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LIFESTYLE メンタルヘルス

2020.05.29

「涙もろい自分をなんとかしたい…」原因・対処方法・セルフチェックも

PMSが関係する人も

女性の場合、月経前になると涙もろくなることがあります。これは、「PMS(月経前症候群)」が関係している可能性があります。

PMSとは、月経開始3~10日前から始まる、心と体の両方に表れる症状のことです。日本でも最近注目されるようになりましたが、アメリカでは、仕事や家庭生活に大きな影響を与える、無視できない疾患とされています。

PMSの主な症状としては、精神症状として「不安感・情緒不安定・涙もろい」、身体症状として「おなかが張る、頭痛、手足のむくみ」などが挙げられます。

セルフチェック「涙もろくなる」シーンや原因

涙もろい

自分では意識していなくても、日常のふとした瞬間に涙は出てしまうもの。どんなときに起こりやすいか、思いあたるシーンをあげてみましょう。

涙もろい人はどんな人?

どんな人が涙もろい人に当てはまるのでしょうか。いくつかの例を見てみましょう。

・悲しいときやつらいときだけでなく、うれしいときでも涙を流す
・映画やドラマを見たり小説を読んだりして感情移入してしまい、涙を流すことがある
・自分の感情をコントロールすることが苦手で、すぐに感情が高ぶってしまう
・感受性が豊かだと周囲によく言われる
・幼少期に泣き虫と言われていた期間が長い

こうしたわかりやすい例のほかに、精神科医の浦島佳代子先生は以下のような例もあげてくださいました。

「涙もろい人の特徴はほかにもいろいろありますが、単に涙もろいだけでなくて、憂うつな気分ややる気が出ないなどの状態が続くようであれば、うつ状態であることも考えられます」

生まれつき過敏な人もいる

涙もろい人の中には、生まれ持った気質が影響を与えているケースもあります。可能性のひとつとして挙げられるのが、敏感過ぎて傷つきやすい人の気質を表す「HSP」と呼ばれるものです。

HSPは「Highly Sensitive Person(人一倍繊細な人)」の略で、繊細な人についての研究から生まれた、人の気質を表す名称です。アメリカの心理学者エレイン・N・アーロン博士が提唱しました。

博士の研究によると、HSP気質の人は生活の中で気疲れしやすく、生きづらいと感じている人が多いとされています。

HSPには、「深く考えてから行動する」「刺激に敏感で疲れやすい」「人の気持ちに共感しやすい」「あらゆる感覚が鋭い」という4つの特性があるといわれています。

涙が出そうなときの対処や改善法

涙もろい

自分が涙もろいことを好まない人も多いです。涙もろい性格を克服する方法を紹介します。

別のことを考える

涙が出そうになったときは、止めたいと思っても、脳が勝手に涙を出そうとします。そもそも涙が出そうになったときに、その原因になることを考えていたはずなので、そこに着目すると、このような場面では全く違うことを考えるようにするのがおすすめです。頭の中だけでイメージすることが難しければ、あたりを見回したりスマホを見たりして、脳の意識を違う方向へ向けさせようとするのもひとつの方法です。

涙が流れそうになった原因とは全く関係のないことを考えれば、自分の意識を「泣く」ことから切り離せます。

深呼吸でコントロール

感情が高ぶって涙が出そうになった場合は、深呼吸してみるのも選択肢です。深呼吸を何度か繰り返すことで、緊張状態がほぐれていき、心が安定するでしょう。

鼻から息を大きく吸い込み、口からゆっくりと吐き出す動作が、正しい深呼吸の方法です。感極まった感情をコントロールし、涙が出そうになるのを止められる効果が期待できます。

前に述べた「別のことを考える」と併せて行えば、さらに効果は高まります。頭の中で違うことを考えながら、深呼吸で気持ちを落ち着かせてみましょう。

成功体験を重ねる

自分に自信を持てないことが原因で涙もろくなっている場合は、成功体験を積み重ねて自分に自信を持てるようになることが、克服への近道です。

いきなり大きなことを成し遂げようとせず、小さな成功体験を重ねていくことがポイントです。1度でも達成感を味わえれば自信が生まれ、次の成功へ向けて努力できます。

物事をポジティブに捉えることも、併せて意識するよう心がけましょう。前向きさが努力を後押しし、成功体験の積み重ねへとつながります。

精神科医の浦島佳代子先生は、泣くことの効用をこう話します。

「涙を流すことはよくないと思う人も多いかもしれませんが、医師としては“泣けない”人のほうが心配なこともあります。泣くことは気持ちを整える方法のひとつとして考えてみることも、いいかもしれません」

写真/Shutterstock.com

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精神科医

浦島佳代子(うらしま かよこ)

精神科医、医学博士
1977年京都府生まれ。その後、岐阜県の清流でのびのびと育つ。長崎大学医学部卒業。現在は長崎大学病院精神科に所属。

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