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春原:それにしても、雲の上のような対談取材だったね。
淡路:作る過程の裏側の話が聞けたのはうれしかったね。フレンチミュージカルはポップス的なつくりだから、歌い上げてさぁもう一度、ってやると途切れちゃう。だから声を一度楽器にあずけるという話。
春原:そのしくみというか狙いはわかるけれど、できるかと言ったらもちろん私たちはできない。きいちゃんは難しいと言いつつ、これからきっとモノにしていくんだろうな。
淡路:そこまで緻密に計算して私たちに届けてくれるところに感動するよ。きいちゃんみたいに先生の言葉を咀嚼して、自分のものにしようともがき、そして実際にできる人はきっとひと握りで、だからこそ今の人気や評価があるのかなと思って。
春原:同じことをするのでも道筋が違う人もいるのだとは思うよ。感覚的にできちゃう人も、もしかしたらいるかもしれない。でもきいちゃんはそう(本能でできると)見せておいて、ものすごく考えているんだね。
淡路:その努力を見せないようにして、素晴らしい完成形を私たちに見せてくれているところにまた感動するよね。
春原:生田先生が、「マリアが仕事に打ち込むことを快く思わないラファエルとそれを察してモヤモヤするマリア、そこに自分の仕事に理解を持ってくれるドン・ジュアンが現れるっていう、“マリア=キャリアウーマン”みたいな宝塚版の設定は、タカラヅカファンの客層を考えて作った」って言っていたじゃない? 私が感じていたタカラヅカファンの印象とちょっと異なるから意外だったの。
淡路:外部版の方が恋愛要素が強いって言っていたよね。私も最初は春原さんみたいに思ったんだけど、タカラヅカファンは圧倒的に女性が多いぶん多様性もあって、そういう人も相対的に多くなるのかなって勝手に解釈したんだけど。
春原:なるほど。それと、原作がある話をそんなに変えていいんだな、とも思ったんだよね。「時代が変わったからこういう流れにした」と言っていたし。
淡路:原作をトレースするわけじゃないんだろうね。言葉ひとつで受ける印象って全然違うじゃない? 日本語から日本語へ言い換えるより、フランス語から日本語にする方が表現の幅も広がるのかなと。音楽も楽しみだね! 宝塚版を観た時は曲がポップスのつくりと意識して聴いていなかったから、それを考えて聴いたらどう感じるんだろうね?
春原:マリアの曲も増えるし、もともと使われている曲も長くなるということだったし。
淡路:期待が高まるね! あとね、お稽古場で、みんなあだ名で呼び合っているって聞いてほっこりしたよ。
春原:“体幹部”とか、仲のいい感じが伝わってくるね。生田先生、「自慢のカンパニー」って言っていたし。それにしてもその体幹部に参加している生田先生、面白すぎる〜(笑)。ふと「この先もし生田先生と山崎育三郎さんがお仕事することがあったら、Wいくちゃんじゃん!」って一瞬思ったけど、育三郎さんは「いっくん」だわ。棲み分けできるね(笑)。