世界と日本で〝お留守番〟事情は変わる!?
アメリカは12歳未満(州により異なる)、フランスは14歳未満、オーストラリアは12歳未満の子どもは、ひとりにさせてはいけないという法律やルールがあります。日本からするとビックリなルールですが、逆に決まりがないからこそ「お留守番」について悩むことも。スクールカウンセラーとしても活動している、臨床心理士・吉田美智子さんに「お留守番をさせてもいい時期の見極め方」をお聞きしました。
実は、〝お留守番を嫌がる子〟より〝お留守番が平気な子〟に注意
「日本では特に決まりはありませんが、就学前はひとりにしない、小学校に入ったら少しずつ様子を見て、というご家庭が多いようですね。小学生になると、お留守番をさせる・させない?いつから?どのくらいの時間ならいいの?注意点は?など、悩まれるのではないかと思います。
心理学的側面から言わせていただくと、子どもの性格や成長を見極めて、少しずつやってみるのがおすすめです。怖がり・不安の強い子はひとりでのお留守番を嫌がるかもしれません。その場合は、年齢に関わらず、お留守番を無理強いすることはNGです。コンビニやスーパーへちょっと行くだけでもお留守番を嫌がると思います。しかし、徐々にそのちょっとのために家から出るのが面倒・自分が今夢中でやってる作業を止められたくないという気持ちが勝って、『それならお留守番する』という気持ちが芽生えるはずです。
一方で、お留守番は平気(むしろ自由で楽しい)という子もいます。実はこのタイプのほうが親は心配だったりします。本人の気持ちの面は大丈夫ですが、その分、行動面でハメを外してしまったりする不安があります。包丁など危ないものはしまう、窓の鍵はすべてかけるなど、ありとあらゆる危険性を考えて備える必要がありますよね。この両面から、うちの子はどのくらいなら大丈夫かな?と検討してください」
小学校低学年までは、長時間のお留守番は避けて
「本人の気持ちに関わらず、仕事などの都合でどうしてもお留守番させないといけないときがあるかもしれません。低学年の間は学童が用意されているように、おうちでも低学年までは長時間ひとりにしないよう努めて欲しいなと思います。
突然のお熱なども考え、病児保育やシッターさん、自治体によっては、ファミリーサポートやシルバーサポートなど、助け合いサポートの仕組みがあります。普段からお世話になる人を見つけておいてください。
子どもによっては、親の事情を理解して『嫌だ』と言わない子もいます。大人にとって〝たった1時間〟のお留守番だったとしても、子どもからすると1時間が何時間にも感じるはずです。本人が〝 OKしたから〟と甘く考えず、最善の策を用意してあげられるといいですね」
取材・文/福島孝代
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臨床心理士
吉田美智子
東京・青山のカウンセリングルーム「はこにわサロン東京」主宰。自分らく生きる、働く、子育てするを応援中。オンラインや電話でのご相談も受け付けております。
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