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LIFESTYLE インタビュー

2021.10.02

【真彩希帆×生田大和スペシャル対談 vol.1】『ドン・ジュアン』のテーマは「愛が呪い」

 

なんと、真彩さんでもそんなことが!? フレンチミュージカル特有の歌い方に苦戦中

スペインが舞台の『ドン・ジュアン』はフラメンコをベースにしたもの以外にも、素晴らしい楽曲がたくさん。タカラヅカ随一の歌姫であった真彩さんがどう歌うのかということにも注目が集まります。

生田:曲はどうですか、難しいですか?

真彩:ええ、難しいですよー。

生田:フレンチミュージカルは初めて?

真彩:メインでやるのは初めてです。アンサンブルというか、『ロミジュリ』のカゲコーラスとかはありますけど。フランス語を日本語にしているのも難しいですし、音楽はむちゃくちゃキレイだけど何がどうなってこういう構成になっているのかというのがハテナ???なことが多いです。

生田:基本はポップスの作りなんですよ。Aメロ、Bメロ、サビの中にたまにCメロが重なる…みたいな。

真彩:ミュージカルのだいたいの曲は「あ、ここがいちばんの盛り上がりだな」というのがわかりやすいですよね。最初は小さなところからジワジワきて最後大きく盛り上がって終わる、みたいな。でも今回は「あれ? どこがサビ? もう一回盛り上がっちゃったんだけど!?」みたいな(笑)。最後にウワーッて終わる時もあれば、シュンとなる時もあるし、歌っていて結構難しい。そして新鮮です、とっても。あとは、自分的に、音域がタカラヅカの時よりもわりと低いので難しいですね。今までのマリア役の人がやってきた音域ですが、自分の中ではなかなか使わない音なので。それから、尺が増えた曲もあって。

生田:尺が増えただけじゃなくて、今までその部分のメロディーを使っていなかったんですよ。

真彩:だから『ドン・ジュアン』を知っていらっしゃる方は「この曲はなんだろう?」と思われるかもしれません。お楽しみにという感じですね。

生田:歌詞も全部直しちゃった。真彩マリア用になっています。

真彩:お、期待されてる?

生田:うん、期待してる(笑)。

真彩:あはは(笑)。難しいけどいい曲ばっかりですよね。キレイというか、なんだか印象的です。

生田:キレイだね。曲単体でも切り取れるところがフレンチミュージカルというか。

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真彩:だからポップスっぽいんですね! 曲の魅力がとても大きくて、そこにストーリーを融合させるのが難しいなぁと思いました。

生田:物語性というか、場面の中の感情の動きみたいなものを音楽が作ってくれるわけじゃないところが難しいよね。1サビでワーッていっちゃうと、そのあとなぜか少し落ち着いてしまう。気持ち的には落ち着いていないはずなのに。

真彩:そう! 「あれ?、なんでここで落ち着くのよ!」みたいな。「いやいや、音楽的にはこれからもう一段階盛り上がるでしょ」って。…それでちょっと強行してしまうから、「(歌が)途切れてるよ」と注意を受けるんです。ワーッて歌った後にもう一度歌ったら、その間がブツ切れちゃうんですよね。

生田:例えば感情を一度楽器に渡して、そしてまた楽器から受け取るようにしたらつながるかなって、ね。

真彩:それって新しいですよね。私はやっぱり、バックに流れている音楽に自分の心や声を委ねて曲を作っていくという考えなんですよ。伴奏を聴くのが大好きで。

生田:どちらかというと乗っかるのが得意だよね、たぶん。

真彩:はい、乗っかるほうが好きですね。自分の歌を楽器に渡すって、なかなか難しい。しかも曲は録音だからさらに難しいなと思います。

生田:うん、そこにお互いの呼吸があるわけじゃないからね。

真彩:そこにある音に対して、自分がいつもどう持っていくかということだと思うので、なかなか時間がかかっていますね。初めての試みという感じ。

生田:そうだよね、だっていつも同じところに持っていけるかわからないもんね。

真彩:そうなんです。例えばお芝居を「こうやろう」と決めても、そこにいけるかわからないから。でも、常に自分の心がちゃんと流れて、その曲と自分の感情が同じベクトルで生きるように持っていけたら、お客さまには伝わるんじゃないかと思っていますが…難しいです。すごい緻密ですよね。勉強みたいだなって思います。

生田:(記事を読んでいる人には)ちょっとマニアックな話かもしれないですね。でも、少なくとも歌うだけでは勝手にそのレベルには持っていけないですよね。

真彩:とっても考えています。

生田:一行ずつくらいの細かさでやっていく感じですよね。

真彩:歌もお芝居も、「…その心は?」みたいに考えます。自分がこう感じたからこう言葉に出ました、ということが納得できるまで。自分の心がちゃんと動くようになるまでは、考えますね。客観的に見て計算するということではないですが。自分の役についても作品についても、すごく考えます。特に『ドン・ジュアン』のような作品は考えて取り組まないと、「何がなんだったの?」とお客さまがよくわからないまま終わってしまう可能性があると感じるので。

生田:感情の現在地みたいなところを、ひとつひとつ丁寧に見せていかないといけない。あと、行間がとても多い作品なので、この場面と場面の間に何があったのかということを。例えばドン・ジュアンとマリアの距離感がどうなったのかというようなことはビジュアルで見えると思いますが、それがひょっとしたら声や音の中でも見せられるかもしれない。真彩ちゃんはとても情報量の多い声の持ち主なので、それにどれだけの“ギガ”の情報を載せることができるかをチャレンジしたいですね。

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