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LIFESTYLE 子育ての悩み

2021.06.30

あなたならどう答える?「ママパパ〜、セックスしたら赤ちゃんできるの?」【助産師監修】

 

大阪・茨木市のフィットネススタジオ「スタジオK」で開催された、親子で一緒に学ぶ性教育クラス「いのちのお話」。今回、スピーカーを務めた助産師の徳留良奈さんに、一児の母でありライターの有田千幸が取材をしました。シリーズ第8回は「子どもの質問への答え方」について。

Text:
有田 千幸

ケーススタディで学ぶ、子どもからのハッとする質問への答え方

前回の記事では「子どもにも知って欲しいジェンダーアイデンティティ」について、助産師SUNAこと、砂川梨沙さんに話を伺いました。

シリーズ最終話の第8回となる今回は「セックスしたら赤ちゃんできるの? 子どもの質問への答え方」について、砂川梨沙さんと一緒に性教育クラス「いのちのお話」のスピーカーを務めた、助産師の徳留良奈さんにお話を伺います。


▲ 徳留 良奈  <とくとめ はるな> さん  (助産師)
周産期母子医療センター、総合病院、産科クリニックでの勤務経験を経て、助産院などで勤務。幸せに気づける素直な心と体づくりを軸に女性と子ども、家族の幸せに貢献するために活動中。性教育クラス「いのちのお話」では、主に幼稚園生〜小学校低学年向けの内容を担当。

鉄則は「ごまかさない・怒らない・嘘をつかない」

有田千幸 (以下、有田): ここまで性についてさまざまな角度から話を伺ってきましたが、きちんと今日から実践できるか、まだ不安な部分も多いというのが正直なところです。

徳留良奈さん (以下、徳留): そうですよね、それはきっと多くのママやパパが同じなのではないでしょうか。子どもたちが一度話を聞いただけでは完全に理解するのは難しいという話を砂川さんもしていましたが、それは大人にもいえること。実際、性教育のクラスに何度も参加するママパパも少なくないんですよ。

「いのちのお話」の後半では、いつもディスカッションの時間を設け、その中でケーススタディを行います。たとえばこのようなケースがあります。

夕方、いつものように仕事から帰ってきて、お迎えに行った後、急いで晩ご飯の準備をしています。「今日は何にしようかな…」と冷蔵庫を開けてガサガサと野菜を選んでいたら、子どもがタッタッタとやってきていいました。
「ママ〜、セックスしたら赤ちゃんできるの?」
さて、あなたならどう答えますか? 答えを下からひとつ選んでください。

1. 「うーん、どうかなぁ?」
2. 「そんなこと言ったらだめ! なんてことを!」
3. 「ちがうちがう、赤ちゃんは神様にお願いするとできるのよ」
4. 「そうだよ。どこで教えてもらったの?」

有田: こ、これは… 4. の「そうだよ。どこで教えてもらったの?」でしょうか。

徳留: はい、正解です。「うーん、どうかなぁ?」といってごまかしたり、「そんなこと言ったらだめ」といって怒ったり、「赤ちゃんは神様にお願いするとできるのよ」といって嘘をついたりすることは、戸惑いの原因を増やしてしまうことに繋がり兼ねません。性のことに関して、何も伝えていけないことはないんです。

質問にきちんと答え認めてあげると、子どもは「何を聞いてもいいんだ」「怒られないんだ」「認めてくれた」と安心し、相手のことを信頼します。たとえ子どもが言ったことが多少医学的に間違っていたとしても、それは今の段階ではあまり気にしなくてもいいんです。大切なのは子どもとの信頼関係を築いていくということ。今は単純に性の質問に答えるということだけのことですが、これは思春期以降、たとえば「妊娠したかもしれない」や「妊娠させてしまったかもしれない」などというシチュエーションに万が一遭遇することがあったときに、きっと生きてくると思います。

その場でうまく答えられないときには、ひと息置く

徳留: とはいえ、やはりその場で答えが見つからないことだって、きっとあると思います。そんなときには、たとえば「いい質問だね」や「なんで知りたいと思った?」など、まずは否定だけはせずに受け止めてあげるようにしましょう。子どもは大人が想像するような回答は求めてないことも多くて、純粋に日々の出来事の中で疑問に思ったことを口に出しているだけ、ということも多いんです。「勉強してから答えてもいい?」や「一緒に調べてみようか」とクールダウンの時間を取るのもいいかもしれませんね。

有田: なるほど。聞かれたとき、すぐに正しい答えを伝えなければいけないというわけではないんですね。

徳留: はい。ただしもし「勉強してから答える」や「一緒に調べよう」といった場合には、あとできちんとその時間を取ることがとても大切。子どもの興味というのはすぐに流れていってしまいます。せっかくの正しい知識を得るチャンスを失ってしまわないように、「昨日のことだけどね」や「この前、赤ちゃんがどうやったらできるか聞いてきてくれたじゃない?」と、できるだけ早く答えてあげるようにしたいですね。

今は “おうち性教育” や “学校では教えてくれないこと” というような内容の、性に関する本が多く出版されています。助産師や性教育を行なっている人と知り合う機会はなかなかないかもしれませんし、回答の参考や子どもに話すきっかけづくりとして、このような本を活用するのもおすすめです。

▲ 本を選ぶ基準は、「こういうの好きそう」「絵が可愛い」「自分が声に出して読みやすそう」などでOK。

▲ 一冊あると役立つ、“おうち性教育” をテーマにした書籍。

有田: 私たちの世代が子どもだったころに比べ、専門的な情報の量が増えたことでアクセスはしやすくなったといえそうですね。何が正しいのかということをしっかりと知った上で自分の考えをもつことは、性教育だけに限らずさまざまなことに共通して要だということをあらためて知るきっかけとなりました。

イラスト/Mai Kaneya

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ライター

有田 千幸

外資系航空会社のCA、建築設計事務所の秘書・広報を経て美容ライターに。ニュージーランド・台湾在住経験がある日・英・中の トリリンガル。環境を意識したシンプルな暮らしを心がけている。プライベートでは一児の母。ワインエキスパート。薬膳コーディネーター。@chiyuki_arita_official

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