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【目次】
心を閉ざすとはどういう状態のことか
「〝心を閉ざす〟 とは、人との関わりを必要としない、人と親しくなろうとしないこと。自分の殻に閉じこもり、心の扉を閉めてしまって、引きこもってしまう状態ではないでしょうか」と話すのは、臨床心理士・吉田美智子さん。
【質問】周りに心を閉ざしている状態の人はこれまでいましたか?
周りに心を閉ざしている人が「いる」11.8%、「いない」88.2%となりました。心を閉ざしている人は全体の約1割と少なめですが、その実体はどんな状態なのでしょうか。
「心を閉ざす」原因とは?どう接するのがいいのかを臨床心理士に聞きました
「人は社会的な生き物で、生きるためには人との関わりが欠かせません。ですので、それでも尚、心を閉ざすのには理由があります」(吉田さん)。
「理由には大きく2つが考えられます。ひとつ目は、生来の性質として、人との関わりが困難な場合(自閉症スペクトラム障害と呼ばれます)。ふたつ目は、安心できる環境で育つことができなかったか、誰かに大きく傷つけられた体験があり、自分を閉ざさないと安心して生きられない、という場合です」(吉田さん)。
では、「心を閉ざす人」にはどんな特徴があるのでしょうか。「社会的な生き物である私たちは、『社会はおおむね安全で、人々もだいたい信頼できるものだ』という感覚を持っています。これは、子どもの頃から、安心できる環境で育つことで獲します(生まれつき持っているわけではありません)。『安心できる環境・信頼関係』が持てないと、『社会は危険に満ちていて、いつ誰に傷つけられるかわからない』と感じて、不安が強くてビクビクしていたり、良いことも何か裏があるのではないか?良いことは長くは続かないだろう、というような被害的な考えになってしまいます。そのため、対人関係を築きにくく、こちらが親切に、また温かく声をかけても拒絶されてしまいがちです」(吉田さん)。
そのような心の持ち方になった人とは、どう接すると良好な関係が築けるのかも聞いてみました。「こちらがまず心構えとして持ちたいのは、『心を閉ざすのは、不自由だけれど、その人にとっては理由があって、必要でしていること』だと理解してみてください。相手が閉じているからこちらも閉じるのではなく、こちらは距離を取りながら、穏やかにオープンにつながってみましょう。その際、『困ったときはいつでも声かけてくださいね』などと一声かけた上で、ほどよく距離をとると、相手の方の不安が和らぎます。心を閉ざす人にとって、過去は不安と不信に満ちていたかもしれないけど、『今ここでは怯えなくてもいいんだな』ということを体験してもらえると、少しずつ温かい関係性が築いていけるようになるかもしれません」(吉田さん)
「心を閉ざしている人」が近くにいる場合は、吉田さんのアドバイスを参考に、相手に安心感を与える行動を心がけてみるといいかもですね。
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【体験談】心を閉ざしている人に見られる特徴とは?
心を閉ざしている人に多く見られるのが、「コミュニケーションが苦手」と言う特徴でした。「自分中心」や「被害妄想」などちょっと付き合いづらい言動も見られました。
コミュニケーションが苦手
・会話がない。話しかけても迷惑そうな顔をするので、今は声をかけていません (30代・青森県・子ども1人)
・休憩中も黙々と、ご飯を食べる。話しかけてもそうですねしか言ってくれない (30代・愛媛県・子ども1人)
・話しかけられたくないのか、目を合わせない。そばに寄ってきたりもしない (30代・大阪府・子ども4人)
・表情が乏しく、あまり会話にも入ってこない (40代・兵庫県・子ども2人)
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自分中心
・私の意見を言っても自分の意見を押し付ける人。他人を受け入れる感じは見受けられない (30代・岐阜県・子ども2人)
・自分勝手。自分が一番と思っている人 (30代・愛知県・子ども1人)
他罰的
・他罰的 (40代・滋賀県・子ども1人)
気が弱い
・引きこもりの親族がいます。その人は女性で心優しいと思うのですが、気が弱いのだと思うところもあります (40代・福岡県・子ども3人)
被害妄想
・被害妄想が激しい。自分はダメなんだと、ネガティブ発言が止まらない (40代・東京都・子ども2人)
表面的な付き合い
・表面的な付き合いしかしない。悩みや相談、嬉しかったことなどプライベートな話はゼロ (30代・東京都・子ども1人)