「重ねてお詫び申し上げます」は、一度謝罪した上で、改めて深い反省と誠意を強調する最上級の謝罪表現です。
Summary
- 「重ねてお詫び申し上げます」は、繰り返し誠意を伝える最上級の謝罪表現です。
- 主に社外や取引先など、フォーマルなビジネスシーンで用いられます。
- 使いすぎは逆効果。具体的な対応策や再発防止も必ず添えましょう。
Contents
謝罪の言葉には、丁寧さと状況に応じた配慮が不可欠です。特にビジネスの場で使われる「重ねてお詫び申し上げます」は、丁重な表現ですが、その意味や使い方について戸惑う人も少なくありません。
本記事では、「重ねてお詫び申し上げます」の意味や背景から、実務での具体的な使用場面、注意点、言い換え表現、さらにはすぐに役立つ例文まで幅広く解説します。
実務に直結する形で整理していますので、ぜひ日常業務に役立ててください。
「重ねてお詫び申し上げます」の基本的な意味と背景
ビジネス敬語としての意味と成り立ちを理解することは、場にふさわしい表現選びの第一歩です。ここでは表現の基本と、言葉が持つ丁寧さのニュアンスについて確認します。
どんな意味を持つのか?
「重ねてお詫び申し上げます」とは、「繰り返し、お詫びをいたします」という意味を持つ、非常に丁寧な謝罪の表現です。この言葉の核心は、単に謝罪を繰り返すことではなく、一度謝罪した上で、なお尽きないお詫びの気持ちを伝える点にあります。
そのため、一つの事柄に対して謝罪の意を強調したい場合や、複数の事柄についてまとめて謝罪する際に用いられます。言葉の形式だけでなく、「深く反省しており、心から申し訳なく思っている」という誠意を伝えるための、敬意のこもった表現といえるでしょう。

「重ねて」と「申し上げます」の語源的な構成
この表現は、「重ねて」と「お詫び申し上げます」の二つの部分から成り立っています。「重ねて」は、「繰り返し」や「重複して」という意味があり、謝罪の気持ちを重ねることを示します。
「お詫び申し上げます」は、「お詫び」という謝罪の意味を持つ名詞に、謙譲語の「申し上げる」を付けて、相手に対して自分の行動をへりくだって伝える丁寧表現です。つまり、「深い敬意を込めて改めて謝罪します」というニュアンスが敬語の重層構造によって成り立っています。
フォーマル度と敬意のレベルはどの程度?
「重ねてお詫び申し上げます」は、謝罪表現の中でも特にフォーマル度と敬意のレベルが高い言葉です。例えば「申し訳ございません」や「お詫びいたします」と比較すると、そのかしこまった度合いは格段に上がります。そのため、社内の親しい上司への日常的なミス報告などにはやや大げさな印象を与えかねません。
主に、社外の取引先や顧客に対する公式な謝罪や、社内でも重大なインシデントを引き起こした際の役員への報告など、極めてフォーマルな場面で用いるのが適切です。

よく使われる場面と使用時の注意点
多くの人が悩むのは「いつ使うのが適切か」という判断です。ここではビジネスシーン別に使い方を分解し、誤用を避ける視点も解説します。
社内メール・上司への謝罪のケース
社内、特に直属の上司への報告では、「重ねてお詫び申し上げます」は慎重に使うべき表現です。例えば、一度報告したミスについて、その後の調査で新たな問題が発覚した場合など、謝罪すべき事柄が追加・拡大した状況では適切といえます。
しかし、軽微なミスに対して使うと、かえって深刻さを煽り、相手を恐縮させてしまう可能性があります。また、何度も同じミスを繰り返してこの表現を使うと、「言葉だけで反省していない」と受け取られかねません。社内では、具体的な原因と再発防止策を明確に伝えることが、言葉以上に重要です。

社外・顧客対応で使用する際の注意点
取引先や顧客に対して使う場合は、「誠意を持って対応していること」を伝える手段として非常に有効です。
ただし、繰り返し使いすぎると形式的で軽い印象にもなりかねません。頻度は場面やメールの回数に応じて調整し、可能な限り具体的な再発防止策や対応の説明を添えると効果的です。
使ってはいけないカジュアルな場面とは?
「重ねてお詫び申し上げます」は極めてフォーマルな表現のため、日常のカジュアルな会話や友人間のやり取りには不自然で過剰な印象を与えます。また、社内でもフランクでフラットな関係性の同僚に対しては、もっと簡潔な「申し訳ありません」や「すみません」を使用するほうが親しみやすく適切です。

「重ねてお詫び申し上げます」は、重大なミスや社外対応などフォーマルな場面で用い、乱用や誤用は避けることが重要。
使用目的別「重ねてお詫び申し上げます」例文集
使用目的に応じてそのまま使える文例を紹介します。
【社内】上司・同僚へのお詫びメール例
社内向けの謝罪は、原因報告と今後の対策をセットで伝えることが基本です。誠意を示しつつ、簡潔にまとめましょう。
・「このたびは私の不手際により、ご迷惑をおかけし誠に申し訳ございません。重ねてお詫び申し上げます。」
・「度重なるご迷惑となり、大変反省しております。重ねてお詫び申し上げますと共に、今後は再発防止に努めます。」
要点は簡潔・明確に、過度の言い訳は控え、改善策や反省の意も必ず含めましょう。
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