コロナの影響もあり、痩せたい子どもは増加傾向!
小学生のうちはご飯もお菓子も好きなだけ食べ、スタイルを気にするのは中学生になってからと思っていませんか? 「実は小学生の3人に1人は痩せたい願望があるという調査結果があります」と話すのは、スクールカウンセラーでもある、臨床心理士・吉田美智子さん。痩せたいと思う我が子と、どう接すれば良いのかお話を伺いました。
子どもに「痩せたい」と言われたらどうする?
「コロナ太りは大人だけの問題ではなく、実際に運動の場が減った子どもたちにも起っている現象です。国立星育医療研究センターの調べ(出典:コロナ×こどもアンケート第5回調査報告書 (ncchd.go.jp))によると、小学生の子どもの3人に1人は〝太っている〟と感じ〝痩せたい〟と思っているそう。
万が一、我が子に『痩せたい』と言われたら、否定しないでください。親の立場からすると、『全然太ってないよ』『成長期なんだからそのくらい大丈夫』なんて言いがちですが、この時期は痩せたい以外にもファッションやスキンケアなどにも興味を持ち始めているはずです。
まずは本人の気持ちを受け止め、どうなりたいのか相談に乗ってみましょう。子どもが描く理想像が、必ずしもダイエットで手に入るものとは限りません。洋服の選び方や髪型で解決する場合もありますから」
食事を減らし始めたらどうする?
「痩せたい=食事制限になりやすいですが、成長期の子どもにダイエットはして欲しくないですよね。『ちゃんと食べなさい』と痩せることに強く否定の言葉をかけてしまうと、隠れて減らすようになったり、反発して親子関係が悪化することも。必要な栄養素、太りにくい食材・調理法など一緒に研究してみましょう。子どもひとりで悩みを抱えたままだと、間違った情報を信じてしまったり、体を壊しかねません」
摂食障害かも!?と感じたら
「食事を摂れなくなる拒食症や、過食や過食嘔吐を繰り返す過食症については、お聞きになったことがあるかと思います。これらは、食事にまつわる病なのですが、背後に〝自分のことを肯定できない気持ち〟があると考えられます。【食欲や体重をストイックにコントロールすることで自分を肯定しよう】とするのが拒食症、【自分を肯定できなくて不安な気持ちを打ち消すために食べる・体重増加をコントロールするために吐く】が過食症です。
ですから、子どもの食事の様子に心配があるときに『そんなことしちゃダメ』と叱ってしまうと、子どもをますます追い込むことになります。人間は、そもそも不完全なものです。〝今のあなたでも大丈夫、大好きだよ〟という親のメッセージを伝えていきましょう。また、日常生活に支障をきたすような場合や、極端な体重減少や増加が生じたときは、必ず専門機関を受診してください」
子どもの痩せたい気持ちに寄り添いつつも、食事制限することなくストレッチや入浴法など、健康的な形で理想のボディラインを叶えてあげられるといいですね。
取材・文/福島孝代
あわせて読みたい
▶︎【小学生女子のマウンティング】我が子がされていたら?していたら?…さて親はどうする?
▶︎言い返してくる娘を〝生意気〟と感じてしまう…前思春期の娘とどう付き合う?
臨床心理士
吉田美智子
東京・青山のカウンセリングルーム「はこにわサロン東京」主宰。自分らしく生きる、働く、子育てするを応援中。オンラインや電話でのご相談も受け付けております。
HP
Twitter: @hakoniwasalon