「傲岸不遜」は、「いばりかえって人を見下し、へりくだる気持ちがないこと」という意味で使われる言葉です。
Summary
- 「傲岸不遜」(ごうがんふそん)とは、いばりかえって人を見下し、へりくだる気持ちがないこと
- 「傲岸不遜」と「傲慢不遜」に大きな違いはなく、「慇懃無礼」は表面上の丁寧さという点が違う
- 類語には「唯我独尊」や「傍若無人」、対義語には「遠慮会釈」「温厚篤実」などがある
Contents
「傲岸不遜」の意味や読み⽅とは?
日常生活で、「傲岸不遜」という言葉を使うことはあまりないように思われます。まずは、「傲岸不遜」の意味や読み方など、基本的なことから確認していきましょう。
読み⽅
「傲岸不遜」は「ごうがんふそん」と読みます。
意味
ごうがん‐ふそん〔ガウガン‐〕【×傲岸不遜】
[名・形動]いばり返って、人を見下し、へりくだる気持ちがないこと。また、そのさま。傲岸無礼。傲慢無礼。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

由来
「傲岸不遜」には、特に故事などの由来はありません。「傲岸」と「不遜」という2つの言葉からなる四字熟語で、同じような意味を持つ言葉を重ねることで、意味合いを強調しています。
細かく見ていくと、「傲岸」の「傲」の字には、「おごり高ぶること」、「人をあなどること」という意味があります。また、「不遜」の「遜」の字には、「へりくだる」という意味があり、この「遜」に否定の意味を持つ「不」が加わることによって、「へりくだる気持ちがない」様子を表しています。

「傲岸」は「おごり高ぶっていること」、「不遜」は「へりくだる気持ちがないこと」「思いあがっていること」を表す言葉です。
「傲慢不遜」や「慇懃無礼」とはどう違う?
「傲岸不遜」と同じようなシーンで使われる言葉に「傲慢不遜」や「慇懃無礼」があります。それぞれ詳しく解説しまうので、「傲岸不遜」との違いを確認しましょう。
「傲慢不遜」とは
よく似た言葉である「傲慢不遜」についても解説しておきましょう。「傲岸」よりも「傲慢」という言葉のほうが、馴染みがある人が多いのではないでしょうか。「傲慢」は「ごうまん」と読み、「おごり高ぶって人を見下すこと」を表し、「傲岸」とほぼ同じ意味になります。つまり『傲岸不遜』と『傲慢不遜』もほぼ同じ意味ですが、「傲岸不遜」の方がやや硬い表現です。

つまり、「傲岸不遜」と「傲慢不遜」には大きな違いはなく、同じ意味を持つ四字熟語と言えます。
「慇懃無礼」とは
「慇懃」は非常に丁寧で礼儀正しいという意味があります。「慇懃無礼」は言葉や態度などが丁寧すぎて、かえって無礼である様子を表しています。あまりに丁寧すぎると、かえって嫌味で誠意が感じられなくなることもありますよね。また、表面の態度はきわめて礼儀正しく丁寧だが、実は尊大で相手を見下げている場合にも使える言葉です。一見丁寧に見えるものの、心の中で相手を見下す点では傲岸不遜と重なる部分もあります。
いんぎん‐ぶれい【×慇×懃無礼】
[名・形動]表面は丁寧で礼儀正しいように見えるが、実は尊大で無礼なこと。また、そのさま。慇懃尾籠いんぎんびろう。「慇懃無礼な態度」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「傲岸不遜」と「慇懃無礼」との違いは、表面上は丁寧さがあるかどうかという点です。
【実際のエピソード】「傲岸不遜」に関する成功談・失敗談
「傲岸不遜」という四字熟語に関する体験談には、どのようなものがあるのでしょうか? ビジネスシーンにおいて、何かしらの気づきや学びを得た実際のエピソードを紹介していきます。
【episode1】部下に教えた、謙虚さの重要性
Hさん(管理職、40)
優秀で成果も出す20代の部下がいます。ただ、他の部署からの協力依頼やフィードバックに対して「それくらい自分でやれ」「我々のやり方が一番早い」といった発言をすることがあり、部署間の関係が悪化しつつありました。私は彼を呼び出し、「成果を出すのは素晴らしい。でも、あなたのその傲岸不遜な態度は、チームの信頼という最大の資産を食いつぶしている」と指摘しました。そして、「『謙虚さこそ、真の自信の表れだ』と認識を変えなければ、いつか誰もあなたを助けてくれなくなるよ」と伝えました。この言葉で、彼はようやく周囲への配慮の重要性を理解し、態度を改める努力を始めたようです。
【episode2】相手に直接伝えるのは避けたい言葉
Sさん(管理職、45)
以前の上司が、交渉中に意見が対立したクライアントに対して、「あなたの態度は傲岸不遜としか言えない」と強い言葉を投げつけてしまいました。上司はクライアントの態度が横柄だと感じたようですが、この言葉の響きがあまりにも強烈で…クライアントは激怒し、交渉は一時中断。結局、別の上司が謝罪し、事態を収拾する羽目になりました。『傲岸不遜』は、相手を深く傷つける言葉です。特に利害関係にあるクライアントに対して使うのは、交渉を断絶させる最悪の選択だと痛感。個人的にも、口には絶対出さないよう気をつけようと誓った出来事です。


