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2024.04.06

おせちの定番「鯑」とはなんて読む? 由来や種類、美味しい調理法を紹介

「魚へん」の漢字であることからわかるように、魚にゆかりのある言葉です。ヒントはある魚の子ども(卵)の呼び名。では、「鯑」の意味や読み方を説明しましょう。

「鯑」の意味や読み方とは?

「鯑」という漢字、正しく読むことはできますか?その意味と読み方についてご紹介します。

意味と読み方について

「鯑」は「かずのこ」と読みます。魚の「鰊(にしん)」の卵を乾燥・塩づけしたもの。 一般的にスーパーや百貨店などでは「数の子」と表記されていることが多いですが、このような感じもあるのです。

由来は?

「鯑」にはその呼び名の由来と古くからの縁起物として使われる風習があります。例えば、辞書には「数の子」として、意味と由来が次の通り説明されています。

かず‐の‐こ【数の子】《「かど(鰊)のこ」の音変化から》ニシンの卵巣を塩漬けにしたり乾燥させたりした食品。「数の多い子」と子孫繁栄の意にとって、新年・婚礼などの祝儀に用いる。(小学館『デジタル大辞泉』より)

「鯑」の親である「鰊(にしん)」は、昔は「かど」と呼ばれていました。つまり「鯑」の親である「鰊(かど)」の子(=かどのこ)が変化して、「かずのこ(数の子)」と呼ばれるようになったようです。

おせち料理に「鯑」が使われるのはなぜ?

おせち料理は、おめでたい意味やいわれが込められた食材が使われます。鯑は、子孫繁栄や子宝の象徴とされる、縁起物の一品。理由は鰊は卵の数が多いこと。また、親の鰊を「二親(にしん)」と当て字にすることで、「二人の親」から元気な子が生まれて、代々子孫が栄えるようにという願いを込めているといわれています。

おせち

「鰊(にしん)」とはどんな魚?

「鯑」の生みの親、「鰊(にしん)」とは、一体どんな魚なのか、説明しましょう。実は案外、身近な魚なので、食べたことがある人も多いのでは?

にしん

「鰊」の特徴は?

「鰊」は、ニシン目ニシン科の海水魚です。全長30センチほど。体は長く、マイワシに似ていますが、マイワシと違い体の側面に黒い点がありません。北太平洋に広く分布し、沖合を回遊し、春季に産卵のために群れをなして接岸します。かどいわし、春告魚(はるつげうお)と呼ばれることもあります。

年末に食べる「鰊そば」とは?

鯑はお正月に食べることが多いですが、その親である鰊をよく目にするのは、お蕎麦屋さんの「鰊そば(にしんそば)」です。あたたかい出汁のお蕎麦の上に、甘露煮の「身欠き鰊(みがきにしん)」の棒煮がのった美味しい一品。ホロホロとした食感で食べやすいのも魅力です。最近のお蕎麦屋さんでは年中メニューになっていることも多いようですが、年末の寒い時期は「鰊そば」をついつい食べたくなります。

にしんそば

「鯑」の種類とは?

スーパーや百貨店などで手に入れやすい鯑の種類は、主に2種類。「塩数の子」と「味付け数の子」と書かれているものです。この2つは保存方法の違いです。食感と味にそれぞれ違う特徴があるので、機会があれば比べてみては?

コリコリとした食感が魅力の「塩数の子」

スーパーなどで見かける鯑の多くは「塩数の子」です。「鯑」のおいしさはコリコリとした食感と卵の旨味です。しかし鯑は冷凍すると食感が柔らかくなってしまうので、本来の食感を長期保存できるよう「塩漬け」された「塩数の子」が多く生産されています。日本には、主にアメリカやカナダから輸入された鯑が、北海道の留萌地区などで加工されて市場に出ます。必ず「塩抜き」して食べる必要がありますが、はじけるような食感がたまりません!

塩抜きしなくていい「味付け数の子」

「味付け数の子」は調味液などに漬けられた鯑です。卵の中に味がしみ込んでいて、塩抜きは必要ないのが利点です。しかし、「塩数の子」のようなはじけるような歯ごたえは少ないかも。東カナダの大西洋等で獲れた鯑が味付けと冷凍されて日本に輸入されることが多く、「塩数の子」に比べると、少しリーズナブルなことが多いようです。

美味しい「鯑」の選び方や調理法

コリコリとした食感、魚卵の旨味で独特の魅力がある「鯑」。高級品の贅沢さを味わいつくすためにも、上手な選び方と調理方法を覚えておきましょう。

上手な「鯑」選びのポイント

鯑を選ぶポイントは2つ。見分け方は簡単なので、ぜひとも覚えて上手に選んでくださいね。

かずのこ

薄皮がついているものを選ぶ

鯑の多くは、塩漬けにされた「塩数の子」です。通常、「鯑」は薄皮がついたまま塩漬けにされるので、表面に糸のような白いものがついています。よく見るとすぐにわかりますよ。一方、よく見ても薄皮がついていない鯑もあります。塩漬けにされた鯑が、水に漬けて塩抜きされたものです。手間いらずで便利に思えても、残念なのは鮮度が落ちていること。独特の歯応えと旨味を楽しみたいなら、薄皮がついていて塩抜きされていない鯑がおすすめです。

黄色いものを選ぶ

本来の鯑の色は深みのある黄色。ですが、見た目の上品さを重視して過度に漂白された「鯑」が出回っています。一見、きれいでも漂白すると鮮度が落ち、卵のコリコリした食感もそこなわれています。白っぽい「鯑」を見慣れた人も、本来の色を知って、無漂白の「鯑」を選ぶようにしてみましょう。

美味しい「鯑」の調理法

鯑は、独特の味わいとコリッとしたプチプチの食感がなんといっても魅力!ここでは簡単にできる「塩数の子」の調理法を説明します。塩抜きをしないと辛くて食べられないので、ぜひともマスターを。

塩抜きをする

「塩数の子」を塩水(1リットルの水に、小さじ1程度の塩を溶かす)に浸して半日ほどおくと、鯑から塩が抜けます。この間、数時間おきに、2~3回程度、新しい塩水に変えて、塩抜きを続けるのがポイント。端を折って味を確かめて、抜け具合いを確かめるとよいでしょう。塩味が濃い場合は、さらに塩抜きを続けます。また、味が薄い場合には少し塩を多く足した塩水につけて味を含ませるとよいでしょう。塩を抜きすぎると、味気なくなるので、注意してしてください。

かずのこの塩抜き

塩抜きした「鯑」のいただき方

・そのまま食べる
・鰹節とあわせて食べる

かずのこにかつおぶしがかかっている

・明太子や鮭をほぐしてあえる、わさびマヨネーズなどで食べる

かずのこや塩辛の盛り合わせ

・出汁で味をつける

かつおと昆布で取っただしカップ2に、薄口しょうゆと酒をそれぞれ大さじ3、塩少々を加えて、塩抜きした鯑を漬け込む。密閉容器などに入れて、冷蔵庫で2日間ほどおくと味が染み込んで、おいしくなっていきます。自分好みの味を見つけるのもよさそう。

かずのこのだし漬け

最後に

今回は縁起物の「鯑」をチェックしてみました。縁起の良いものを食べると、うれしいことがからだの中からも湧いてきそうです。高級な食材なので「黄色いダイヤモンド」と呼ばれることもあるとか。日本ならではの食と文化に注目してみると、毎日がもっと楽しくなるかもしれません。

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