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2023.05.29

山開きの由来や時期は? 富士山の開山期間は? その意味や登山の注意点を解説

登山が好きな人にとって特別な日である「山開き」。これから趣味として登山を楽しもうと考えている人の中には、どんな日なのか詳しく知らない人も多いのでは。山開きの意味や富士山の開山期間のほか、登る際の注意点などをご紹介します。

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山開きとは?

登山愛好家にとって、「山開き」は待ち遠しい日。日本の国土は約7割が山や森林なので、山や登山に興味がなくても、ニュースなどで耳にすることが多い言葉ではないでしょうか。はじめに、山開きの由来について見ていきましょう。

山開き

山は「神聖な場所」とされていた

山は厳しい自然がある一方で、多くの恵みをもたらしてくれる場所でもあります。そして日本では、古くから「信仰の対象」として崇められてきました。なかでも神仏をまつった霊山はみだりに入ってはいけない神聖な場所だったため、昔は修験者や山伏など限られた人しか立ち入ることを許されませんでした。しかし、ほかの人も山に入って神仏を拝みたいと考えるようになり、一定期間のみ入山が許されるようになりました。

山開きの時期は、登山や山歩きに適したシーズンと重なってはいるものの、天候によっては入らない方がよい場合もあることを押さえておきましょう。

登山の安全を祈願

山開きの日に、山の神様を祀り、安全祈願の儀式をするところは少なくありません。登山者だけでなく、参拝者や山で働く人などのために安全祈願が行われています。山は豊かで癒やされる存在である一方、遭難や事故も起こる場所です。昔に比べれば、登山道が整備され楽に山登りができるようになったとはいえ、一歩間違えば危険なことが起こり得る場所になります。

山開きは山に入れるようになっただけでなく、山に登れるようになったお祝いと「登山中に危険なことが起きないように祈る日」ということを、覚えておきましょう。

山開きの時期は?

ほかの時期に比べて登山がしやすい時期に、山開きをするのが一般的です。「夏」「暖かくなってきたころ」と漠然としたイメージを持っている人も多いかもしれませんが、具体的にいつごろが山開きになるのでしょうか。

山開き

山によって異なる

3~7月ごろになると山開きが多くなりますが、スケジュールは山によって異なります。一般的に「夏山」と呼ばれる山は6~7月に山開きされますが、場所によって天候や気温などの環境が違うこともあり、時期はさまざまです。

通年登山できる山もあれば、一般人が立ち入れる期間を厳しく制限している山もあります。登りたい山がある場合は、山開きの時期をチェックしましょう。

期間外の登山は要注意

登山ができるシーズン以外は完全に道が閉ざされているというわけではなく、山開きの期間外でも入れる山もあります。「それなら、山開きはあまり関係ないのでは?」と思う人もいるかもしれません。

プロの登山家は、夏も冬も山に登っていることが珍しくありません。しかし、期間外は登山客を対象にした山小屋や売店などは閉まっていることがほとんどです。登山に慣れない人が、期間外の厳しい自然環境にある山に挑むのは困難でしょう。山の天候は変わりやすく、街中とは環境が全く異なります。シーズン期間外の登山は、危険と隣り合わせであることを押さえておきましょう。

富士山の山開き

日本を代表する山であり、日本だけでなく海外からも多くの登山客が訪れる富士山。「一度は登ってみたい」と思っている人も多いのではないでしょうか。富士山の山開きの時期や、安全に登るポイントなどを解説します。

山開き

ルートごとに開山時期が異なる

富士山には、登山口が異なる4つのルートが存在し、ルート上にある標識や看板などが色分けされています。登る際は利用するルートの色をよく覚えておきましょう。2022年の開山予定期間は以下の通りです。

・山梨県側の富士山北側から登る「吉田ルート」:7月1日~9月10日 (予定)
・静岡県側の富士山東側から登る「須走ルート」:7月10日~9月10日 (予定)
・静岡県側の富士山南東側から登る「御殿場ルート」:7月10日~9月10日 (予定)
・静岡県側の富士山南側から登る「富士宮ルート」:7月10日~9月10日 (予定)

期間外は通行止めになっている道もあるので、事前に情報をチェックしておきましょう。休憩所・案内所・公衆トイレなどの設備も、利用できる期間が決まっています。

参考:富士登山関連最新状況|登山の前に必ず知っておくこと|富士登山オフィシャルサイト

安全確保のための3つのルール

富士登山には安全確保のためのルールがあり、夏山期間以外は「万全な準備をしない登山者の登山禁止」とされています。冬の富士山は気象条件が厳しく、登山経験が豊富な人でも死亡事故を起こすほど危険な場所です。

山に入る前は「登山計画書」を作成し提出します。登山計画書は参加メンバーの連絡先・目的地・行動予定などを記したもののことで、事故や遭難したときに備えて提出しておく必要があります。

また、自然環境を守るため「排せつ物を持ち帰ること」も定められています。利用期間外に山へ行きたい場合は、携帯トイレを持参しましょう。開山期間中であれば、公衆トイレなどの設備が使えます。

富士登山するときの注意点

富士山は人気が高い場所だけに、登山シーズンの週末は大変混み合います。特に混雑する吉田ルートでは、七合目から山頂までの長い道のりが、大勢の人で埋め尽くされるでしょう。山頂で日の出を見たい場合は、夜間に長時間並ぶ覚悟が必要です。開山期間中の週末は山小屋の予約も取りづらく、混雑で休憩もままならないことがあります。

また、夏山でも夜間は零下まで冷え込むため、軽装での登山は危険です。防寒着や速乾性に優れた肌着などを、必ずそろえましょう。雨具・ヘッドライト・地図・行動食・水なども準備が必要です。

富士山は活火山でもあるので、ヘルメットやゴーグルで噴火への備えもしなければなりません。無理のない日程を組み、初心者は登山に慣れた人と一緒に登りましょう。

参考:夏山期間以外は、富士山山頂への登山道は通行止めとなっています|お知らせ|富士登山オフィシャルサイト

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監修/和文化研究家

三浦康子

古を紐解きながら今の暮らしを楽しむ方法をテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Web、講演などで提案しており、「行事育」提唱者としても注目されている。連載、レギュラー多数。All About「暮らしの歳時記」、私の根っこプロジェクト「暮らし歳時記」などを立ち上げ、大学で教鞭もとっている。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)ほか多数。

写真/Shutterstock.com

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