社内でよく聞こえてくるワード BEST3は「抓」「待命」そして「請假」
スケジュール通りにフライトを運行するために、航空会社や乗務員が日々どのような動きをしているかということを、前回と前々回、私の経験を交えながらご紹介しました。
飛行機の運行には必要最低限の乗務員数というものがあるため、もしその人数を確保できないようなことがあれば、運航に大きな影響が出る可能性もあります。
そのため、航空業界において「休む」という行為はとりわけ責任が大きく、私自身も急に休むことがないよう体調管理には十分に気をつけるようにしていました。
中国語で「請假 (Qǐng jià)」は「休みを取る」という意味
とはいえ、体調不良などでどうしても休まなければならないことも。そんなときには、会社に速やかに連絡をし「我想請假 (休みたいのですが…)」と休みの申請します。
中国語で「請假 (Qǐng jià)」は日本語と同様*、「休みを取る」という意味の言葉で、これは個人的理由で休むときに使う言葉。(*日本語では、請暇:せいか)
たとえば…
我今天要請一天假 (私今日1日休むわ)
她請假了 (彼女休んだの)
你要請什麼假了! (あなた何休むだなんていっちゃってるの!)
というような具合。
「請假 (Qǐng jià)」と「休假 (Xiū jià)」の違いは?
ちなみにイレギュラーではなく、規定通りに休む場合には「休假 (Xiū jià)」という言葉を使います。
なので、たとえば「欸 她今天不在嗎? (あれ、彼女今日いないの?)」という質問に対して「她請假了」という答えが返ってきたら「彼女、休んじゃったの」と急遽事情があり休むことになったという意味で、「她休假了」と返ってきたら「元々彼女休みよ」「彼女休暇中よ」ということになります。
急な休みの申請はフライトの運航にも影響を与える可能性があるほか、自分や他の人のスケジュールをガラリと変えてしまうことも多いため、乗務員同士の会話には常にスケジュールに関する話題がよく上がっていました。
そんなときに必ずといっていいほど使われる言葉が、「抓 (元々のスケジュールとは違うフライトに呼ばれる)」「待命 (スタンバイする)」「請假 (休む)」の3つ。中国語がまだまだ拙かった新人時代に、どんな言葉よりも早く覚えた言葉たちなのです。
【続】
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ライター
有田 千幸
外資系航空会社のCA、建築設計事務所の秘書・広報を経て美容ライターに。ニュージーランド・台湾在住経験がある日・英・中の トリリンガル。環境を意識したシンプルな暮らしを心がけている。プライベートでは一児の母。ワインエキスパート。薬膳コーディネーター。@chiyuki_arita_official