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耳恋連載、第4回目のゲストは…アニメ『7SEEDS』青田 嵐役の声優・福山 潤さん!
仕事に家事に育児に…毎日頑張るワーママたちを素敵なボイスで癒すことができたなら!そんな想いからスタートした、大人の女性のための声優連載企画〝耳恋〟。第1回櫻井孝宏さん、第2回梶 裕貴さん、第3回下野 紘さん…と非常に豪華なゲストが続くなか、第4回目もとびきりの男性声優さんにお話を伺うことができました!
爽やかな声で青年役を好演したかと思えば、穏やかなのに〝裏〟を感じさせる魅惑的な声に。さらには正体不明な超生物役や愛らしい動物役…! と生物の壁すらも、その声で飛び越えてしまう。どこまでも広がる声の振り幅で私たちを惹きつけてやまない、人気声優・福山 潤さんの登場です。
▲今回も素敵なポートレートとともにインタビューをお届けします。旬のスポーティファッションを颯爽と着こなす福山さんの姿にもご注目を!
独特の感性と、話し始めたらとまらない〝語り上手〟な口から飛び出す、気になる発言の数々! 福山さんの魅力をあますことなくお伝えすべく、本記事はいつもより文字数多めにお届けします(この導入からしてすでに長い!笑)。最後までぜひ楽しんでくださいね。
「嵐は人としての振る舞いが〝正しい人〟」——福山さんが考える「青田 嵐」というキャラクター
6月28日よりNetflixで全世界独占配信がスタートした、アニメ『7SEEDS』。
小学館『別冊少女コミック』・『月刊flowers』で2001年から2017年までの長きに渡り、壮大な世界観の中で人間の成長や死生観を描き切った〝SFサバイバル漫画の金字塔〟『7SEEDS』の待ちに待ったアニメ化です!
巨大隕石の衝突によって、人類と文明が滅亡してしまった未来の地球。〝7SEEDS計画〟によってその世界に放り出された若者たちが、必死にサバイバルを繰り広げ、生きようともがいていく…。そんな同作品の中で、正義感が強く誠実な青年「青田 嵐」を熱演している福山さん。
まずは、アニメ『7SEEDS』の出演が決まったときの率直な感想について教えてください!
「『え、ホント!?』ですね。オーディションを受けての結果だったのですが、正直なところ手応えが何もなかったんです。受かるとはまったく思っていなかったですね。頑張ったけど、これは決まらないかなぁと。だから『7SEEDSの嵐役、決まりましたよ!』と連絡を受けたときは〝意外〟という気持ちがいちばんでした」
と、まさかの展開だったそう。ですが、福山さんが持つ好青年然とした声質と、優しく誠実な性格の「青田 嵐」は、非常に親和性が高く感じられるもの。ご自身が考える「嵐」というキャラクターの魅力とは?
▲撮影中も、動きや表情が止まることなく自然な躍動感にあふれていた福山さん。いつもの〝流れるような話しぶり〟とその姿がリンクして見えました。
「嵐は〝正しい人〟かな、と。和を大切にしたり、人を大切にしたり、人と正面からぶつかったり、『助けなきゃいけない』と思ったら自らの身を投げ出してでも人を救ったり…優等生というほどではないですが、人としての振る舞いが〝正しい人〟だと思います」
「気骨な部分が強いキャラクターですね」と付け加えながら話し続ける福山さん。
「でも、彼が『夏のBチーム』に選ばれたという背景から考えると、必ずしも〝正しい〟だけではなくて…同時に危ない部分もどこかに抱えている。といっても、嵐はまだ高校生。多感な時期に〝自分の命と等しいほどに大切な人の存在〟を抱えている青年が持つものとしては、さほど不思議な内容ではないんですが…」
物語の鍵を握るポイントのひとつでもある嵐の本質を、的確な言葉で迷うことなくどんどん表現していきます。
▲鋭い視点で作品の世界観やキャラクターの本質を掘り下げていく福山さん。「目線ください!」とお願いすると、ぐっと強い視線をカメラに向けてくださいました。
そんな嵐とご自身は、似ていますか? 似ていませんか? と聞いてみると……途端に「いやぁ〜」と苦笑い。
「物語のようなサバイバル生活を送ることになったときに、『自分のワガママを主張し続けることにメリットがあるのか?』『内輪揉めせずにみんなで前に進んだほうが強いでしょ?』と考える彼のメンタリティは、もちろんわかるんですけど…」
と前置きした上で一言。
「僕は彼ほどまっすぐに生きてない! ですね(笑)」
自分自身と嵐が〝重ならない部分〟について、なんともストレートに表現してくださいました。
もしも『7SEEDS』の世界に放り込まれてしまったら? サバイバルに持っていきたいものは何?
「嵐の気持ちもわからなくはない」という福山さん。では、もしも物語の世界に放り込まれてしまうとしたら、リュックの中に入れて持っていきたいものはありますか? と〝妄想質問〟をしてみたところ…。
「チャカです」
え? チャカ??(取材スタッフ全員、一瞬目を丸くする)
「ええ。ナイフじゃなくてチャカ。銃です」
福山さん、それは答えとしてお話しいただいて大丈夫な内容ですか?なんて確認を一応しながら(笑)、〝銃〟をセレクトした理由について教えてもらいました。
「僕、あの世界に放り込まれて『7SEEDS』という設定を知ったら、きっと十六夜さんとかと同じメンタルになると思うんです。う〜ん、強く生きていける自信はないですねぇ…」
※十六夜さん…「十六夜良夜」。福山さん演じる「青田 嵐」とは異なる〝秋のチーム〟に所属するキャラクター。どんな人なのかは…アニメをチェック!
▲ロケは夕暮れどきの原宿で。沈んでいく夕日に、イエローのパーカが美しく映えていました。難しそうな洋服だってサラリと着こなしてしまうセンスの良さも、福山さんの魅力!
「生きる活力っていうのが、あんまり湧いてこないんじゃないかなぁ。社会があって、その中でどう生きていこうかと考えながら生活してきた人間が、自分のコミュニティがなくなって、ああいう世界になって…。それでも生物として〝生きよう〟と感じられるかどうかですよね。例えば作品どおりの『秋のチーム』に入ってしまったら、僕は絶対逃げ出そうとするでしょうし。いや、逃げ出したところで…たぶん、ねぇ? 絡め取られて死んでしまうでしょうから…(苦笑)」
なるほど、〝そのとき用〟のチャカなわけですね。
「そうです!非常に不穏当な話かもしれないですけど、あの世界に放り込まれるなら自決のための何かがほしいなって思いますね。強く生きる…という選択肢はないかな。もしくは、『秋のチーム』ならクーデターを起こして吊し上げられるか、そのどちらかですね(笑)。結局、僕には知識がないんですよ。『7SEEDS』の世界は〝生きるための知識〟がないとやっていけないですよね」
と〝リタイア〟の方向性を語ってくれた福山さん。実は、取材スタッフがこの次に質問しようと思っていた内容は『ご自身はサバイバルに向いていると思いますか?』。もはや、聞くまでもなし!という質問ですが…、一応教えていただけますか?
「僕はサバイバルには向いていないですね、まっっっったく向かないです、いや本当に向かないです」
と、自分とサバイバルの相性の悪さを、3段階で力強く伝えてくださいました(笑)。
「虫とかも嫌いですけど、それは『こういう世界には存在するものだから仕方ない』として受け入れられます。だけどそれ以前に、そもそも体がついていかないだろうな〜と思いますね。病気になる、破傷風になる…あの世界では小さな怪我も命取りになるわけじゃないですか。僕、絶対にすぐ怪我しちゃうので(笑)。だからダメですね。『これをやったら危ない』と考える基準のタガが外れてるんですよ。『2メートルくらいの幅の谷をどうにかして渡らないといけない』というシーンに遭遇したら、何も考えずにそのまま飛んじゃうんです。それで足を踏み外して、怪我をして…ということが往々にしてあると思うんですよね(笑)」
骨折しやすいことでもおなじみ(!?)な福山さんらしい回答。怪我への恐怖なく体が勝手に動いてしまうという点は、ある意味サバイバルに向いているのでは…?
「でも、怪我したらその段階で終わりですよ!〝慎重ではない〟という性格の段階で、僕はあの世界に向いていないんでしょうね(笑)」
と、冷静に〝サバイバルに不向き〟な自分の性格を語ってくれた福山さんなのでした。
▲そんなお話を聞いた後にこの写真をみると…なんだかちょっとハラハラ(笑)。(撮影は何事もなく無事に終了しました!ご安心を!)
予想もつかない、非現実的な〝未来の地球〟で起こるサバイバル。その中であぶりだされる人間の本質を描いた名作『7SEEDS』。「僕は強く生きていけない」と福山さんは話しますが、もし自分がその環境に置かれたらならば…?自身に問いかけながら、生き方を考えながら、じっくりと観たいアニメです。現在、Netflixにて好評配信中!ぜひご覧ください。
そして7月6日更新予定のスペシャルインタビューvol.2では、ともに作品をつくるキャストのみなさんについて、またアフレコ現場の雰囲気について教えてもらいました! お楽しみに♡
■NETFLIXオリジナルアニメシリーズ『7SEEDS』
2019年6月28日よりNetflixにて全世界独占配信
公式サイトhttp://7seeds.jp/
公式Twitter @7SEEDS_anime
声優
福山 潤
ふくやま・じゅん/11月26日生まれ。1997年『月刊Asuka』のラジオCMナレーションにてデビュー。2000年『無敵王トライゼノン』神威章役にてアニメ初主演。その後は、『コードギアス 反逆のルルーシュ』ルルーシュ役、『暗殺教室』殺せんせー役、『おそ松さん』松野一松役など数多くの話題作に出演。2018年に立花慎之介氏とともにBLACK SHIP株式会社を立ち上げ、同社所属。CEOとしての一面も持つほか、近年は音楽活動も本格的に展開。2019年4月24日に発売した最新シングル『dis-communicate』は初のアニメタイアップシングルに。
■衣装協力
・White Mountaineering
・オプティカルテーラー クレイドル 青山店
その他/スタイリスト私物
撮影/須藤敬一 スタイリスト/浅井直樹(Vigroo) ヘア&メーク/福田まい(addmix B.G) 取材/旧井菜月・福本絵理香(本誌)