Contents
ピータンとはどんな食べ物?

中国発祥のピータンは、アヒルの卵を発酵させて作る食べ物です。特徴は白身が黒く、黄身が灰色であること。なお、アミノ酸の結晶である松葉柄が白身の表面についたものは、松花(ソンホア)と呼ばれ、高級品として珍重されます。
アヒルの卵のほかに、鶏卵やウズラの卵でピータンを作ることもあります。
ピータンの作り方
ピータンを作るには、強いアルカリ性の環境で熟成しなければなりません。そのために木炭・灰・塩などを混ぜた粘土で卵を包み込みます。
そのまま1カ月以上かけて熟成させると、卵にアルカリ成分が浸透していき、タンパク質が変化します。最終的に黒くなるとピータンの完成です。
ピータンの味わい
白身が黒く、黄身が灰色をしているピータン。その味わいの特徴はコクとうま味、ほんのり感じられる塩味です。
ただしアンモニア臭があるため、においを苦手に感じることもあるでしょう。気になる場合は、スライスしてから15~30分ほど空気にさらすと、においが和らぎます。
ほかにもある! アヒルの卵を使った食べ物
アヒルの卵を使った食材には、ピータン以外にも「鹹蛋(シエンタン)」「糟蛋(ザオタン)」「茶葉蛋(チャーイエダン)」などがあります。
鹹蛋(シエンタン)は、アヒルの卵を塩漬けにした保存食で、濃度20%の塩水に1カ月漬けて作ります。塩水に八角や山椒などを加えて香り付けすることもあります。
糟蛋(ザオタン)は酒かすがベースのたれに、アヒルの卵を漬け込んで作る発酵食材です。
また茶葉蛋(チャーイエダン)は、ゆで卵をウーロン茶やプーアール茶などの茶葉としょうゆ、五香粉という香辛料の入った調味液で煮込んで作ります。
ピータンの食べ方とおすすめレシピ

ピータンは加熱することなく、そのまま食べられる食材です。ただ、薬味をはじめとするほかの食材と合わせることで、よりおいしく食べられます。
また、地域によってさまざまな食べ方があるのもピータンの特徴。広東省では刻んでおかゆに入れる食べ方が、台湾では豆腐と合わせるピータン豆腐が定番です。
ここでは、ピータンを使ったおすすめのレシピを紹介します。
ピータン豆腐のレシピ
まずはピータンと豆腐を合わせた「ピータン豆腐」の作り方を紹介します。タレによって味が変わるため、好みのものを探すのもよいでしょう。
<材料:2人分>
ピータン 1個
絹ごし豆腐 1丁
<作り方>
1.ピータンは殻をむいておき、絹ごし豆腐は水気を切っておく
2.ピータンを1cm角に切る
3.絹ごし豆腐を2cm角に切る
4.器にピータンと豆腐を盛り付けて、香味ダレをかける
最後にかける香味ダレは、長ネギ10㎝(約20~25g)・ショウガ10g・ザーサイ20g・ニンニク1/4片をみじん切りにして、しょうゆ大さじ1杯・ごま油大さじ1杯・砂糖小さじ1/2杯・塩こしょう2つまみを混ぜ合わせて作ります。
そのほか、ピータンを刻んで入れる香味ダレのレシピも2種類紹介します。
<香味ダレのレシピ1>
1.ピータン1個・ハム3枚・ミョウガ2個・長ネギ1/3本をみじん切りにする
2.ポン酢しょうゆ大さじ3杯・ごま油小さじ1と1/2杯を加えて混ぜ合わせる
<香味ダレのレシピ2>
1.ピータン1個を粗く刻む
2.キュウリ1/2本を5mm角に切る
3.干しエビ小さじ1杯を水で戻してから粗みじんに切る
4.酢大さじ1杯・しょうゆ大さじ1と1/2杯・砂糖小さじ1杯・ごま油小さじ1杯・ラー油小さじ1/2杯に、1~3を加えて混ぜ合わせる
ピータンがゆのレシピ
続いて、広東省で定番の「ピータンがゆ」の作り方を見ていきましょう。
<材料:2人分>
・お米(生米)1/2合
・ピータン 1個
・豚肉 100g
・ショウガ1かけ
・ごま油 小さじ1杯
・中華だし 小さじ1杯
・塩 小さじ1/2杯
・水 600~750mLほど
<作り方>
1.豚肉100gを一口大に切って塩コショウ(分量外)をもみ込む
2.ショウガ1かけを千切りにする
3.ピータン1個は殻をむいて角切りにする
4.といだお米とごま油を鍋に入れて全体を混ぜたら、水を入れて中火にかける
5.煮立ったら鍋底を返すように混ぜる
6.ふつふつする程度の火加減で約20分加熱する
7.豚肉・ショウガ・ピータンを鍋に入れ、弱火で10分加熱する
8.あくをすくい、塩・中華だしで味を調える
9.全体を混ぜたらふたをして約5分蒸らす
豚肉をエビにしたり、仕上げに刻みネギをかけたりすれば、簡単にアレンジも楽しめます。
ピータントマトのレシピ
コクとうま味を感じられるピータンは、さっぱりしたトマトと合わせてもおいしく仕上がります。
<作り方:2人分>
1.トマト1個を薄切りにして皿に並べる
2.殻をむいて刻んだピータン1個と、すりおろしたショウガ小さじ1/2杯・しょうゆ大さじ1杯・酢大さじ1/2杯・ごま油小さじ1杯を混ぜ合わせて、1にかける
3.こしょう少々を振りかける
まとめ
ピータンは中国発祥の加工卵で、アヒルの卵を強いアルカリ性の環境で熟成させたものです。コクとうま味に加えて塩味も感じられるおいしい食材ですが、人によってはアンモニア臭が気になることも。
においを気にせずおいしく食べるには、切った後15~30分間空気にさらすことをおすすめします。また、香味野菜と合わせてもよいでしょう。
メイン・アイキャッチ画像/(c)Adobe Stock
TEXT
Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けた「明日」も楽しむライフスタイルをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれも美容も仕事も楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッションのみならずライフスタイルやビジネス・デジタルスキルにも関心が高いエディターたちを通して発信中。
https://domani.shogakukan.co.jp/
あわせて読みたい


