「穏便に済ます」
物事を実施する際、揉め事を起こさないように穏やかに行うことを「穏便に済ませる」と言います。
「傍観」
「傍観」とは、関係のない立場で、ただそばで見ていることを指します。手を出すことも口を出すこともしません。
「事なかれ主義」の対義語とは?
事なかれ主義の対義語も紹介します。
「積極主義」
「積極主義(せっきょくしゅぎ)」とは、進んでことをしようとする考え方や立場のことです。積極的に生きる「積極主義」は、問題が起こらないように済まそうとする「事なかれ主義」とは反対の意味を表すといえるでしょう。
「事なかれ主義」の心理と性格とは?
「事なかれ主義」の人にはどのような心理が働いているのでしょうか?「事なかれ主義」に多く見られる性格についても見ていきましょう。
自信がない
事なかれ主義の人は、自信がない人が多いです。「自分の判断が間違っているかもしれない」「経験がないのでわからない」と考え、決断に至りません。うまく行かせる自信もないため、消極的な姿勢になったり、他人に判断を委ねたりします。
他人と争うのを避けたい
「事なかれ主義」の人には、他人と争い事を避けたいという心理が強く働いています。相手も自分も気分を害することなく平和に過ごすことを望み、対立や議論を避けようとします。そのため、積極的な主張をせずに相手の意見を受け入れることが多いでしょう。「それは間違っているのではないか」と思っても、口にすることはあまりありません。
当事者意識が薄め
自分自身がその事柄に関係しているという意識が薄いのも「事なかれ主義」に多く見られる傾向です。相手が意見を主張しても、どこか他人事と捉え、言われるがままということもあります。自分自身の考えや主張を持たず、責任感のない言動が多いでしょう。
自分を守りたい
誰よりも自分を守りたい、と強く思っているのも「事なかれ主義」に多いパターンです。自分が損をしたり、嫌な思いをするのを避けることが第一になり、チャレンジしようという意欲が見られません。また、自分に責任が生じるのを避けようとする傾向も強いです。
事なかれ主義になる原因
事なかれ主義が悪いということはないのですが、ビジネスシーンでは歓迎されないでしょう。なぜ事なかれ主義になるのか、原因を探ってみましょう。
経験値の低さ
頑張っても手を抜いても評価が変わらないという経験をしたり、正当な評価を受けた経験がないと、事なかれ主義になりやすいかもしれません。たとえば、業績アップに貢献したのに評価されなかったり、いつも以上に頑張ったのにダメ出しばかりされると、意欲が薄れてしまうでしょう。
失敗が許されない環境
職場環境が、事なかれ主義を生み出すこともあります。たとえば、失敗が許されず、必要以上に責められたり、評価を下げられたりすると、次は失敗を避けようと考える人が多いでしょう。「失敗したら次はない」と強く負荷をかける環境や、必要以上に足並みを揃えることを要求する職場は、事なかれ主義を生みやすいといえます。
向上心がない
面倒を避けることを優先し、現状維持でよいという考えが根付いている環境だと、チャレンジする意欲が失われてしまいます。個人に向上心がない場合はもちろん、組織全体に「現状維持でよい」という雰囲気があると、組織全体が事なかれ主義に陥るでしょう。
事なかれ主義の人との上手な付き合い方
ここからは、事なかれ主義の人と上手に付き合う方法を見ていきましょう。3つ紹介します。
安心して発言できる場をつくる
事なかれ主義の人は、これまで安心して発言できる場がなかったのかもしれません。話しやすい雰囲気をつくり、発言の機会を設けるといいでしょう。自分の発言したことを否定されず、肯定的に意見を受け止めてもらえる経験を何度もすると、事なかれ主義から脱するかもしれません。
正当に評価し、褒める
職場の部下や後輩などが事なかれ主義の場合は、正当に評価し、相手のことを褒めることが大切です。それには評価基準を明確に示すことが欠かせません。また、評価の理由を具体的に伝えるのも有効です。やるべきことや評価が明確になれば、当事者意識を持って仕事に取り組む人も出てくるでしょう。
失敗を許容する
失敗を許容する雰囲気があったり、弱みを出してもよい場をつくるのも、事なかれ主義には必要です。自分の失敗や弱みを気軽に話せる場があると、事なかれ主義の人は「失敗してもいいんだ」「弱みを隠す必要はないんだ」と感じ、自分を出せるようになるでしょう。また、これをすることでメンバー間の距離感が縮まり、信頼関係をつくりやすくなるでしょう。
事なかれ主義になってしまったときの対処法
「もしかして私は事なかれ主義になっているかも?」と不安になった人は、次の3つを意識しながら過ごしてみてください。
失敗を次に生かすことを考える
過去にした失敗にとらわれ、事なかれ主義になっている場合は、「失敗しても大丈夫」と自分に言い聞かしましょう。「失敗してはダメ」と思えば思うほど、体が緊張して失敗する可能性が高まります。もし失敗しても、原因を探り、次の機会に生かすことを考えましょう。失敗は、人を成長させます。失敗が怖いのはみんな同じと考え、挑戦を続けたいですね。
目の前の事柄は「自分のこと」だと認識する
仕事などに対して、どこか他人事だと思っていませんか? その場合は、当事者意識が欠けているのかもしれません。些細だと思えることでも「これは自分のことだ」と捉え、改善や解決を図りましょう。自分が関わることは、自分にも責任があると意識するだけで、行動が変わるでしょう。
自分から周りに働きかける
事なかれ主義から脱するには、自分の言動に責任を持つことが欠かせません。しかし、それがプレッシャーになる人もいるでしょう。ビジネスシーンでは、自分の力だけで解決できないことが多くあります。だからこそ、周りに頼れる状況を作ることに意識を向けましょう。自分から働きかけ、困ったときに助け合える関係性を作るようにするのが大切です。
最後に
「事なかれ主義」について、意味や心理、対応の仕方などを紹介しました。事なかれ主義が多い組織は、成長が止まってしまいます。自分も事なかれ主義かもしれないと不安を覚えたら、紹介した脱する方法を試してみてください。
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