免疫力アップには【気力と血巡り】をアップすべし!
いよいよ花粉症シーズンが到来。今年はそれに加え、新型コロナウイルスの不安も相まって、何かと体調が心配ですよね。花粉やウイルスに負けない体づくりのキーワードとして今、注目されているのが「免疫力」。今回は東洋医学の視点で、免疫力を高める方法についてお話しします。
そもそも、免疫力って何?
読んで字のごとく、「病気(疫)を免れる力」のこと。病原菌などから身体を守り、健康を維持するため本来は誰しもに備わっている防御システムですが、この力が低下することで風邪やウイルスに感染しやすくなったり、アレルギー反応が起こりやすくなってしまいます。
免疫力が低下する原因、心当たりはありませんか?
まず、どんな状態が免疫力を低下させる(=病気にかかりやすくなる)のか見ていきます。
1. ストレスやプレッシャーで「気力」が低下している
東洋医学・漢方では「気」という概念がありますが、これは「気力」「やる気」「元気」「気遣い」「気持ち」「英気」などに表される「気」のことで、人を動かす目には見えないエネルギーのことを指します。人は日々、この「気」を補いながらも消耗して生きています。「なんとなくやる気が出ない」「家事をする気力がない」「不安なことがあって気が上向かない」などの言葉に表されるような気持ちの低下は、体力的な疲労感や、免疫力に大きく関係します。「気」の不足は、気を補填することが足りていない、または過度に消耗しすぎていることで起こります。
2. 「血の巡り」が良くない
東洋医学の「血」は、血液が全身に栄養を運ぶはたらき、ホルモンバランス、体温などの機能を指します。体温が1℃低下すると基礎代謝は12%低下し、免疫力はなんと37%も低下すると言われています。がん細胞は低体温を好むそうです。体温を司るのは血の巡り。血が十分に足りていて、なおかつ動いている(体を巡っている)状態が理想です。体の外側から触ってわかる冷えに加えて、胃腸など内臓の冷えも要注意です。
3. 十分な休養がとれていない
十分な休息がとれていないと「気」を補給できず、気力不足となって免疫力が低下します。休息とは、睡眠時間や休日の有無もそうですが、リラックスする時間や楽しいと思える時間をとれているかどうか。「英気を養う」という言葉に表されているように、気分が上がったり、安らいだり、癒されたりすることが元気でいるために必要なのです。
普段の生活で免疫力を高める方法
では、ここまでに出てきた東洋医学の「気」「血」の観点で、免疫力を高める方法を見ていきましょう!
「気」を補う方法は2つ
免疫力のもととなる「気」を補い、高める方法は? このヒントは「気」のもととなった「氣」という漢字に隠れています。
●食べ物で「気」をチャージする
「氣」という漢字の中にある「米」、つまり食べ物がもつ力を体に取り入れることで気を補ます。お米や穀類にも、気を補ってお腹の機能を高める作用があります。その他「補気」の効能を持つ食材には鶏肉、山芋やじゃがいもなどの芋類、椎茸や舞茸、大豆、うなぎ、鰹やイワシなどが挙げられます。また、食べ物を消化する胃腸は冷えた状態では動きません。つまり胃腸が不調だと「気」もつくられないいのです! 冷たいものばかり口にしていないか、日々の飲食物の温度にも注意しましょう。
●環境で「気」をチャージする
「氣」という漢字の「气」(きがまえ)は、空に雲が流れ、風が吹いているさまを表しています。これは自分の周りの空気、置かれている環境のことを指します。人は食べ物のほか、空気や環境からも「気」を補います。例えば、空気の美味しい高原、素晴らしい芸術作品の並ぶ美術館、趣味に打ち込める時間、好きな人たちとの集い、大好きなペットと過ごす時間など。深い呼吸も大切です。忙しい人も、意識的して自分の好きな時間を持つこと、つまりはオンオフのメリハリが免疫力アップに繋がります。ただし、睡眠時間はしっかり確保することが前提です!
「血」の巡りを良くする方法
女性は「血」の巡りがとても大事! ホルモンや自律神経のバランスを保つためにも、体温を下げないことが重要です。血の滞りは冷えだけでなく、頭痛や生理痛などの痛みや、クマや肌のくすみなどにも影響します。
●温める、動かす
一番手っ取り早い方法はこれ。運動や、お風呂などで体を温めることで血を巡らせます。なるべくシャワーで済まさず湯船で温まりましょう。運動では、特にふくらはぎが下半身の血流を心臓に向かって押し戻すポンプのような役割を果たしています。膝裏のリンパをマッサージしたり、ふくらはぎを動かすストレッチも有効です。
●体を温める食材をとって代謝と体温をアップする
生姜や唐辛子のほか、ネギやニラ、羊肉、胡椒やシナモンなどのスパイスなども体を温めます。また、先述のとおり食べる時の温度も大切。ほてりを感じるなどの熱っぽい症状の無い人は、なるべく温かいものを選びましょう。また、普段から貧血気味・顔色が悪いと言われる・生理の血が少ないまたは期間が短い、という人はそもそも血が足りていない可能性が。血を補う作用のあるレバーや人参・ほうれん草・かぼちゃ・なつめなども取り入れましょう。
●ストレスを緩和する食材をとる
血の巡りは気の巡りとも連動しています。ストレス状態では気の流れが滞って血流も滞りがち。疲れるとのどの奥が詰まるような感覚がある人は、気の巡りが悪くなっている可能性が。柑橘類や玉ねぎ、らっきょう、さやえんどう、蕎麦、ジャスミン茶などは気の巡りを良くしてくれます。イライラ、ストレスを感じた時に取り入れてみて下さい。
免疫力アップと言われてもピンと来なかった方は、ぜひ実践できるものから取り入れてみて下さい! 気を充実&血の巡りを良くして、ウイルスや花粉に負けない身体をつくりましょう。