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2021.03.31

スクールカウンセラーが教える!〝小学1年生をスムーズにスタートさせる〟コツ

小学校生活を順調にスタートするには!? スクールカウンセラーとしても活躍している臨床心理士・吉田美智子さんにお話をうかがいます。

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初めが肝心!でも「理想の小学生像」には当てはめないで

「まずは生活リズムを作ってあげることが肝心です。1年生できちんとしたルーティーンを親が指し示してあげることをおすすめします。

生活リズムで重要なのは放課後の過ごし方です。

帰宅後に1:おやつ 2:宿題 3:明日の準備を徹底しましょう。順番はどれが先でも後でも良いので、それぞれのご家庭で決めてください。特に宿題や明日の準備はやり終えなければ、自由時間にはならないと言うことをきっちりとルール付けましょう。ここが守られると、後々親も子も楽になります」

子どもにとって初めての宿題や準備は、親が思う以上に大変なものです。

「今までのカウンセリングの経験上、小学校1年生から自立できる子は少ないと感じます。実際に、小学1年生の保護者からも『うちの子は朝自分で起きられない』『学校へ行く準備がひとりでできない』という相談を受けます。最初からできる子もいれば、時間をかけてできるようになる子もいます。

例えば、筆箱の中身を揃えられないという相談があります。小学生になると筆箱を毎日持っていきますよね。鉛筆、赤鉛筆、青鉛筆、消しゴムと、決められたものが中に入っています。これを全て揃えて毎日持っていくのが学校のルール。しかし毎日鉛筆が揃わない。時には中身は全部学校においてきて空っぽなんて日も。

お母さんが毎日声かけしても、なかなか定着しないのです。お母さんからすると、筆箱準備は持ち物準備の基本。作業が難しいわけではないのに、なぜ?と思ってしまうのです。しかし子どもにしてみると、教科書と筆箱をランドセルに入れると『できた!終わった!』と思って安心してしまって中身の準備まで気がまわらないのです。筆箱の中身準備を自分でするようになったのは『4年生になってから』という声もあります。でも、それでいいのです。〝小学生だからひとりでやらせる〟ということにこだわりすぎないことが大事だと思います」

「その他にも朝の時間や寝る時間、ゲームやTVの時間など守るべきことはたくさんありますが、最初からガミガミ言わず、まずは上記の3つを定着させてから、ひとつづつクリアしていきましょう」

親が忘れてならないのはメンタル面のフォロー

「小学校になると園児の頃のように送迎をすることがなくなります。親としては毎日不安や心配が尽きないと思いますが、まずは子どもが話す学校の様子に耳を傾けてください。順調である分には話している内容の辻褄が合うのですが、何かトラブルがあると辻褄が合わなく、親は違和感を持つはずです。そんな異変に気づいたら、さり気なく『何かあった?』と聞いてみましょう。実は悩んでいたり、困っていることがあるかもしれません」

話をしてくれる場合

「お子さんはお母さんに学校で楽しかったことを話したいと思うものです。でも、お母さんは何か困ったことがないか心配で、言いにくいことも正直に話して欲しいと願うものですよね。そんな時は、折を見てお子さんに『お友達とケンカをしたり、先生に何か言われた時も、お話して欲しいんだ』と伝えてみてください。お母さんは学校の様子を知りたいだけ、怒るわけではないんだ、とわかると子どもも素直に話をしてくれるようになります。そんな親子の信頼関係を構築するべく、入学前にコミュニケーションをとっておくと安心材料になるのではないでしょうか」

話をしてくれない場合

「逆に、全く学校の話をしないお子さんもいます。学校生活が見えず心配になることもあるかと思いますが、そんな時はお子さんの表情を見て対応を心がけるといいと思います。顔が疲れていたら、子どもがホッとするような言葉をかけてあげたり、機嫌が悪そうだったら『大丈夫?』の一言でも安心するのではないでしょうか。

ちなみに、うちはこのタイプでした。見るからに暗い表情をしているときは、特別にジュースを持ってお風呂に入ってよしとしていました。ゆっくりお風呂でジュースを味わうと、『ま、いっか』という表情に変わるので、私も『それでよし』としていました。後でママ友から事情を知ることもあり、その場で話してくれていたら…と思ったこともありますが、うちの場合は、あえて色々聞かず〝お風呂でジュース〟で我が子の気持ちを包み込んであげていました。

学校での生活で大変なことがあっても、子どもにとって自宅はいつでも安心できる場所と思えることが肝心です。1年生のスタートが順調であっても、仮につまずいたとしても、いつでも親が味方になってくれているという心のサポーターであって欲しいなと願います」

確かに小学1年生は節目のひとつでありますが、親が寄り添い、温かいサポートをしてあげられると、子どもも安心して学校生活が楽しめるはずです。ワーママの皆さんは忙しく大変かもしれませんが、ぜひ毎日学校帰りの子どもの目を見て、話に耳を傾けてみてください。

構成・文/福島孝代

写真/(C)Shutterstock.com

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臨床心理士

吉田美智子

東京・青山のカウンセリングルーム「はこにわサロン東京」主宰。自分らく生きる、働く、子育てするを応援中。オンラインや電話でのご相談も受け付けております。
HP
Twitter: @hakoniwasalon

 

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