【目次】
忙しい梶さんに質問! もし明日から3日間休みをもらえたら…何をする?
現在絶賛放映中のアニメ『MIX』で〝立花投馬〟を演じる声優・梶 裕貴さんのスペシャルインタビュー。作品やキャラクターへの想い(Vol.1)、現場のムードや相棒〝走一郎〟について(Vol.2)、そして声優としての仕事論(Vol.3)…と、さまざまな角度から梶さんの気持ちについてお伺いしてきました。ラストとなる第4回目は、梶さんのプライベートについて、そして働くワーママに向けた応援メッセージをお届けします。
この〝耳恋〟連載は、働く女性への癒しを目的にスタートした企画。梶さん自身も非常に忙しく働いていらっしゃいますが…癒されたいと思った時にすることなどありますか?
「旅行…でしょうか。行き先は国内外問わず。まあ、旅行をすることで、結果的に疲れちゃったりもするんですけどね(笑)。それでも、やっぱり活力をもらえますし、リフレッシュできるんです。ただ、まとまった時間がないと泊まりで出かけるのは難しいですし、2泊以上しようと思うとかなりタイミングが限られてしまうのが辛いところですね」
▲今回の撮り下ろしポートレートは、「仕事終わり、帰宅してくつろぐひととき…」をイメージして撮影。
そう、とにかく忙しい梶さん。旅行をしようと思っても、なかなか実現できないというのがホントのところ。それならば妄想で! 例えば「明日から3日間丸々お休みです!」と言われたら…どうしますか?
「3日間かぁ! う〜ん…」と少し考えたあと…
「今はちょっと疲れているので…行くとしても海外は避けて、国内で1泊2日旅行ですかね。声優の仕事って、当日、現場に行く前に準備しなければいけないことがすごく多いんです。だから、3日間の最後の1日はまるっと仕事の準備の時間に…自宅での作業に時間を充てないといけない気がします」
3日間の〝妄想休日〟の内訳は、なんと「1泊2日旅行&1日自宅で仕事」という結果に。3日では足りなかったですね…。
「いえいえ、夢を見られました(笑)。お休みが3日あって、その中で1泊旅行できたらかなり気分転換できる気がします」
春のこの時期、もし1泊旅行するとしたらどこに行きたいですか? と質問すると、
「京都が好きなので、ぜひ春の京都に! まだ少し肌寒かったら箱根で温泉もいいですね。ただ、どこで何をするにせよ、その時間の中でできる限り効率よく、そして精一杯楽しみたい! と思うタイプです」
そんな梶さん、数年前、突然に連休をもらえたことがあったそう(それがわかったのは連休のたった数日前!)。
「そのときは、自分自身でチケットなどを即手配してカンボジアに飛びました。〝時間を無駄にしたくない〟という考えが強いんだと思います。旅行の目的にしても、ただ休もうとか癒されようとするだけでは満足できず、どうしても、それと同時に役者としてステップアップするためのヒントや情報を吸収して帰ってこよう…という意識が強くなってしまうんです(笑)。なので、休日の過ごし方も、結局のところ、ぜんぶ仕事に返ってくる感じですかね」
▲「完全オフで休もう・癒されようとするのは、性格的に難しいのかも」と自己分析。休日も仕事のことを考えることは「自分にとって自然なこと」なのだそう。
旅行も、貴重な〝インプット〟の機会。日々の全てを、仕事に演技に生かそうと常にアンテナを高く張り続けるプロ意識には圧倒されるばかり。そんな梶さんに〝オンとオフの境目〟ってあるのでしょうか?
「ほとんどないですね。でも、それを辛いとか大変だとは感じていません。決して無理してるわけではなく、〝自分がしたくてやっている〟という感覚なんです」
好きだから頑張れる。〝声優〟という仕事に対する愛情を改めて感じた瞬間でした。とはいえ、「知らないところでストレスが溜まっているかもしれませんが(苦笑)」とも。休めるときは、しっかりと休んでくださいね!
疲れた女性をどう癒す? 梶さんの〝驚きの回答〟は、とにかく紳士!
続いては、梶さんが〝疲れた女性にしてあげたいこと〟について聞いてみました。もし、目の前に1日頑張ってクタクタな女性がいるとしたら、どんなことをしてあげますか? と伺ったところ…
「それにはまず、その疲れている女性にインタビューをしないといけないですね…」
と編集部サイドがまったく予想もしていなかった回答が! ですが、この答えには梶さんの誠実さと周りに対する気遣いがあふれていたんです。
「そもそも、その人がどんな〝癒し〟を求めているかがわからないですよね。一人でいたいから誰にも話しかけられたくないのかもしれないし、僕じゃない他の誰かがフォローした方がいいパターンもあるでしょうし」
▲何よりまず相手の気持ちを考えたい、大事にしたい。「その〝疲れている女性〟の情報をもっと知りたい」という梶さん、紳士です…!
「僕が行動を起こすことが、その人にとって必ずプラスに働くとは限らないと思うんです。僕が何をしてあげたいか、ではなくて、その人が何をされたいか、何をしてもらいたいかを汲み取ることがいちばん大切なのではないでしょうか」
そして、この考えは梶さんの仕事論・現場論にもつながっているよう。
「これって、現場での振る舞いにも言えることだと思うんです。その場にいる人たちが僕に何を求めているか、自分がどう行動することがその場のベストにつながるのか…表情や場の空気といったものを、見て感じて考えて、察することが大事。まあ、こうして言葉にせずとも、無意識のうちに皆さんされていることだとも思いますけどね」
向き合う相手の心情を掘り下げて考える…その行動が梶さんご自身に深く染み付いているように感じられました。それは梶さんの人柄そのものであり、同時に〝役に深く向き合う〟声優としての〝職業病〟のようなものなのかもしれません。
その愛情がもっと大きくなって返ってくる。今しかできない〝お母さん〟という役割を楽しんで
では最後に、忙しく日々を頑張っているワーキングマザーに向けて応援メッセージをお願いします!
「毎日お疲れさまです…! 僕はお父さんになったことも、もちろんお母さんになったこともないわけですが(笑)、自分の周囲で〝母〟になる人も増えていたり、日常生活の中で〝お母さん〟を目にする機会も多々あるのですが…そのとき感じるのは『お母さんってすごく輝いてる! でも、同時にすごく大変そうだな』ということ。仕事、家事、育児…多忙な毎日の中には、楽しくて幸せな瞬間がたくさんありながら、そうではない瞬間も当然たくさんあると思うんです。お母さんだってひとりの人間ですから。ワガママを言いたくなったり、愚痴とか弱音を吐きたくなるときもありますよね」
「僕なんかが応援メッセージなんておこがましいなと思っちゃうんですけど…」と前置きしながら、梶さんは続けます。
「僕も、十数年前までは子供だったわけで…いや、母にとっては今も子供ですね(笑)。少なからず喧嘩もしましたけど、それでも母のことは大好きですし、やはりかけがえのない存在。それって、いろいろなことを我慢しながらも、愛情を持って、一生懸命〝お母さん〟しながら、僕を育ててくれたからだと思うんです。だから、今頑張って子育てをされているお母さんたちが注いでいる愛情は、いつかきっと、お子さんが大きくなったとき、さらに大きな愛情になって返ってくるものなんじゃないでしょうか」
▲〝息子目線〟で、応援メッセージを話してくださった梶さん。柔らかな笑顔もあいまって、なんとも癒される内容でした!
「日々の疲労やストレスなど…きっと大変なことはたくさんあると思いますけど、今しかできない〝お母さん〟と言う役割をご自身も楽しみながら頑張っていただけると、我々息子からしてもとても嬉しいな、ありがたいなって感じます。お母さん、これからも宜しくお願いします!」
気づけば、最後は愛情のこもったお母さんへのメッセージに。言い終わった後、少し照れている梶さんの姿に〝本音〟が現れているようで、取材現場もとても温かな雰囲気に。日本全国の頑張るお母さんたち(もちろん梶さんのお母さまも含めて!)、元気をもらえるメッセージでした。
4回にわたってお届けした、梶さんへのスペシャルインタビューは今回がラスト。ですが、まだ皆さんにお見せしたい素敵な写真が残っている…! ということで、来週は4回のインタビューまとめ&未公開カットをお届けします。引き続き、WEB Domaniをチェックしてくださいね!
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◼アニメ『MIX』4月6日放映スタート!
2019年4月6日(土)より、読売テレビ・日本テレビ系にて毎週土曜17:30~オンエア(※一部地域を除く)。原作:あだち充「MIX」(小学館「ゲッサン」連載中) 監督:渡部穏寛 シリーズ構成:冨岡淳広 脚本:樋口達人、山田健一、福嶋幸典、北条千夏 キャラクターデザイン:牧孝雄 音響監督:亀山俊樹 音楽:住友紀人 アニメーション制作:オー・エル・エム 制作・著作:読売テレビ・小学館集英社プロダクション 公式サイト/公式Twitter
©あだち充・小学館/読売テレビ・ShoPro
『みゆき』『タッチ』『H2』をはじめ、世代を超えた不朽の名作を描き続ける漫画家・あだち充の最新作。舞台は、国民的野球漫画『タッチ』の主人公・上杉達也が在籍していた明青学園の30年後。親の再婚により血のつながらない兄弟となった立花投馬と立花走一郎が、明青学園で甲子園を目指すが…。現在も月刊誌『ゲッサン』で連載中。累計発行部数800万部突破の大人気コミックス。コミックス1~14巻が好評発売中!!
声優
梶 裕貴
かじ・ゆうき/1985年生まれ。2004年、声優デビュー。TVアニメ『Over Drive』の篠崎ミコト役で初主演を果たし、その後、『進撃の巨人』エレン・イェーガー役、『僕のヒーローアカデミア』轟焦凍役など多くの作品で主演をつとめる。2012年度・2013年度と2年連続で声優アワード主演男優賞を受賞。2018年には、初の著書「いつかすべてが君の力になる」(河出書房新社)を出版。
撮影/中田陽子(MAETTICO) ヘア&メーク/中山芽美(e-mu) 取材/旧井菜月・福本絵里香(本誌)