「今後とも」は感謝と継続的な関係維持を願う丁寧な表現で、信頼構築に不可欠。
Summary
- 「今後とも」は継続的な関係や協力を丁寧に願う言葉。
- ビジネスでは取引先、上司、同僚など幅広く使われる。
- 場面や相手によって、表現や言い換えを工夫することが大切。
Contents
ビジネスシーンで日常的に使われる「今後ともよろしくお願いいたします」。この言葉を本当に適切な場面・適切な相手に使えていますか？
本記事では、「今後とも」の正確な意味や使い方、取引先・上司・社内など場面別の使い方、さらにスマートな言い換え例までわかりやすく解説します。丁寧な言葉遣いを身につけ、信頼されるビジネスパーソンを目指しましょう。
【目次】
「今後ともよろしくお願いいたします」とは？ 基本の意味とビジネスでの重要性
まずは「今後ともよろしくお願いいたします」の基本的な意味と、ビジネスシーンで重視される理由について詳しく見ていきましょう。
「今後ともよろしくお願いいたします」の基本的な意味
「今後ともよろしくお願いいたします」の意味
「今後ともよろしくお願いいたします」は、「これまでのお付き合いへの感謝」と「今後も変わらぬ協力やお付き合いをお願いする気持ち」を丁寧に伝える表現です。単に形だけの挨拶にせず、心を込めて使うことが大切です。
ビジネスで重視される理由
プロジェクトの完了報告、契約更新の挨拶、異動や退職の挨拶など、ビジネスでは関係性の「区切り」や「新たな始まり」が頻繁に訪れます。
そのような場面で「今後ともよろしくお願いいたします」と添えることで、関係性が途切れるのではなく、これからも継続していくという意思を明確に伝えることができます。これは、継続的な信頼関係が不可欠なビジネスにおいて、非常に重要な役割を果たします。
プライベート使用との違いは？
プライベートな場面で交わされる「よろしくね」や「またお願いね」といった軽やかな挨拶に比べ、ビジネスシーンで使われる「今後ともよろしくお願いいたします」は、よりオフィシャルな場面で使われます。
ビジネスシーン別！「今後ともよろしくお願いいたします」の使い方例文集
ここでは取引先・上司・社内・就活など、の場面ですぐに使えるフレーズを紹介します。
「今後ともよろしくお願いいたします」の例文集
取引先へのメールで使う場合（外部向け例文）
取引先とのやり取りでは、相手に対する敬意と、今後の協力関係への期待を丁寧に表現することが大切です。
例文：「今後とも変わらぬご厚情を賜りますようよろしくお願い申し上げます。」
社内の上司・先輩に使う場合（内部向け例文）
社内の上司や先輩に向けては、感謝の気持ちとともに、指導を受けながら成長していきたいという前向きな意欲を示すと、いい関係につながります。
例文：「未熟な点も多くご迷惑をおかけすることもあるかと存じますが、今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。」
「ご指導ご鞭撻」は定番で便利な言葉ですが、少し堅い印象を与えることも。より具体的に「これからも色々と教えてください」という気持ちが伝わるように、前後にクッション言葉を置くと、謙虚で真摯な姿勢がより伝わりやすくなります。
社内の同僚・後輩に使う場合
同僚には「共に頑張ろう」という連帯感を、後輩には「いつでも頼ってほしい」という気持ちが伝わるような、少し柔らかな表現を心がけましょう。
例文：「今後とも協力して取り組んでまいりましょう。」
同僚・後輩に対して「今後ともよろしくお願いいたします」と使うのは、少し距離を感じさせる場合があります。より身近な言葉で「協力」「期待」といったポジティブなメッセージを伝えることで、チームとしての一体感を育むことにつながります。
就活・転職活動での使用例
面接やメールで、感謝と入社意欲を伝える大切な場面です。丁寧さは必須ですが、まだ社員ではないため、過度にへりくだった表現は避けましょう。
例文：「本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。面接を通して、貴社で働きたいという気持ちがより一層強くなりました。今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。」
「今後ともよろしくお願いいたします」の言い換え表現や類語は？
毎回同じフレーズでは、気持ちがこもっていないように聞こえてしまうこともあるでしょう。場面に応じて使い分けることで、表現力豊かな人という印象を与えられます。ここでは「今後ともよろしくお願いいたします」の言い換えパターンを紹介し、場面に応じたバリエーションを提案します。
「今後ともよろしくお願いいたします」の言い換え表現や類語
よく使われる言い換え表現とニュアンス
・「引き続きよろしくお願いいたします」
・「末永いお付き合いをお願いいたします」
これらは「今後とも」と近い意味合いで、相手との継続的関係を願う表現です。
お客様・目上向けに最適な言い換え例
・「今後とも変わらぬご高配を賜りますようお願い申し上げます。」
・「末永いお付き合いをいただけますよう、心よりお願い申し上げます。」
厚意を受けてきた感謝と、変わらぬ支援への願いを明確に示します。
社内向け・カジュアルな言い換え表現
・「これからもよろしくお願いします。」
柔らかく親しみのある表現が適切です。堅苦しさを避け、協働する仲間への信頼感を自然に伝えられます。
場面や相手に応じて「引き続き」「末永く」など多様な表現を使い分けることが大切。
POINT
- 「今後ともよろしくお願いいたします」は感謝と継続の意思表示。
- 取引先には丁寧な表現を、社内では柔らかくアレンジも可能。
- 場面ごとに言い換えや例文を使い分けることで印象アップ。
「今後ともよろしくお願いいたします」は、信頼関係や協力体制を築くうえで欠かせない表現です。場面や相手にふさわしい言葉を使い分けることで、あなたの印象は大きく向上します。ビジネスパーソンにとって、「誠実さ」と「丁寧さ」を伝えるための大切な一言。ぜひ日々のコミュニケーションに役立ててください。
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執筆
武田さゆり
国家資格キャリアコンサルタント。中学高校国語科教諭、学校図書館司書教諭。現役教員の傍ら、子どもたちが自分らしく生きるためのキャリア教育推進活動を行う。趣味はテニスと読書。
