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「事なかれ主義」の正しい意味とは?
「事なかれ主義」という言葉を見聞きしたとき、どんな主義のことを指すのか、わからない人もいるでしょう。「事なかれ主義」は、あまり歓迎されないことが多いです。「事なかれ主義」の意味や特徴を見ていきましょう。
意味
ことなかれしゅぎ【事勿れ主義】
いざこざがなく、平穏無事に済みさえすればよいとする消極的な態度や考え方。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
「事なかれ主義」は「事勿れ主義」と表記することもありますが、一般的には「勿れ」を平仮名で表記する「事なかれ主義」を使うことが多いです。いつもトラブルを避けるようにふるまう人や、他人との衝突を可能な限り避け、平穏に過ごしたいと考える人を指します。
「事なかれ主義」の人は、協調性があり穏やかな人柄であることが多いといわれます。反面、自分が矢面に立つことを恐れ、トラブルが生じても見て見ぬふりをする傾向にあるでしょう。「事なかれ主義」が悪いわけではないのですが、褒め言葉として使われることはほとんどありません。
「事なかれ主義」が使われるシーンとその例文
ここからは「事なかれ主義」の使い方を見ていきましょう。シーン別に例文を紹介します。
家族の問題
家族間でトラブルが生じたり、関係がうまく行かない場合に「事なかれ主義」が登場することがあります。たとえば、子供の問題を見て見ぬふりをする人は「事なかれ主義」といえるでしょう。
《例文》
・嫁姑問題が起きているのに、まともに話し合おうとしない「事なかれ主義」の夫に怒りを感じる。
・若い頃、父は「事なかれ主義」だと思っていたが、本当は家族思いだった。
ビジネスシーンでのトラブル
ビジネスシーンだと、上司が「事なかれ主義」だと感じて、不満を感じる人もいるでしょう。たとえば、トラブルになりそうな案件について対応を相談しているのに、話をすりかえたり、自ら関わろうとしない人は、周りに「事なかれ主義」だと思われやすいでしょう。
《例文》
・現場は困っていると何度も訴えているのに、上司が「事なかれ主義」で何も変わらない。
・あの先輩は「事なかれ主義」らしいから、今回相談をするのはやめておこう。
商品やサービスなどのクレーム対応
深刻な事案が発生しているのに、対応をしようとしない人や、改善策をとろうとしない人を表す際に「事なかれ主義」ということがあります。
《例文》
・こちらの過失でお客様にご迷惑をかけたのに「事なかれ主義」のリーダーはそれを上に報告していない。
・業者の対応に怒りを覚えてクレームを入れたら、担当者が「事なかれ主義」だったのか、笑ってごまかそうとしたので唖然とした。
「事なかれ主義」の類義語とは?
ここからは「事なかれ主義」の類義語について見ていきましょう。
「当たらず触らず」
「当たらず障らず」は、差し障りないように注意をしながら行動するという意味があります。相手の迷惑にならないよう、無難にその場をやり過ごすような場合に用いることが多いでしょう。