Summary
- 「いたたまれない」は、その場に居続けられない状態を表します。
- 恥ずかしさや不快感などの強い感情が背景にあります。
- 類語には、「忍びない」「たまらない」「やりきれない」があります。
「いたたまれずに、その場を立ち去った」というフレーズを耳にすることがありますが、「いたたまれない」ってどういうことなのでしょう? 言葉を聞いたことがあっても、正確な意味や使い方となると曖昧なままの人も多いかもしれません。
この記事では、「いたたまれない」の意味と使い方、類語を取り上げ紹介します。
「いたたまれない」とはどういう意味?
まずは、「いたたまれない」の意味を確認していきましょう。
意味
「いたたまれない」とは、「それ以上がまんできない」という状態を表す言葉です。辞書では次のように説明されています。
いたたまれ◦ない〔ゐたたまれない〕【居た▽堪れない】
[連語]それ以上その場所にとどまっていられない。また、それ以上がまんできない。いたたまらない。「騒がしくて―◦ない」「恥ずかしくて―◦ない」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「いたたまれない」気持ちの背景には、恥ずかしさや気まずさ、不快感などが強まり、どうしてもそこから離れたくなるような心の動きがあります。
漢字で表記する場合には、「居た堪れない」となりますよ。

「いたたまれない」とは、「それ以上がまんできない」という状態を表す言葉。
どう使う?「いたたまれない」の例文と解説
意味を理解するだけでは、自分の言葉としてはまだ遠いままです。ここでは「いたたまれない」がどのような感情や場面で使われるのかを整理しながら、日常でも仕事でも使いやすい具体的な表現を紹介します。
「彼の失敗をみんなの前で笑いものにする空気が、見ていていたたまれなかった」
他人が傷つけられている状況がつらく、同じ場に居続けるのが耐えがたい気持ちを表しています。「かわいそうで見ていられない」に近いニュアンスです。
「静まり返った会議室で自分だけが的外れな発言をしてしまい、いたたまれなくなって席を外した」
強い恥ずかしさや気まずさで、その場にとどまれない状態を表しています。辞書に記載のあった「それ以上その場所にとどまっていられない」に直結する使い方です。
「泣きながら謝る子どもを前に、親としていたたまれない思いになった」
自分の責任や無力感が胸に刺さり、「これ以上がまんできない」感情の限界を示しています。物理的に場所を離れるというより、心理的な耐えがたさがあるといえるでしょう。
「罵詈雑言が並ぶコメント欄を見て、いたたまれない気持ちになり画面を閉じた」
不快感・悲しさ・やるせなさが積み重なり、見続けたり関わり続けたりできない状態を表しています。
「久しぶりに会った友人がやせ細っていて、声をかけるのもいたたまれなかった」
相手の変化を目の当たりにして胸が痛み、気持ちの整理がつかず、直視できない感じを表します。
類語や言い換え表現は?
ここでは「いたたまれない」に似た意味を持つ言葉を紹介します。
「忍びない」
相手を気の毒に思い、見過ごしたり受け止めたりするのがつらいさま。「かわいそうで見ていられない」「胸が痛む」といった、同情や哀れみに重心がある表現だといえます。

「たまらない」
精神的・肉体的な苦痛や感情が限界に達し、我慢できないさま。「暑くてたまらない」のように幅広く使え、強い耐えがたさを感覚的に表します。さらに強調したい場合は、「たまったものではない」といいますよ。
「やりきれない」
気持ちが収まらず、どうにも耐えられないさま。悔しさややるせなさ、怒りなどが混じることも多く、相手の態度や状況への批判や憤りがにじむ場合もあります。
参考:『使い方の分かる 類語例解辞典』(小学館)
最後に
POINT
- 「いたたまれない」は恥ずかしさや不快感などから、その場を離れたくなる状態を示します。
- 漢字表記は、「居た堪れない」です。
- 類語や言い換え表現には、「忍びない」「たまらない」「やりきれない」があります。
「いたたまれない」という言葉には、単なる恥ずかしさや不快感を超えた、繊細な心の動きが込められています。意味を正しく理解すれば、自分の感情を落ち着いて伝える言葉として役立つはずですよ。
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Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けたファッション&ビューティをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれや美容を楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッション感度の高いエディターを通して発信中。
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