「依頼」の意味は「人に要件を頼むこと」
辞書によると、依頼の意味は「他の人に物事を頼み、まかせること」「特定の物事をしてもらうように頼むこと」を表します。たとえば「モーニングコールを依頼した」「依頼を引き受けた」というような使い方です。また依頼は「頼みごと」という意味のほかに、「他人を当てにすること」という意味も持ちます。他人を頼ったり、当てにしたりする人に対して、「あの人は依頼心が強いようだ」といったように使われます。なお、品詞は名詞です。
「依頼」の使い方・例文
依頼という言葉は「仕事の依頼が入った」「あなたにぜひ依頼をしたい」のように使います。丁寧な言い方をする際には、依頼の前に接頭辞である「ご」をつけて「ご依頼」という表現に変え、「ご依頼いただき、ありがとうございました」のように使うといいでしょう。動詞として使う場合にはサ行変格活用を使い、「依頼する」というように表現します。たとえば、「編集を依頼する」といった使い方をします。
「依頼」の類語は「要望」や「申し入れ」など
依頼の類語には、「要望」「要請」「申し入れ」があります。そのほかにも、「申し出」「頼む」「求め」「お願い」「要求」など、文章にあわせていろいろな言い回しに変えることが可能です。
言葉による依頼をおこなう際には、「要望」「要請」「申し入れ」「申し出」「懇請」「申請」などで言い換えます。
相手に何かをするよう頼む際には、「要望」「要請」「頼む」「求め」。
信用して任せる、というニュアンスを入れる際には、「信任」「任せる」「委任」を使うといいでしょう。
「依頼」を使う際の3つの注意点
依頼という言葉を使う際には、3つの注意点があります。それらの注意点は下記の通りです。
1.「ご依頼」は敬語ではない
2.「ご依頼させていただきます」は二重敬語
3.言い換えの際は「ご」をつけられるか注意する
このように、とくに丁寧な表現にしたい場合には、気を付けておきたい点があります。3つの注意点を詳しくチェックしていきましょう。
1.「ご依頼」は敬語ではない
依頼を使う際の1つ目の注意点は、「ご依頼」は敬語表現ではないことです。「ご依頼」は丁寧表現の接頭辞である「ご」がついていることで、目上の人に対しても使える表現になります。しかし、「ご依頼」を使うだけでは敬語にならないため、注意しましょう。
「ご依頼する」「ご依頼した」などと動詞を繋げたり、同じ文中にある他の部分を敬語表現に変えたりすることによって、尊敬語・謙譲語・丁寧語としての働きをします。たとえば、「依頼してもらう」を丁寧に表現するのであれば、「ご依頼いただく」となります。
正しい例文:お見積りをご依頼いただきありがとうございました。
2.「ご依頼させていただきます」は二重敬語
依頼を使う際の2つ目の注意点は、「ご依頼させていただきます」は二重敬語になってしまう、ということです。
「ご依頼する」とは、自分が依頼するという行為についての謙譲表現なのですが、「させていただく」との表現も自分をへりくだる謙譲語であるため、「ご依頼させていただきます」は敬語を二重で使ってしまっていることになるのです。「する」の謙譲語である「いたす」を使って表現しましょう。
正しい例文:後ほど正式にご依頼いたします。
3.言い換えの際は「ご」を付けられるか注意する
依頼を使う際の3つ目の注意点は、言い換えをしたいときに「ご」や「お」を付けられるか注意することです。先述したとおり、依頼を言い換えられる言葉は複数あります。「お願い」や「お伺い」といった、もともと丁寧な接頭辞がついているものもありますが、「要求」など「ご」や「お」を付けられない類語もあるため、敬語表現として言い換えたい際には注意しましょう。
「依頼」の意味を確認して正しく使用しよう!
依頼とは「他の人に頼むこと」などの意味として使われる言葉です。接頭辞「ご」をつけることで目上の人に対しても使える丁寧な表現ですが、二重敬語にならないように気をつけましょう。また、言い換え表現としては、「要望」「お願い」などがあげられます。依頼の類語表現や使う際の注意点を覚えて、正しい日本語を使えるようになりましょう。
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