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「理路整然」とは話の筋道が通っていること
【理路整然:りろせいぜん】
物事が道理にきちんとあてはまっているさま。話などの筋道が整っているさま。「―たる弁明」
「理路整然」は「りろせいぜん」と読み、物事の道理や考えの筋道が通っていることのたとえとして使われます。「理路」は物事の筋道、「整然」とは正しく整っている状況という意味であり、二つの言葉が組み合わさることで「理路整然」という四字熟語が成り立っています。
ビジネスシーンでは、相手にわかりやすく話をすることが求められます。「理路整然」の意味を正しく知ると、仕事にも大いに役立つはずです。
「理路整然とした◯◯」「理路整然たる◯◯」
「理路整然」は主に「理路整然とした◯◯」「理路整然たる◯◯」という使い方をします。「理路整然とした説明」「理路整然たる文章」といったように、思考や文章、発言に対して、褒め言葉として使うことが多いです。
字のもつイメージから「理論整然」と間違えるケースが見られますが、正しくは「理路」です。誤用しないように注意しましょう。
「理路整然」を使った例文4つ
「理路整然」はビジネスシーンで良く使われる言葉です。以下の例文を参考に、さりげなく使いこなしてみてください。
例文
・彼女の発言はいつも理路整然としていてとてもわかりやすい
・このようなケースでは、理路整然とした説明が求められるだろう
・彼は理路整然とした思考の持ち主だ
・彼女の理路整然たるプレゼンは見事なものだった
類語は「一貫性」「整合性」「論理的」
「理路整然」にはいくつかの類語や対義語があります。
類語としては、「一貫性」が挙げられます。最初から最後まで矛盾せず、同じ方針や考えを貫くという意味です。「その説明は一貫性に欠ける」というような使い方をします。そのほか、「整合性」や「論理的」なども、理路整然と同じような文脈で使用する類語です。
【一貫性:いっかんせい】
始めから終わりまで同じ一つの方針・考えによっていること。「説明に―を欠く」
対義語は「支離滅裂」「滅茶苦茶」「矛盾」
一方、対義語は「支離滅裂」などです。「支離滅裂」とは物事の一貫性に欠け、ばらばらであることのたとえです。「支離滅裂」な話し方では、なかなか相手に自分の意図は伝わりません。そのほかの対義語としてはまったく筋道がたたない「滅茶苦茶」や物事のつじつまが合わない「矛盾」があります。
【支離滅裂:しりめつれつ】
物事に一貫性がなく、ばらばらで、まとまりのないこと。また、そのさま。「―な話」
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女性が「理路整然」と話すメリット
「理路整然」と話す女性は、芯がとおっており、しっかりしていると評価されます。
ビジネスの場においては、信頼できる人物だと思われることは非常に重要です。職場で活躍したいと考えている場合は特に、理路整然とした話し方を心がけましょう。
かつて、女性は感情的になりやすく、理路整然と話すのが苦手とされる傾向がありました。また、「理路整然と話す女性は可愛げがない」といった固定観念にとらわれた考え方に、女性自身が縛られるケースも見られました。しかし、性格や思考は性別ではなく、人それぞれによって異なるもの。現在では、このような考え方は偏見でしかなく、ナンセンスだと捉えられています。
【質問】「理路整然」とした考え方・話し方をできるようになりたいと思う?
働く女性約100人に、「理路整然」とした考え方や話し方をできるようになりたいと思うか、アンケートリサーチしてみました。
・思う…63.6%
・思わない…36.4%
※アンケートは30~49歳の日本全国のワーキングマザーを対象にDomani編集部が質問。調査設問数10問、調査回収人数121名。
「思う」と答えた人は全体の63.6%でした。なぜそう思うのか、みなさんのコメントもご紹介します。
【体験談】そう思う理由は?
・人を納得させたり、安心して任せられる人だと思われたいから(40代・静岡県)
・考えながら話していると、話が飛び飛びになり、よく聞き返されてしまうので(40代・千葉県)
・人に説明するのが苦手で、言葉が出てこなかったりするので(40代・三重県)
・話が終わった後に、伝えたかったことが漏れていることがよくある(30代・宮城県)
・他の人への引き継ぎ事項を伝える時に、余計な言葉を使ってしまい話す内容が長くなってしまう時など(30代・神奈川県)
「理路整然」と話せない理由と解消方法
理路整然と話せない理由はいくつかあります。理路整然と話すのが苦手だと自覚している場合、課題点の洗い出しから始めることをおすすめします。
ここからは、理路整然と話せない理由と解消方法について詳しく解説します。理路整然と話すことができれば、これまでよりも仕事がスムーズにはかどるようになるかもしれません。
「理路整然」と話せないのはなぜか
理路整然と話せない理由として、「自分に自信がなく他人の意見に流されやすい」「頭の中で整理せずに思いつくままに話している」「感情的になりやすい」といった点が考えられます。
理路整然と話すために必要なのは一貫性です。信念をもたず他人の顔色を気にしていると、話している途中で内容がぶれてきます。また、思いつくままに言葉を口にしていると、自分でも話の着地点を見失ってしまいがちです。
さらに、感情的になってしまうと、頭の中で話の内容を確認したり、話がずれた場合の軌道修正が難しくなります。そのため、「理路整然」とした話し方からは遠ざかってしまうのです。
一貫性を意識すれば「理路整然」と話せる
前述したとおり、理路整然と話すためには一貫性が不可欠です。話を始める前に、頭の中で話の筋がとおるように内容を整理しましょう。思いつくままに話してしまわないよう、文章を書くときのように起承転結を組み立てます。
話を始めてからは、自分の考えに自信をもち、他人の反応に敏感になりすぎないようにしましょう。感情的になるのもご法度です。いずれも、話の一貫性を損なう原因になります。
「理路整然」とした話し方が鼻につくこともある
ここまで、「理路整然」と話すメリットや話し方についてお伝えしてきましたが、「理路整然」と話せれば何でも解決するというわけではありません。
特に、交渉の場においては注意すべきです。理路整然と話すことにばかり気をとられ、自分の主張を一方的に押し付け、相手が考えたり交渉したりする余地を一切奪ってしまうと、反発を買うことになるでしょう。
理路整然とした話し方が鼻につき、逆効果になってしまわないように、必ず相手の意向も尊重するようにしましょう。
「理路整然」とした思考を身につけるのに役立つ本3選
「理路整然とした話し方」をするためには、「理路整然とした思考法」を身につけることが重要です。ここでは、そのような思考を身につけるのに役立つ本をご紹介します。
いずれも、理路整然とした思考法や話し方を体系的に学ぶのに最適です。気になる本があったら、ぜひ読んでみてください。