【目次】
・「こじらせる」とは?
・こじらせるの使い方
・こじらせる人の特徴
・こじらせるの豆知識
「こじらせる」とは?
そもそも「こじらせる」という言葉には、どのような意味があるのでしょうか? まずは「こじらせる」の一般的な意味を見ていきましょう。

(C)Shutterstock.com
「物事をややこしくする」
「こじらせる」は、漢字では「拗らせる」と書きます。この「拗」という漢字は、「ねじれる」という意味を持っており、こじらせるは「物事をややこしくする・面倒にする」ことを指す言葉です。
例えば、シンプルに考えればよい物事に対して、余計なことを考えて問題を複雑にしてしまい、解決が遠のいてしまう状況などを、「こじらせる」という言葉で表すことができます。「私の発言のせいで、状況をこじらせてしまった」のように使われます。
基本的にネガティブな意味で使われ、ポジティブな意味を持つことはほとんどありません。このような意味から、現在では少し面倒な性格の特徴を表す言葉としても使われるようになりました。
病気などを「長引かせる」という意味も
「こじらせる」という言葉には物事をややこしくする以外にも、病気などを「長引かせる」「長期化させる」という意味があります。病気が治りにくくなり、結果的に長引くようになった状態のことです。
「不摂生していたら、風邪をこじらせてしまった」「風邪をこじらせて、肺炎になってしまった」などの使い方があります。この意味の場合も、ポジティブな意味合いはありません。
こじらせるの使い方
人の性格などについて「こじらせる」という言葉を使うときには、どのような使い方があるのでしょうか?
近年、よく使われるようになった言葉とともに、その由来について紹介します。

(C)Shutterstock.com
「こじらせ女子」
こじらせると組み合わせてよく使われるのが「こじらせ女子」です。
こじらせ女子にはさまざまな定義がありますが、一言で言い表すならば「自分に対して自信を持てない女性」といえるでしょう。
自信が持てないあまりに、物事を否定的に捉え、必要以上にネガティブな方向へ考えてしまう人に対して使われることが多いです。
自分自身を前向きに捉えられない一面があり、女性らしいしぐさやファッションに対して、苦手意識を持ってしまう傾向があるようです。
由来は一冊の本「女子をこじらせて」
「こじらせ女子」という言葉の由来になったのが、雨宮まみ氏が2011年に出版した「女子をこじらせて」(幻冬社)という本です。「かわいくないけどモテたい」という、女としてのコンプレックスを持ちながら生きてきた、作者の半生が描かれています。
この本をきっかけに「こじらせ女子」という言葉が広く知られるようになり、2013年度の新語・流行語大賞にノミネートされるなど、大きな話題になりました。
「こじらせ男子」も存在?
よく知られているのはこじらせ女子ですが、こじらせているのは女性に限ったことではありません。「こじらせ男子」という言葉も存在しています。
「こじらせ男子」は、こじらせ女子と同様に、自分に自信がない男性のことを指す場合が多いです。
自分に自信を持てず、責任感や協調性などに欠ける傾向があるよう。優柔不断な部分やナイーブな面が見られるのも、こじらせ男子の特徴といわれています。
こじらせる人の特徴
「こじらせ女子」や「こじらせ男子」など、こじらせている人には、いくつかの特徴があります。こじらせる人によく見られる傾向にはどのような点があるのでしょうか?

(C)Shutterstock.com
基本的にネガティブ思考
こじらせる人は、基本的にネガティブ思考の傾向があります。根本にネガティブな考えがあると、例えば他人から何か褒められたとしても、素直に受け取れなくなってしまいます。
言葉どおりに捉えられずに「実は裏があるのではないか?」など、考えなくてもよいことを考えてしまうのです。
そして「本心から言っているわけがない」と、発言や相手のことを否定的に捉えてしまうケースも少なくありません。
周囲の人からすれば、せっかく褒めたのによい反応が返ってこないどころか、否定的な態度を取られてしまうため、面倒に感じることもあるでしょう。
自己肯定感が低いことから、「でも」「だって」「どうせ」などの言葉を多用する人も見られます。
恋愛に慣れていない
こじらせ女子やこじらせ男子は、自分に自信が持てない面があり、恋愛に慣れていないケースも多いとされています。
「自分には恋愛など縁が無い」「自分を好きになる人なんているわけがない」と思い込み、異性とのコミュニケーションを苦手に感じてしまうよう。卑屈になってしまい、好きな相手ができてもうまくアプローチできないケースもあります。
また、お付き合いが始まったとしても、ネガティブな性格が災いして相手を心から信じられず、いざこざが起こりやすくなることも。
そうして一度恋愛がうまくいかなかった経験があると、さらに恋愛や自分に対して自信をなくし、どんどん恋愛に対して消極的になっていってしまいます。
自分大好き! 完璧主義な一面も
自己肯定感が低いことと相反するようにも感じますが、実はこじらせる人は自己愛が強いという特徴も見られます。
「どうせ自分なんて」と言いながらもプライドが高く、他人の意見を受け入れない部分があるのです。
自分から自虐的な発言をするタイプもいますが、これは「他人から言われて傷つきたくない」という気持ちの表れで、自分のプライドを守るための行動とも考えられます。
また、「○○はこうでなければいけない」などと、独自のこだわりや理想を持っている人も少なくありません。自分の理想に合わないものは認めないという、完璧主義のような面が見られることもあります。
そのような言動が見られたら、相手のプライドを傷つけたり、相手の考えを頭から否定したりしないように配慮しましょう。
もしかして私もこじらせ女子? 気になる特徴や意味をチェック|Domani
こじらせるの豆知識
こじらせるという表現については、そのほかにも使い方があります。一般的な表現以外の使われ方や類義語など、「こじらせる」についての豆知識を紹介しましょう。

(C)Shutterstock.com
オタク用語として使用することも
こじらせるという言葉は、オタク用語としても使われており、「リアコ」「ガチ恋」などとセットになることが多いです。
使い方としては、「あの子はリアコこじらせてる」などがあります。
「リアコ」とは「リアルに恋している」、「ガチ恋」は「ガチで恋している」の略で、アイドルやアニメのキャラクターなど、手が届かない人に本気で恋をしてしまうことです。
本気で恋をしてしまうだけなら、一概に悪いとはいえません。しかし、こじらせるという表現には、何らかの悪い影響が出ていることがうかがえます。
「リアコこじらせる」「ガチ恋をこじらせる」とは、かなわない相手に本気で恋をして、日常生活に支障が出てしまったり、周囲に迷惑がかかってしまったりするような状況と考えられるでしょう。
類義語「面倒にする」「長期化する」
こじらせるの類義語といえるのが、「面倒にする」「長期化する」などの言葉です。
例えば、余計なことをして事態を悪化させてしまった場合には、「こじらせてしまった」を「面倒にしてしまった」「ややこしくした」と言い換えることができます。
病気やけがなどを長引かせたという意味で「こじらせた」を使うときには、「長期化させた」と言い換えることが可能です。
英語では「Strain」「Complicate」
こじらせるという言葉を英語で表現する場合、「Strain」や「Complicate」が挙げられます。
Strainは「ぴんと引っ張る」「ひずませる」「使いすぎて痛める」という意味です。無理をして病気を長引かせたときのこじらせるの英語表現としては、Strainを使用しましょう。
一方、「Complicate」には「複雑にする」「困難にする」という意味があります。余計なことをして状況を悪化させたり、問題をややこしくしたりという場合のこじらせるを英訳するときには、Complicateを使用するとよいでしょう。
また、Complicateには「悪化させる」の意味もあるため、病気をこじらせた場合の表現としても使用できます。
トップ画像・アイキャッチ/(C)Shutterstock.com
こちらの記事もたくさん読まれています
「好きな人がいない」恋ができない女性の特徴と恋愛を始めるための方法をご紹介
理屈っぽい人の特徴まとめ|付き合い方や直したい時のポイントも紹介