオフィスそれぞれの様子がわるようにしました。

また、Slackを使うときは、自分が実務対応中であれば<対応中>というスタンプをつくって押すようにしました。作業が完了したら<完了>を押す。スレッドが不要に長くならないし、進捗がわかるし、今では他のメンバーもテレワークのときによく使っています。

▲徳島県にあるサテライトオフィス体験施設「戎邸」のフリースペースで仕事。

appear inやSkackでお互いいつでも話しかけられるようにしておき、ランチに出るとき、ご近所さんが訪ねてきたときなどは、カメラをオフにして席を離れ、戻り時間を伝えておきます。

私のパソコンのモニターでは、社内全体が見えるのですが、「今オフィス内がバタバタしてるな」「あの人が体調悪そう」と気づくことはできても、それをフォローすることができません。そんなときは、少しもどかしかったかな。あとはクライアントとの契約書類の受け渡しができないので、ほかのスタッフに頼んだり。それ以外は、特に不都合は感じませんでした。

パソコンや電卓など、ふだん使っているものを持って行った上に、プリンターやスキャナーは戎邸にあるものを使います。1階のワークスペースや2階の作業スペースを仕事場所として使い、寝るときは2階の和室にお布団を敷いて。古民家をリノベーションした、住まい兼リモートオフィスの戎邸は、とても快適です。2018年には、会社がプロデュースしたコワーキングスペース「ミナミマリンラボ」(下の写真)もできて、海を見ながら仕事をすることもできます。帰ってきて久しぶりに対面したオフィスの仲間からは、「元気になってる!」とよく言われたほど。ワーケーションは私にとって、リフレッシュ期間のようです。

▲2018年にオープンしたコワーキングスペース「ミナミマリンラボ」(徳島県)。

オンとオフを「分ける」のではなく「寄せる」

オンとオフを完全に分ける人もいますが、私の場合は限られた時間と体力の中でやり繰りするために、両方をできるだけ「寄せる」。仕事をしながら子供と接する時間を増やす方法を考えます。家でのリモートワーク、オフィス帰宅(子どもが学校から会社に立ち寄り、親の終業まで過ごす)などを活用し、子どもと接するときも、マネジメントのノウハウとの共通点を考えます。

息子にとっては、小学2年から4年までの毎年、短い期間ではあったけれどデュアルスクールに慣れ、新しい人との出会いも経験し、ずいぶん活動的になりました。私たち親子にとってデュアルスクールは今年が最後ですが、これから先も、変化のある環境に身を置くこと、様々な人と出会うことを、面白いと思って生きて欲しい。デュアルスクールとワーケーションが、それを教えてくれました。

▲東京・渋谷にある「ヒトカラメディア」オフィスで。社員の子どもが放課後にここでマンガを読んだり宿題をしていることも。

○戎邸
○appear in

私のワーケーション論
●最初は短期間から始めてみる。
●ふだん使っている仕事道具を持って行く。
●遠方の仕事仲間とは常に顔が見える環境をつくる

南 ゆかり

フリーエディター・ライター。10/3発売・後藤真希エッセイ『今の私は』も担当したので、よろしければそちらも読んでくださいね。Cancam.jpでは「インタビュー連載/ゆとり以上バリキャリ未満の女たち」、Oggi誌面では「お金に困らない女になる!」「この人に今、これが聞きたい!」など連載中。

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