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2021.05.23

スマホの普及、性についての知識の偏り。親たちはどんなリスクを想定すべき?【助産師監修】

大阪・茨木市のフィットネススタジオ「スタジオK」で開催された、親子で一緒に学ぶ性教育クラス「いのちのお話」。今回、スピーカーを務めた助産師SUNAこと、砂川梨沙さんに、一児の母でありライターの有田千幸が取材をしました。シリーズ第4回は、「専門家たちが性教育の現状を危惧する理由」について。

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有田 千幸
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スマホやタブレットに簡単にアクセスできる今、親たちはどのようなリスクを想定すべきなのか専門家に聞いてみた

前回の記事では「日本の性教育の現状」について、助産師SUNAこと、砂川梨沙さんに話を伺いました。

シリーズ第4回となる今回は、「専門家たちが性教育の現状を危惧する理由」について。

助産師SUNAこと、砂川梨沙
▲ 助産師SUNAこと、砂川梨沙氏さん (トータルバースプランナー)
1982年鳥取県産まれ。鳥取看護専門学校・ベルランド看護助産大学校(助産学科)卒業。トータルバースプランナーとして、働く女性のための訪問型「にじいろ助産院」を開業し、産前産後に必要な知識と頼れる場所を提供し、心身ともに健康で自分らしく生きていくことをサポートしている。現在この活動と並行して、性教育についても全国各地で講演中。プライベートでは3児の母。

正しい知識を得る前に、ネットからの誤った情報を信じてしまうリスク

有田千幸 (以下、有田): 歯止めがかかった日本の性教育に専門家たちは危機感を抱いているということですが、それにはどのような理由があるのでしょうか。

助産師SUNA (以下、SUNA): それぞれが感じる危機感というのは考え方や専門分野などで変わってくるかもしれませんが、私自身は、理由は大きく分けてふたつあると考えています。まずひとつめは、ネット社会が子どもたちに与える影響です。今は何かを調べようと思ったらすぐにスマホなどで調べることができ、欲しい情報も欲しくない情報もフィルターをすり抜けて入ってきてしまいます。

たとえば文字を書けない、入力できない年齢の子どもたちでも、今は「おっぱい」といえば勝手に探してくれる便利な機能もあります。ちょっとグラマラスなアニメのキャラクターなどを検索すれば、そこから関連画像が次々と出てきます。コントロールしようとしてもうまくフィルタリングが効かず、結果、見てほしくないところまで簡単に辿り着いてしまう状況といえます。だからこそ、見たもの聞いたものすべて鵜呑みにすることがないよう、子どもたちには自分自身を守れる術として知識をつけて欲しいと考えています。

有田: このような状況は、たとえば子どもたちが悲しい目や危ない目に遭う可能性にも繋がっているのでしょうか。

SUNA: 可能性は大いにあると思います。実際にデータを見てみると、18歳未満の子どものSNS関連被害は2019年がピークで、年間2,095人が猥褻な行為、脅迫やお金が絡んだ事件などに巻き込まれています。そして昨年2020年、総数は1,819人に下がってはいるものの、割合的に増えたのが実は小学生の被害数。

気軽に写真や動画のやりとりができる時代になりましたが、忘れてはいけないのは、ネットに1回でも載ってしまったものを完全回収するのはほぼ不可能ということ。このリスクを知らずに肌を露出した自撮り写真などをアップしてしまい、デジタルタトゥー化された状況に悲しい思いをしている子どももいます。また、そんな思いをする可能性があることを知らない子どもも、依然として大勢いるのが現状です。

有田: スマホなどを持つ年齢は早まってきているみたいですし、特にオンライン授業が取り入れられる機会が増えた近ごろでは、子どもたちがデジタルデバイスを使うということに、より慣れてきているのかもしれませんね。

性教育への批判が加熱しすぎて、性への関心自体が下がってしまうリスク

SUNA: 日本の性教育に危機感を抱いているふたつめの理由は、性教育で得られる知識が偏っていることで引き起こされる性への関心の低下です。たとえば「性交渉はこわいもの」「下手したら感染する」というネガティブな部分だけが強調して伝わってしまうと、それは恐怖心を煽ることに繋がり兼ねません。

もちろん、怖い思いや悲しい思いは絶対にして欲しくないというのが大前提です。ただ、人類にとって性行為自体は必要な行為ですし、自然な気持ちから生まれる自然な行為でもあります。性行為について道徳的に説くのではなく、科学的・医学的な視点で説明し、リスクも知り、大切な人と必要なタイミングでしてもいいし、しなくてもいい、というところまで伝えることが、今の性教育における課題だと考えています。

有田: そうなると、やはり今 “歯止め規定” がかかってしまっているセックスの部分についても、きちんとした情報を伝えていくという意味で見直す必要があるといえるのかもしれませんね。

次回の話は、「きちんとした避妊の方法が浸透していない日本の現状」について。

イラスト/Mai Kaneya

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ライター

有田 千幸

外資系航空会社のCA、建築設計事務所の秘書・広報を経て美容ライターに。ニュージーランド・台湾在住経験がある日・英・中の トリリンガル。環境を意識したシンプルな暮らしを心がけている。プライベートでは一児の母。ワインエキスパート。薬膳コーディネーター。@chiyuki_arita_official

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