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2018.04.17

実は身近に潜んでいる、最も利回りのいい投資【飯田泰之 半径3メートルからの経済学】

 

アラフォー世代に刺さる経済、社会、働き方などについて、経済学者・飯田泰之さんがわかりやすく語ります!

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年1億円の株式投資に匹敵!? 最大の財産を、最高の財産に

労働者は体が資本ですから……といいつつ「資本」っていったい何なのでしょう。 経済学では、所得・収入といった「何かよいモノ」を継続的に生み出し続けてくれる財産を資本と呼びます。ちなみに、直接的な金銭収入をもたらさない「自宅」も立派な資本です。「家賃を払わずに住むところが確保できる」という便益を継続的にもたらしてくれるわけですからね。

株式や不動産、さらには海外への投資より魅力的な投資案件って?

特別な資産家を除くと、自分に継続的に何かを生み出す「源」は自分自身でしょう。自分こそが最大の資本・財産ということは、それを最高のものにすることこそが、幸福への最大の近道ということ……このように考えると、お金の使い途もちょっと変わってくるのではないでしょうか。 低金利が続いていることもあり、株式や不動産、さらには海外への投資をすすめる記事を目にすることも多くなっています。銀行に預金してもほとんど利子がつかない状態で、一部上場企業の株の利回りは1・7%と一見魅力的です。 しかし、利回り1・7%ということは、1000万円投資しても年に17万円程度しか得しないということ。何億もの資産があるならさておき、多くの人にとって十分に魅力的な案件ではないかもしれません。それよりも、もっと魅力的な投資案件がある――それは自分自身への投資です。

何かよいモノを、継続的に生み出し続けてくれるコトが重要

このように筆を進めると、よくある「自分磨きのすすめ」のように感じられるかもしれません。資格取得のようないかにもなものからファッションや化粧品・エステまで、自分磨きは収益率が高い投資であることは確か。しかし、ここでおすすめしたいのはそのような直接的な投資ではありません。 ここで、「自宅も立派な資本である」という先ほどの説明を思い出してください。目に見える金銭的な利得がなくとも、何かよいモノを継続的に生み出し続けてくれるコトが重要なのです。「何かよいモノ」を「自分自身が楽しめる何か」と言い換えるならば、交友関係、趣味ほどお得な資本はないのではないでしょうか。

私の知人には、フリマで(少なくとも私にはゴミにしか見えない)ガラクタを買うこと、お気に入りの俳優が出演する映画やドラマを(たとえそれが端役であっても)くまなくチェックすることを趣味にしている人がいます。彼・彼女はその趣味によって、17万円かかる海外旅行に行くよりは大きな喜びを得ているように感じます。没頭できる趣味を持つことの利回りはなかなかに高いのです。 さらに、英国の研究では仲のよい友達と頻繁に会えることによる幸福度の上昇は、年間1000万円の所得増に相当するという研究もあります。すると、しょっちゅう会える仲よしの友達をつくることは1億円の株式投資に匹敵するということになるかもしれません。 自分自身という最大の財産を、最高の利回りのある財産にする方法は、意外と身近なところにあるのです。

これからの地域再生/¥1,600 晶文社人口減少が避けられない日本にとって、すべてのエリアでの人口増加は不可能。中規模都市の繁盛が、日本経済を活性化させ、未来を救う!

経済学者

飯田泰之

1975年生まれ。エコノミスト、明治大学政治経済学部准教授、シノドスマネージング・ディレクター、内閣府規制改革推進会議委員。東京大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。わかりやすい解説で、報道番組のコメンテーターとしても活躍。

Domani3月号 新Domaniジャーナル「半径3メートルからの経済学」 より
本誌取材時スタッフ:構成/佐藤久美子

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