<お悩み>「おはよう」「ありがとう」「ごめんなさい」を家族に言わない夫。今さら改善できないと思うので、離婚を考えています。
結婚して15年の夫は、感謝や謝罪の言葉が言えない残念な人。しかし、外面ばかりよく、職場の人やご近所など他人からの評価がとてもいいのがムカつきます。家族のためにも離婚をしたほうがいいのか悩んでいます。(40歳・会社員・既婚・10歳男児)
<お答え>そんなつらい状況からは、今すぐ逃げて!
ご近所付き合いや職場ではできるのに、家ではしていないとなると、単に無口な人というわけではないはず。そして、例えば「ありがとう」を言わない人でも、代わりに家事を手伝うとか、プレゼントをくれるとか、気持ちを行動で表現していれば言葉がなくても相手には伝わるもの。しかし今回の場合、そもそもその感謝や謝罪の〝気持ち〟が言葉にも行動にも見えないから、離婚を考えるほどムカついているのではないかと想像します。
このような状態が続くのは苦しすぎますよね…。こちら側がやったことに全く気付かない。相手がもらってばかりで何も返さないのは、嫌な言葉ですが〝搾取〟という行為に近い。ギブ&テイクが成り立っておらず、一方的に恩恵を受けているばかり。それで相手に感謝や謝罪の気持ちを示さないのは、端的に言って存在を無視・軽視しているようなもの。夫婦関係の放棄、コミュニケーション・ネグレクトとも言える状態です。
そんな夫が外面ばかりよく、周囲から「いい旦那さんですね」などと言われた日には堪忍袋の緒が切れまくって当然だと思います。
家族や妻に対してリスペクトの欠片もないことがいちばんのポイントですよね。もしかすると、家族には感謝をする価値も必要も無いくらいに思っている可能性すらあります。現に、よそでは八方美人に振る舞っているわけで、挨拶や感謝が大事ということはわかっているはずなので。
仮に真逆の世界を想像してみたら、どう思うでしょうか? 言葉がちゃんと通じ、一挙手一投足にリアクションしてくれ、リスペクトも存在意義も十分に感じられるような夫と暮らしているとしたら…。そっちのほうが絶対に楽しいし幸せだと思いませんか? 夫さんが現状と変わらず、改善されないようであれば、「離婚」もひとつの方法だと考えます。苦しい日々を毎日続けるくらいなら、今まで十分に頑張ったと思うので、これからの人生は〝自分ファースト〟で選択や決断をしていってほしいなと切に思います。
取材・文/島田七瀬(スタッフ・オン) 写真/黒石あみ
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「桃山商事」代表
清田隆之(KIYOTA TAKAYUKI)
1980年東京都生まれ。文筆業、恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表。早稲田大学第一文学部卒業。これまで1200人以上の恋バナを聞き集め、「恋愛とジェンダー」をテーマにコラムやラジオなどで発信し、幅広いメディアに寄稿。桃山商事としての著書に『生き抜くための恋愛相談』『モテとか愛され以外の恋愛のすべて』(ともにイースト・プレス)、単著に『よかれと思ってやったのに──男たちの「失敗学」入門』(晶文社)など。