え、そういう意味だったの？「複雑怪奇」の意味・使い方・類語をわかりやすく解説

「複雑怪奇」という言葉は、物事が入り組んで理解しにくいときによく使われます。ニュースや会話の中で耳にすることもありますが、意味を誤解すると印象が大きく変わってしまうことも…。

この記事では、正しい意味と使い方を整理し、言い換えや英語表現までを実用的にまとめます。

「複雑怪奇」の意味を正しく理解する

まずは辞書に基づいて「複雑怪奇」の意味を整理していきましょう。

意味

「複雑怪奇」は「ふくざつかいき」と読みます。物事の関係が入り組み、不思議で理解しがたいさまを表す言葉です。単に「複雑」と言うよりも、そこに「奇妙さ」や「不可解さ」といった感覚が重なります。

辞書では次のように説明されていますよ。

ふくざつ‐かいき〔‐クワイキ〕【複雑怪奇】
［名・形動］複雑でわかりにくく不思議なこと。また、そのさま。「―な（の）国際情勢」
引用：『デジタル大辞泉』（小学館）

報道や評論などで、状況の混み入り具合や難解さをやや客観的に伝える際に選ばれる表現です。

「複雑怪奇」とは複雑でわかりにくく不思議なこと。

ビジネスや日常での使い方

職場の会話や報告書の中で「複雑怪奇！」と言いたくなる瞬間は少なくありません。どのような場面であれば自然に使えるのか、例文や表現の工夫を通して確認してみましょう。

プロジェクトの権限構造が複雑怪奇で、誰が最終決定者なのか誰にもわからない状態だった。

組織や仕組みが入り組み、合理的に見えない不思議さを帯びている時に使う用例です。

事件の裏には複雑怪奇な人間関係が絡んでおり、解決には時間がかかりそうだ。

人間関係が絡み合い、背景が見通せないほど入り組んで不思議に感じられる状況の表現。

新作ゲームのストーリーは複雑怪奇で、一度プレイしただけでは全貌がつかめなかった。

物語の構造が複雑で、奇妙・不可解に感じられるという意味での使用。フィクションの設定にもよく使われますね。

彼の説明は複雑怪奇で、聞けば聞くほど余計に混乱してしまった。

説明や論理の筋道が立っておらず、不思議なほどわかりにくい様子に用いる用例です。

老舗企業の社内文化は複雑怪奇で、外部の人には理解しがたい慣習が多い。

歴史的経緯の積み重ねで出来上がった不可思議な仕組みや慣習を描写する際の表現。

言い換え・類語・英語表現を整理する

ここでは、「複雑怪奇」の言い換え表現や英語表現について見ていきましょう。

言い換え表現や類語

「複雑怪奇」と同じように物事の構造や事情が入り組んでいる様子を指す言葉としては、「錯綜（さくそう）」「込み入る」「入り組む」「複雑多岐（ふくざつたき）」などがあります。これらはすべて、理解や整理が難しい状態を説明する点では共通しています。

「錯綜」は多くの要素が交差して混乱している様子を示し、客観的な表現として報道や分析文に適しているでしょう。

「込み入る」や「入り組む」は会話などでも使いやすいですね。

英語で近い表現

英語表現にするなら、“complicated and mysterious”がいいでしょう。状況が「入り組んでいて、どこか不可思議」というニュアンスを英語でも伝えられます。

例文：The case took a complicated and mysterious turn, confusing even the experienced investigators.
（事件は複雑怪奇な展開を見せ、ベテラン捜査員でさえ混乱した。）

最後に

「複雑怪奇」は、物事が入り組み、理解しにくい状況を客観的に表す言葉です。由来を追うよりも、正確な意味と使い方を知ることが実用的です。ビジネス文書や会話では、事実の説明を添えつつ、誇張しすぎない表現を心がけることで、知的で落ち着いた印象を与えることができます。

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