座卓やお店のテーブルに使われる「卓」
複数人で囲んで座るような机には「卓(たく)」を使うのが一般的です。具体的には、和室において家族で食事をする際に使う「座卓(ざたく)」や「卓袱台(ちゃぶだい)」、複数でマージャンをするときの「麻雀卓(マージャンたく)」などです。中華料理店や宴会場で使う大きな丸テーブルやターンテーブルにも卓が用いられます。机の形状にかかわらず、お店では注文や配膳のために机に番号を振る際「1卓、2卓…」と呼ぶことがほとんどです。卓という助数詞には、家具としての意味だけでなく、食事やそこに集まる人々も含まれていると考えましょう。
商品には「点」が使われることも
インテリアショップの広告で「家具1点から配送」「残り1点」など、「点(てん)」という助数詞が使われているのを目にしたことはありませんか?商品として机を数える場合は、主に点が使われます。これは、机やテーブルに限らず、家具全般に共通することです。たとえば、机に椅子や収納ラックなどの「付属品」が付いている場合、机・椅子・収納ラックそれぞれを1点と数え、広告では「3点セット」と表記されます。
【目次】
知っているとかっこいい数え方
普段の生活ではあまり使われませんが、「基(き)」や「前(ぜん)」など、覚えておくと便利な机の数え方を紹介します。とりわけ「基」という助数詞は、机以外にも多く用いられます。
文化財など動かせない机は「基」
動かせない机は「基(き)」で数えるのが一般的です。物理的に移動が困難な「備え付けの机」はもちろん、文化財などに指定され、人が簡単に動かせないものも含まれます。本来、基には「基礎や土台となるもの」という意味があり、そこから「動かせないもの全般を数える助数詞」として使われるようになりました。机に限らず、公園のベンチ・エレベーター・鳥居・タワー・原子力発電所・風車・墓石などはすべて基を使って数えます。
伝統的な数え方の「前」
和室などに置く小さな読み書き用の机や、読本を読む際に経文を載せる経机(きょうづくえ)には「前(ぜん)」という助数詞が使われます。畳に座った際に脇にかけ、体をもたれかける安楽用具「脇息(きょうそく)」の助数詞も前です。現代ではあまり耳慣れませんが、古文書のなかにはたびたび登場するため、覚えておいて損はありません。対象が文化財などに指定されている場合は、前ではなく「基」が使われることがあります。
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