台湾で「えっ!」となるのは、食べ物や食生活にまつわることばかり
気づけば私は小さいころから中華料理が大好き。ニュージーランドに住んでいた学生のころも普段は中華料理が主食、CAになってからもステイ先では「なんかやっぱり中華食べたい」と現地で中華料屋を探し、片栗粉が利いた炒め物や出汁がしっかりと出た麺類をいただいてはほっこりしていました。日本に帰ってきた今でも、外食にしても家でつくるにしても中華率は8割超。娘もすっかり中華好きが板についてきたよう!
そんな私は中華料理が大好きな日本人ですが、それにも負けないくらい台湾の人たちは日本食が大好き。街中を歩いていても、見たことがある日本食や日本食風の名前をいろんなところで目にすることができます。
しかしたまに「これは…日本食とは違う」と思うものに出合うのです。
今回はそんな “イメージしたものとはちょっと違った食べ物” BEST 3をご紹介します。
イメージと違った食べ物 その1
【テンプラ】
台湾の街中でよく目にする「甜不辣 (Tián bù là)」の文字。実はこれ、台湾での「テンプラ」のこと。甜=甘い、不=〜ではない、辣=辛い、つまり「辛くなくて甘い」というなんとも不思議な食べ物の正体は、日本でいう「さつま揚げ」。初めて見たときは、「いや、さすがに揚げてるっていっても、これをテンプラって呼ぶのはどうよ?」と思わず台湾人の友人に「これ、テンプラじゃないよね?」と聞いてみると、「這就是我們的甜不辣啊〜 (これが私たちのテンプラなのよ〜)」とのことでした。そういうわけで、この日から私にとって「さつま揚げ」は「a.k.a テンプラ」という位置づけなりました。
イメージと違った食べ物 その2
【饅頭】
台湾人は面倒見がよく世話好き。私が勤めていた会社では先輩たちが人の分まで余分に朝ご飯を買い込み、私もそのおこぼれをよくいただいていたというエピソードを以前ご紹介しました。そのときによくいただいていたのが、肉饅や野菜饅。朝ごはん屋さんのおじちゃんおばちゃんが早起きをしてせっせとこさえたできたて饅頭。半分に割れば、餡のよい香りと共に湯気が立ち上がり、思わず「看起來好好吃的饅頭喔〜 (美味しそうな肉饅頭)!」と声が溢れます。
が、その横で台湾人の先輩は「那不是饅頭耶 (それ饅頭じゃないよ)」とひと言。どういうことか聞いてみると、台湾の饅頭と呼ばれるものは蒸しパンのような中に何も具が入っていないものを指し、肉饅や野菜慢のような餡入りのものは「包子 (Bāo zi)」と呼ぶとのこと。な、なるほど。
それ以来、日本で饅頭を手にする度に「これはいわゆる饅頭か包子か?」と中身の有無が気になるようになりました (汗)。
イメージと違った食べ物 その3
【関東黑輪】
「關東黑輪 (Guān dōng hēi lún)」とはなんのこっちゃ? という感じですが、実はこれ日本でいう「おでん」のこと。「黑輪」は台湾語読みをすると「オーレン」。「關東煮 (Guān dōng zhǔ)」と呼ぶこともあります。日本のおでんと同じように具材には、ちくわ、つみれ、こんにゃく、大根などがありますが、基本的に台湾独特の練り物が多く、さらによく見ると、とうもろこし、トマト、しめじ、豚の血でできた豬血糕 (Zhū xiě gāo) なども混じっていて、これはもはや台湾人的には鍋をしている感覚なのでは? とさえ思ってしまします。
実は私台湾には9年いましたが、この「関東黑輪」は未だ試したことがないので、次に旅をできるチャンスがやっていたら、真っ先に (?!) トライしに行きたいと思います!
【続】
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ライター
有田 千幸
外資系航空会社のCA、建築設計事務所の秘書・広報を経て美容ライターに。ニュージーランド・台湾在住経験がある日・英・中の トリリンガル。環境を意識したシンプルな暮らしを心がけている。プライベートでは一児の母。ワインエキスパート。薬膳コーディネーター。@chiyuki_arita_official