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LIFESTYLE暮らし

2020.04.22

東京と似ている?ロックダウンしない街ストックホルムの、今と危機

カフェでの飲食に公園での日光浴、子どもたちもいつも通り学校へ行き、休校措置もとらないスウェーデンのコロナ対策。現地の様子を、スウェーデン在住の大迫美樹さんに聞きました。

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ストレスフリー?【スウェーデン】独自のコロナ対策

スウェーデンは、他の欧州諸国や北欧の隣国が厳しい措置をとる中、現在も自宅待機の強制もなく、ショップやレストランも普段通り営業、学校も高校以外は開校しています。このような政府の政策のためか、スウェーデンを他国と比べると人々の危機感が薄いようです。

▲カフェのオープンテラスは、いつも通りお茶や食事を楽しむ人々で賑わっている。

コロナウィルスの感染で日本がすでに大騒ぎになっていた頃、スウェーデンはまだ感染者もなく、どこか他人事のような雰囲気でした。その後イタリアで爆発的に感染者が増えた同じ頃に、スウェーデンの学校がスポーツ休暇に入りました。そのため、多くの人がイタリアに旅行をして帰国したことで、国内の感染者が急増。2月の終わり頃の出来事です。

そこから多くの会社がすぐにリモートワークを取り入れ、街中から人が消えました。その次の週にはバスなどの公共交通機関が運行本数を減らすことを発表。バスの運転手を守るため、後ろから乗降車する取り組みも始まりました。

▲バスの運転手を守るために、前方の乗り口が閉鎖されたバス。料金所が前にあるため、今はフリーでバスに乗ることができる。

私の夫も3月初旬から会社のオフィスが閉鎖され、全社員がリモートワークへと切り替えになりました。現在もストックホルムのほとんどの会社がリモートワークを導入しています。スウェーデンはロックダウンもせず、他国と比べて緩やかな政策をとる中で、リモートへの移行はとても早かったように思います。

感染者の急増で市民の行動が一変

2月の終わり頃までは外出の機会はもちろん減ったものの、多くのスウェーデン人も「コロナウィルスは怖いね」という会話をしつつ、どこかでまだスウェーデンは大丈夫だろうという雰囲気が漂っていたのも否めません。

▲ストックホルムのセントラルにある広場と大通りも人はまばら。

 ところが、3月に入り急な感染者や死者の増加に伴い、多くの人が不安を吐露するようになっていきました。その不安の表れが、スーパーでの買い占めです。現在は解消していますが、当初は卵やトマト缶、パスタや豆のような長期保存のきく食材から、トイレットペーパーまで、きれいに棚から姿を消して驚いたことを覚えています。 多くのレストランもお客さんが来なくなり、スタッフを解雇したりクローズしたりするお店も出始めました。今ではテイクアウトができるようにしているレストランも多く、生き残るためにさまざまな工夫を凝らしているようです。

子どもはコロナを感染させない?だから休校措置はとらない!

現在も高校と大学を除く学校は開校しています。スウェーデンの首相ステファン・ロベーンは、感染経路のほとんどは、学校や子供たちが問題ではないと話しています。そのため学校は休校措置を取らないことを決めています。

▲校舎の外で遊ぶ子どもたち。コロナウィルスが流行する前と同じ日常を過ごしている。

現在も通常通りに開校している小学校は、学校も学童も通常通り。変わったことといえば、給食前に先生が、生徒の手洗いのチェックをするくらい。放課後も以前と変わらず、多くの子ども達は公園などで遊んでいます。しかし、全体の3分の1くらいの家庭は、自主的に子どもをお休みさせたりしているようです。

スウェーデン政府が設けたPCR検査基準、疑問の声も

スウェーデンでは早い段階で、感染者へのテストPCR検査は入院する重症者のみしか受けられないことを発表しています。そのためはっきりした感染者数はわかりませんが、3月半ば過ぎから死者は増え続け、すでに1200人を超えている状況です。

この数は隣国と比べても圧倒的に多く、特に日本の死者と比べると6倍近い数になっているというのに政府が今も変わらず、自主的に「ソーシャルディスタンスを保つ」「外出を控える」「感染の疑いがある人は自宅待機」を推奨しているくらい。これに対し、もっと厳格な措置を!という声が増えてきているのも事実です。

▲地下鉄中央駅の改札の柱にはソーシャルディスタンスを保ってくれてありがとうという内容の貼り紙が。

政府が厳格な措置を取っていないことからか、私の周りのスウェーデン人をみていてもコロナの影響の感じ方はさまざまです。感染を怖がり1カ月以上、必要最低限の外出しかせずに友人にも会っていないという人もいれば、週末には友人と会って一緒に散歩をしたり、自宅で飲んだりレストランへ行ったりしているという人もいます。子どもが公園で遊ぶ際に親同士で集まったりしている人ももちろんいます。

先日のイースター休暇でも、実家やサマーハウスへ行くことを自粛するよう政府が声明を出していたものの、休暇前日の道路は結局大混雑。やっと長い冬が終わり暖かくなってきたことから、見渡すとオープンテラスには多くの人が集まっています。外出を控えている人々がいるのも事実ですが、全体的に危機感が低い人々がまだまだ多いという印象です。

スウェーデンのコロナウィルスに対する政策は間違っているという専門家も多くいますが、すでに今週よりイタリアやオーストリアが措置の緩和を始めていることから、スウェーデンが今より厳しい措置を取る可能性は低いかもしれません。 4/16現在、感染者は11927人(重症者や病院に入院をしてPCR検査を受けた数)、死者は1203人にのぼっています。

edit/保坂宏美

大迫美樹

アパレル会社や広告制作会社勤務を経て、2007年にスウェーデンのストックホルムへ移住。スウェーデン人の夫と暮らしながら、雑誌や広告、日本企業の仕事を中心にコーディネート全般、執筆を手がけている。Instagram : @mikikosmic 

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