Domani

働く40代は、明日も楽しい!

 

LIFESTYLE 四字熟語

2023.07.12

「温故知新」とは過去を大切にしつつ新しい知識を取り入れること!由来や使い方をご紹介

 

「温故知新」とは、過去の出来事を学び、新しい知識を取り入れていくことを意味する言葉です。どのような由来がある言葉なのか、わかりやすく解説します。また、使い方や類語についても、例文を通して見ていきましょう。

Tags:

「温故知新」とは古い教えから新しい知識を学ぶこと

「温故知新(おんこちしん)」とは、古い教えから新しい知識を学ぶことを意味する言葉です。元々は中国古代の『論語』の中に記載されていた言葉で、書き下し文では「故きを温ねて新しきを知る(ふるきをたずねてあたらしきをしる)」と読みます。

なお、書き下し文で読むとおりに「古い」という漢字を使って「温古知新」と書くこともありますが、これは間違いです。正しくは「故」なので、正確に表記するようにしましょう。

【温故知新】おんこちしん
《「論語」為政から》過去の事実を研究し、そこから新しい知識や見解をひらくこと。
「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る」と訓読する。「温」を「あたためて」と読む説もある。なお、「温古知新」と書くのは誤り。

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

古道具屋に並ぶ昔のラジオや電話

教師になるための心構えを説いた言葉に由来する

「温故知新」という言葉が記されているのは、論語の『為政』の部分です。『為政』を読めば、孔子が弟子に語った言葉から、どのように生きていくべきか、何をすべきかを学ぶことができるでしょう。

「温故知新」と記されているところの前後を解釈すると、「昔から伝わる教えを学び、そのうえで新しい解釈を得るようにしよう。それができるようになれば、人を教える教師になることができる」となります。つまり、「温故知新」とは、教師になるための心構えともいえるのです。

会社や学校のモットーに使われることが多い

「温故知新」は会社や学校のモットーに使われることが多い言葉です。実際に会社や学校が堅実に歩んでいくためには、会社や学校を創立した先人たちの考え方や実行してきたことを学び、理解する必要があります。

しかし、先人たちの考え方や行動を学ぶだけでは、進歩は生まれません。先人たちの言動から新しい知識や見解を得、それを実行することで未来に向かった経営や教育を実現することができるのです。そのため、この言葉は過去から学んでイノベーションを目指す会社のモットー、過去からの学びを子どもたちの成長に繋げる学校のモットーにふさわしいといえるでしょう。

「温故知新」の使い方を例文でご紹介

「温故知新」は、日常会話でも使える言葉です。いくつか例文を紹介するので、使い方や言葉のニュアンスを感じ取ってください。

例文

・数学は勉強しても役に立たないというけれど、温故知新というとおり、過去の数学者たちの発見を学ぶことで将来に役立てられる。
・新規事業はいつでも過去の事業や失敗がベースになっている。温故知新の精神が大切だ。
・歴史を学ぶことで、より良い未来が開けるだろう。温故知新は言葉だけではなく、真実だと思う。

 

「温故知新」の類語を例文でご紹介

「温故知新」のように、古い出来事や知識から学び、新しい知見を得たり将来に繋げたりするという意味の言葉はいくつかあります。例えば次の4つの四字熟語は、「温故知新」と意味が似た類語といえるでしょう。

それぞれの類語の意味や使い方を例文とともに紹介します。

積まれた本

覧古考新(らんここうしん)

「覧古考新」とは、「古い事柄を振り返ってから、新しいことを深く考える」あるいは「古い出来事を参考にして新しい考察を得る」という意味の言葉です。中国の歴史書である『漢書』に記され、「温故知新」とほぼ同じ意味で使われます。例えば次のように使ってみましょう。

例文

覧古考新というように、一度基礎の本から勉強してみてはいかがですか。
覧古考新とは、単に昔にこだわることを意味しているのではありません。過去から未来に繋がる何かを学ぶことが大切だといっているのです。

 

承前啓後(しょうぜんけいご)

「承前啓後」とは、「昔を引き継ぎ、未来に繋いでいく」あるいは「昔の学問や文化を受け継いで、未来を切り拓いていく」ことを指す言葉です。「温故知新」とほぼ同じ意味の言葉ですが、「温故知新」では過去を自発的に探って学ぶのに対し、「承前啓後」では過去を引き継ぐので、どちらかというと受け身のニュアンスがあるでしょう。次のように使うことができます。

例文

・この会社には創業100年の歴史から培った販売ノウハウがあります。さらに次の100年も承前啓後の精神で進んでいきましょう。
・先人の知恵を活かすことで、失敗を回避し、最短距離で成功に近づいていけるでしょう。承前啓後の言葉の通り、過去を引き継いでいきましょう。

 

因往推来(いんおうすいらい)

「因往推来」とは、「過去にあった事柄に基づき、将来を推測する」ことを指す言葉です。「温故知新」は過去の出来事から新たな知見を得ますが、「因往推来」では新たな知見を得るというよりは、将来起こりそうなことを推測するというニュアンスで用います。例えば次のように使ってみましょう。

例文

因往推来すると、近い将来、景気が極端に落ち込みそうだ。
・個性を伸ばす教育が大切だとよくいうけれど、因往推来すれば、そのような風潮は長くは続かないと思う。

 

彰往察来(しょうおうさつらい)

「彰往察来」とは、「昔の出来事を解明することで、将来を推測する」ことを指す言葉です。「温故知新」と比べると、より積極的に過去を分析しているニュアンスがあるかもしれません。また、「温故知新」では過去の事例から将来の知見を得ますが、「彰往察来」では将来を推測することを意味しているので、「因往推来」に近い言葉といえます。例えば次のように使ってみましょう。

例文

・日本の歴史を学べば、未来もある程度は見えてきます。まさに彰往察来といえるでしょう。
・過去について深く学ぶことは大切です。彰往察来といいますが、将来を予測することもできます。

 

まとめ

「温故知新」とは、昔のことを学ぶことで新しい知見を得ることを指す言葉です。孔子が語った言葉とされ、元々は教師になるための心構えを指していました。「温故知新」の本当の意味を知ると、なぜこの言葉が会社や学校のモットーに使われることが多いのかがわかります。また、短く覚えやすい言葉なので、日常会話にも使ってみましょう。

会議中の手元

写真・イラスト/(C) Shutterstock.com

▼あわせて読みたい

Domaniオンラインサロンへのご入会はこちら


Read Moreおすすめの関連記事







スマートフォンプレビュー

【登録無料】
Domaniメルマガ会員募集中

管理職世代の通勤コーデ、明日は何を着る?子供の受験や習い事、
どうする?人気モデル、ハイセンスなDomani読者モデル、教育のプロたちから
発信されるタイムリーなテーマをピックアップしてお届けします。
プレゼント企画やイベント参加のスペシャルなお知らせも!