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2021.10.08

「姑息」の意味は?「卑怯」とは違う? 意味・使い方・類義語・英語表現を解説

テレビや普段の会話で使われる「姑息」は、「卑怯」の意味で使われることが多い言葉ですが、本来の意味は「一時しのぎ」です。なぜ多くの人が間違った意味で覚えてしまっているのでしょうか?姑息の正しい意味と使い方を紹介します。

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【目次】
 ・姑息とは?
 ・姑息の使い方
 ・姑息の類義語や英語

姑息とは?

「姑息」は「こそく」と読みます。正しく使うためには、本来の意味を理解することが大切です。ここでは姑息の意味と語源について解説します。

姑息 とは

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「一時しのぎ」という意味

姑息の意味は、「その場逃れ」「一時しのぎ」です。「一時の間に合わせとして行うこと」や、その様子のことを表しています。物事を根本的に解決するのではなく、とりあえずその場を切り抜けるときによく使われる言葉です。

姑息の由来は、中国の儒教の経典である「経書」の一つ、「礼記」にあるとされています。孔子の弟子である曽子が、病床に伏しているときに、こう言い残しました。

「君子の人を愛するや徳を以てす。細人の人を愛するや姑息を以てす。」(君子たる者は大義を損なわないように人を愛するが,度量の狭い者はその場をしのぐだけのやり方で人を愛するのだ。)

このことから姑息は、「一時しのぎ」という意味になったようです。

出典:文化庁 | 文化庁月報 | 連載 「言葉のQ&A」

言葉の語源

姑息は「姑」と「息」の二つの漢字で構成されています。姑の読み方は「ひとまず」や「しばらく」です。「何かする際の動作や行動を少しの間、そのままにしておく」という意味があります。

もう一つは「呼吸」を表す「息」です。「休息(息をついて休む)」にも使われるように、息の漢字には「一休み」の意味もあります。

この二つの漢字を組み合わせて、「ひとまず、休息する」となり、「姑息」は「一時しのぎ」の意味で使われるようになりました。

姑息の使い方

本来の意味を理解した上で、正しく使うのが大人のマナーです。姑息の適切な使い方について解説します。

姑息 使い方

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「卑怯」という意味での使い方は間違い

姑息の意味を考えると、「姑息な性格」や「姑息な人」などの使い方は間違いです。

しかし、大多数の人が姑息を使うときに、「卑怯」という意味で使ってしまっているようです。平成22年度の「国語に関する世論調査」では、70.9%もの人が「卑怯」という意味と回答したデータも残っています。

「姑息」を「卑怯」という意味で捉え得る理由としては、「根本的な解決をせずに、とりあえず一時しのぎで間に合わせる」という意味から「卑怯」を連想させられることが挙げられるでしょう。

またほかにも姑息の発音が、卑怯な意味を持つ「こそこそ」や「こっそり」などと似ているためともいわれています。

参考:文化庁 | 文化庁月報 | 連載 「言葉のQ&A」

名詞や形容動詞として使う

姑息を使って、いくつか例文を挙げてみます。

・姑息な手段
・姑息な真似をする
・姑息な答弁
・姑息にしかならない
・姑息作業を終える

いずれの場合にも、名詞や形容動詞として使うのが正しい使い方です。ほかにも「姑息作業」や「姑息な対処方法」など、一時的に急場をしのぐ意味合いとしても使われます。また、「姑息な勉強で試験に臨む」など、付け焼き刃であることを指す際にも使えます。

医療業界で使う場合は意味合いが変わる

姑息は、一般的には「一時しのぎ」の意味で使われますが、医療業界で使う場合には意味が変わります。

例えば、病気の根本的な治療手術(根治手術)のために必要な準備段階ともいえる手術や、症状を軽減させる目的による負担を抑えた手術を「姑息手術」と呼びます。

これは一時しのぎの手術という意味ではありません。患者や病状によっては、根治手術がすぐできない場合もあります。その際に、根治手術ができる状態になるように、姑息手術をくり返して状態をよくしていくものです。同じような意味合いで「姑息的療法」もあります。病気の原因を除去する治療ではなく、痛みなどの症状を軽減させるための治療方法(対症療法)のことです。

一般的には、「一時しのぎ」や「間に合わせる」といった意味の姑息を使っているため、治療の際に使われると心配になりますが、あくまでも患者の状態をよくするための治療なので心配ありません。

四字熟語「因循姑息」

姑息を使った四字熟語に「因循姑息」があります。読み方は「いんじゅんこそく」です。因循とは訓読みで「因り循う(よりしたがう)」と読み、古い習慣や昔からのしきたりにこだわり、積極的に改善しない様子を表しています。

因循に姑息を合わせた因循姑息は、「古い習慣などにこだわって改善することなく、その場しのぎでやり過ごす」という意味です。そこから派生して、「ぐずぐずして決断できない様子」を表す言葉としても使われます。

使い方の例は以下の通りです。

・彼は因循姑息な手法ばかりなので、部下からの信頼がない
・因循姑息に日々が過ぎるのを待つ

姑息の類義語や英語

類義語も一緒に覚えておけば、表現力の幅が広がるでしょう。ここでは、類義語と併せて英語での表記も紹介します。

姑息 英語 類義語

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「当座逃れ」や「間に合わせの」

「当座逃れ」とは、「当座」(物事に直面したその場)に「逃れる」を合わせた言葉です。「その場を切り抜けようとすること」や「その場をうまくやり過ごして、正面から取り組まないこと」を意味しています。

「当座逃れ」を使った例文は以下の通りです。

・当座逃れの借金をする
・当座逃れの安請け合いをする

また、「間(ひとときの時間)」と「合わせる」を組み合わせた「間に合わせの」には、「その場をしのぐこと」や「その場をしのぐために考えられたもの」という意味があります。

いずれも姑息と同じく根本的な解決策ではなく、その場を乗り越えるときに使われる言葉です。

「間に合わせの」を使った例文は以下の通りです。

・間に合わせの材料で料理をする
・間に合わせのものしかない

姑息は英語で「makeshift」

姑息を英語で表記すると「makeshift」です。「そんな姑息な手段では、根本的に解決できない」を英訳すると、「Such stopgap measures will not contribute to a fundamental solution.」となります。

また医療業界で使われる「姑息」には、makeshiftは使われません。悪い状態を一時的によくする意味や、苦痛や症状を一時的に緩和する意味を持つ「palliative」で表現します。

姑息手術の英訳は「palliative operation」、姑息的処置は「palliative treatment」です。

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