【真彩希帆×生田大和スペシャル対談 vol.1】『ドン・ジュアン』のテーマは「愛が呪い」 | Domani - Part 2

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2021.10.02

【真彩希帆×生田大和スペシャル対談 vol.1】『ドン・ジュアン』のテーマは「愛が呪い」

Kis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔さん主演のミュージカル『ドン・ジュアン』。再演となる今作品に、元雪組トップ娘役の真彩希帆さんの出演が決定。在団中からのつきあいとなる演出の生田大和さん(宝塚歌劇団所属)と、作品の魅力について語っていただきました。

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「石」はマリアの心の象徴? 恋愛的要素と歌が増えた新たなマリアの姿に注目

今回『ドン・ジュアン』初挑戦となる真彩さんが演じるのは、彫刻家という仕事に打ち込むマリア。ラファエルという婚約者がいながら、悪徳のかぎりを尽くすドン・ジュアンを愛してしまう女性です。おふたりが思う“マリア”とは?


▲デニムの着こなしで揃えてきてくださったおふたり。お稽古が中盤にさしかかったあたりの日程でインタビュー。

真彩:先日(生田)先生が、「マリアは自分の心に正直に生きたい人間だよね」というお話をしてくださって、なるほどと思いました。真彩希帆も、何か起こることに対して心の赴くまま、素直に何かを求めたい人間なのでマリアと通じるかもしれません。

生田:マリアは難しい役なんですよ。フランスのオリジナル版には人格が描かれていないから……この人に、どんな人格を与えようかと思った時に、カギになるのは彫刻家ということ。クリエイターや芸術家は作品を作り出す人間であると同時に、その作品の中にある“答え”を求めている。その“答え”が見えてくるのを待つのか、“答え”に近づくために自分が進むのかは役作り次第かなと思うけれど、“答え”をはっきりと求めているような人なのかな…というのが僕の思うマリア像。

真彩:石像を彫っていくことは、その石像自体が自分の心と向き合って対話することだっておっしゃっていましたよね。それを聞いた時に思ったんです。石を彫っても「ずっと待っているのに、この子(石像)は黙り込んでいる」というのはラファエルとの関係だったり、もがいているだけの自分だったりという何も見えていない状況の時。

その中でドン・ジュアンと出会って、今までいちばん大事だった石を彫ること以上にのめり込めるもの=愛、そしてその愛の大切さに気づいてしまうから、最終的に石が彫れないというか、彫らないで終わるじゃないですか。自分が何かをすることはとても大切で、これからもずっと大切だけど、それと同じかそれ以上にこの人と過ごす時間もかけがえのないもの…と彼と出会うことで気づくと解釈していました。

生田:そのとおりだと思いますよ。宝塚版では、自分で作った石像を自分の手で破壊することで大きなインパクトを残しました。その後、もう一度解釈し直して思ったのが、マリアはすごくメタファー的な存在だということ。キリスト教的に考えると聖母マリアと同じ名前を持っていて、彼女が向き合っている“石”は日本語の響きで言えば、“石=意思”になる。だから外部版で舞台上に存在している未完成の石像は、答えが出せていないマリアの心の象徴として見せたいなと。彼女は自分の心や生き方、愛のあり方などいろんなものが「本当にこれでいいのかな」と宙ぶらりんな状態に陥っているから石像も完成させられずにいる。

実は宝塚版を作った時は、現代に生きている女性のお客さまに、マリアという人に共感してほしいという意図があったんです。職業を持った女性が今の彼からはその仕事をやや否定されてしまっているところに、自由で自分の仕事を認めてくれる別の彼が現れる…という設定を書き加えたんですね。外部で想定されるお客さまはタカラヅカとはやや違うかなと思ったので、もう少し恋愛要素というか、まだ未完成で何かを求めているという役割をマリアにちょっと振りました。

真彩:今回はラファエル(=婚約者)に、(仕事に関して)セリフ上ではまったく否定されないですもんね。周りの人からも祝福されているし。

生田:そう。ラファエルに対してあんまり不満に思うようなことなくない?という状況であるにもかかわらず、ドン・ジュアンと出会った時に自分の心が求めていたものがはっきりわかる。

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