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【打たれ弱い】の意味とは?
「打たれ弱い」を小学館刊・大辞泉で調べてみると〝相手からの攻撃に耐える力がない。また、気が弱く、批判・非難や逆境に耐られない〟と書いてあります。
臨床心理士・吉田美智子さんに詳しくお話を聞きしました。
「人から批判、非難されたり、攻撃されると、誰でもショックを受けたり、傷ついたり、落ち込んだりするものです。この反応自体は、ごく自然なものです。さらに不当な非難を受けたり、執拗に攻撃されたりすると、ショックや傷の深さから食事や睡眠が乱れてしまったり、涙が止まらなくなったり、外に出るのが怖くなってしまうことなどもあります。これらの反応も、当然の反応ですがケアが必要になってきます。
一方で、日常的に繰り返される些細な出来事や、気にしていても仕方がないと割り切ることも必要なのに、気にしてしまう、傷ついてしまうという場合もあります。それが、【打たれ弱い】と言われる状態です。一旦、傷ついて凹むことは当然の反応ですが、立ち直るのが遅かったり、いつまでも引きずってしまう人も【打たれ弱い】と言えるでしょう」(吉田さん)。
では、働く女性にはどれぐらい「打たれ弱い人」が存在するのでしょうか?
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【質問】打たれ弱いと思える人は周りにいる?
「はい」…38.8%
「いいえ」…61.2%
※アンケートは30~45歳の日本全国の有職既婚女性を対象にDomani編集部が質問。調査設問数10問、調査回収人数110名(未回答含む)。
周囲に「打たれ弱い」人がいると回答した人は、全体の約4割になりました。実際に「この人、打たれ弱いなぁ」と感じるポイントがどこなのか、働く女性100人に調査しました。
打たれ弱い人に見られる5つの特徴
皆さんから寄せられた、打たれ弱い人の特徴を回答の多かった順に紹介します。
ネガティブですぐに落ち込む
「言われたことを悪い風に受け止める」「ちょっとのことですぐ落ち込む」「考えも雰囲気も暗くて、何かしらいつも落ち込んでいる」「私なんて…が口癖」など、常にネガティブマインドで、簡単に落ち込んでしまうのが特徴。
いつまでも引きずる
「些細なことをずーっと引きずっている」「開き直りができない」「失敗から立ち直れない」などの意見が。ウジウジとひとつのことに立ち止まっている様子を「打たれ弱い」と感じるよう。
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自分の考えがない
「小心者で自分の考えがない」「自分の意思を持っていない」「自分軸がないため打たれ弱い」 といった、自分に自信がないという声もありました。自分がないことで、何かトラブルが起きるとすぐノックアウトされてしまうようです。
叱られても受け入れられない
「叱られた理由を受け入れる度量がない」「非難や文句、厳しい助言などなかなか素直に受け入れられない」など、注意されたことが受け入れられないのも打たれ弱い人の特徴。人として器が小さいという場合もあるかもしれませんが、理由よりも叱られたショックの方が大きくて、受け入れられない場合もあるかもしれません。
気にしすぎる
「起こったことに対して深く考えすぎで、次の事が考えられないところ」「無駄に気を使うところ」「失敗が怖くて、いろんなことを気にしすぎる」などの声が。自分が打たれ弱いと分かっているからこそ、周囲に気を使ったりもしますし、2度と失敗しないようにと考えすぎてしまう面もあるよう。
少数派意見はコチラ!
「プライドが高い」 「気が弱い」「意見が言えない」「神経質」「逃げる」といった特徴もありました。
では、打たれ弱い人にはどう接してあげると良いのでしょうか。
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臨床心理士がアドバイス! 打たれ弱い人との上手な接し方
まずどうして「打たれ弱い人」になってしまうのかを教えていただきました。
「何をどのくらい気にするのかは、その人の持って生まれた性質と、その人が育ってきた環境や体験によります。子どもの遊びの様子を見ていると、一度失敗したり、誰かに悪口を言われると怖がってしまう子がいれば、何度失敗しようと、誰に何を言われようと気にならない子がいます。どちらも、その子の持って生まれた性質・個性です。
でも、その個性が一生続く、とも限りません。細かいことを気にしやすく、臆病な性質の子でも、失敗しても咎められない、温かな環境で育つと、少しずつ外からの攻撃や不安に耐える力をつけていきます。逆に、元々はあまり気がつかない・気にならない子どもでも、家庭や学校でいつも厳しく叱責されていると、次第に自信を失って臆病になっていったりします。もちろん大人でも理不尽な体験などから社会への信頼と自分への自信を失って、打たれ弱くなってしまうことも生じます」(吉田さん)
では「打たれ弱い人」にはどう接してあげると関係性がうまくいくのでしょうか。
「いつ、どのような経緯で【打たれ弱く】なってしまったにせよ、関係性において大切なのは以下のポイントです。