乗務員の数が足りず飛行機が飛べない! とならないように…
日々何十便、何百便ものフライトを運行する航空会社。そのためには多くの人員をフレキシブルに確保できなければいけず、クルーたちが予定とは違うフライトに乗務することになるということも日常茶飯事。前回はそんな話を私の経験談を交えながらご紹介しました。
空港の大渋滞で前日のフライトからの戻りが遅くなったなど、複数便の予定が一気に狂うと大変なのが翌日のフライトの人員確保。もしクルーが足りなければその飛行機は乗客数を減らしての運行、または最悪飛べないということにもなりかねないため、そのような事態には絶対にならないよう会社のスケジューリングセクションの人たちは、通常通りのフライトを運行するために必要な乗務員数を揃えます。
そしてそんなとき、いちばん最初にお呼びがかかるのが「待命 (Dài mìng)」の人たち。
中国語で「待命 (Dài mìng)」は「スタンバイ、待機」の意味
航空会社は、クルーの欠員が出た場合、速やかに補充できるように常にスタンバイの人員を確保しておくというシステムをとっています。そしてこの「スタンバイ」という言葉を中国語では「待命 (Dài mìng)」といいます。
スタンバイの日、クルーは基本会社 (たまに空港) でスタンバります。いつ呼び出されてもすぐに出発できるように、制服姿でバッチリメークのフル装備。「はい、今から2日間クアラルンプールね」「5日間、バンコク経由のアムステルダムね」「4日間ロスね」、どんなフライトが来ても直ちに飛び立てるよう、ロッカーやスーツケースには必要なものをすべて揃えています。
日本語では「機会を待つ = 待機、スタンバイ」と表現しますが、中国語は「待命 =命(めい)を待つ」。まさにそれくらいピリッとした時間でもあります。
中国語メモ:待命 (Dài mìng) = スタンバイ、待機
自分のスタンバイの時間が終わるまで、呼ばれるか呼ばれないか、また呼ばれたらどこに飛ばされるかわからない。ある意味「待命 (Dài mìng)」を経験すれば経験するほど、世界レベルでフットワークが軽くなるといっても過言ではないかもしれません。
【続】
▼ あわせて読みたい記事
ライター
有田 千幸
外資系航空会社のCA、建築設計事務所の秘書・広報を経て美容ライターに。ニュージーランド・台湾在住経験がある日・英・中の トリリンガル。環境を意識したシンプルな暮らしを心がけている。プライベートでは一児の母。ワインエキスパート。薬膳コーディネーター。@chiyuki_arita_official