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LIFESTYLE 子育ての悩み

2019.04.24

「教えて!LGBTや人種など多様性を子どもにどう伝える?」【Dr.アグネス・チャンの教育お悩み相談室】

自分にも社会にも、無意識のうちにすり込まれているネガティブな価値観を、子どもには引き継いでほしくない! そんなとき、親にできることとは? アメリカのスタンフォード大学で教育学博士号を取得し、3人の息子もスタンフォード大学に送り出したアグネス・チャンさんが、真摯に答えてくれました。

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【お悩み】性別、人種、年齢etc.多様性を受け入れられる子に育ってほしいんです!けど、どうしたらいい?

日本で働く外国人が増えたり、LGBTQ+などセクシュアリティの多様性について議論されることが増えたりしている一方、どこかの国では差別的な政策を掲げる大統領の発言がスキャンダラスに報じられていて。家庭内でも、仕事と育児・家事の両立の両立に四苦八苦している私と、罪悪感もなく酔っぱらって帰ってくる夫は、対等だとはいえない…。息子には、男性にも女性にもフラットな関係を築いてほしいのはもちろん、さまざまな多様性を受け入れ、決して差別をしない大人になってほしいと切に願っています。(45歳・子ども8歳/男)

【Dr.アグネス・チャンの答え】AIも差別をする時代、「違うことは面白い」と伝え続けることに意味があります

アメリカのスタンフォード大学でAIと言語学の研究をしている三男から、AIによる“差別”が問題になっていると聞いて驚きました。AIはビッグデータから学習するので、たとえば現実社会で医師の大多数が男性だと、AIに「お医者さんの写真を見せてください」と指示したときに出てくる画像は、ほとんどが男性になってしまうと。人間の固定観念や差別など、悪いところもAIは覚えてしまうそうです。

そんな時代だからこそ、子どもたちにはずーっと、「違いは楽しいことだ」と教え続けることが必要です。「あなたのママも隣のママ、同じ顔をしていたらイヤでしょう?」「友達がみんな同じ服を着ていて、同じ答えを言ったらどう思う?違うから楽しいんだよね」「すべての花が、同じ色、同じ形、同じ咲き方だったらつまらないでしょう?どんな違いがあるのか楽しもうね」etc.とにかく、違いは恐れることじゃない、感謝するものなんだと伝え続けることです。

人のことを羨ましがったり、妬んだりする気持ちは、だれしもあります。でも同時に「私は価値がある人間だ」と思えれば、不用意に劣等感を抱いたり、その裏返しで優越感を抱くためにだれかを差別したりすることはなくなります。

そのために親ができることは、子どもをだれかと比べることなく「あなたはあなたでいい。あなたもみんなも、生まれながらにパーフェクトな存在だ」と伝えること。さらに幸せになるために、世の中をよくするためには、新たに学んだり自分を変えていくこともあるかもしれない。でも、勉強が苦手でも、かけっこが遅くても、目が見えなくても、そこにいるだけでパーフェクトなのだと表現して、自己肯定力の強い子どもを育ててください。

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撮影/田中麻以 構成/酒井亜希子(スタッフ・オン)

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『未知に勝つ子育て:AI時代への準備』

アグネス・チャン著
定価:1,400円(税抜) 
発売元:小学館

教えてくれたのは…

アグネス・チャン

歌手・エッセイスト・教育学博士/ 1955年、香港生まれ。1970年代より日本で歌手として活躍し、上智大学国際学部を経て、カナダのトロント大学(社会児童心理学)を卒業。1989年、アメリカのスタンフォード大学教育学部博士課程に留学し、1994年に教育学博士号を取得。長男、次男、三男も母校スタンフォード大学に合格して話題となる。現在、ユニセフ・アジア親善大使、日本対がん協会ほほえみ大使など芸能活動のみならず幅広く活躍。2018年春の叙勲で旭日小授章を受章。2019年4月出版の著書『未知に勝つ子育て:AI時代への準備』(小学館)には、AI時代の家庭教育のヒントが満載!

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