電子レンジの選び方
家電製品を選ぶ際に大切なことは、実際に使う状況を具体的に想定しながら選ぶことです。
電子レンジの場合も、一度に温めたい食材の量・求める機能などを事前にチェックしておくことで、理想の商品が選びやすくなるでしょう。
使う人数に合わせた庫内容量
電子レンジを選ぶ際に、まずチェックしたいのが「庫内容量」です。一度に何人分の食品や食材を温めるのかによって、選ぶべきサイズは異なります。
子どもが小さく少量しか温めない場合や、一人暮らしの場合は、20Lほどのコンパクトな商品でも問題ないでしょう。しかし、3人以上の世帯や毎日頻繁に電子レンジを使用するような場合、25L以上のものを選んでおくと不便を感じずに使えるはずです。
特に、ローストチキンなどの本格的な料理を作りたい場合には、30L以上の大きめのものを選ぶのがおすすめです。
便利な調理機能が備わっているか
自分が使いやすいと感じる機能が備わっているかどうかも、電子レンジを購入する前の大切なチェックポイントです。
ヘルシーな料理が作りたいなら、油を使わずに揚げ物料理ができる「ノンフライ機能」や、食品の油分や塩分をカットできる「過熱水蒸気機能」が付いた商品がよいでしょう。
ゆっくり料理をする時間がなく時短調理をしたいなら、一度に二つの料理を作れる「2段オーブン式」のものや、材料を入れてボタンを押すだけで調理可能な「オートメニュー機能」が付いたものだと便利です。
また、自宅でパンを作りたい人は「発酵機能」があるかをチェックするなど、電子レンジで何をしたいかをあらかじめ明確にした上で選ぶようにしましょう。
電子レンジを置くスペースに合わせて
電子レンジを設置するスペースを確認しておくことも大切です。電子レンジの設置には左右・背面・上部に放熱スペースが必要です。本体サイズにプラスした幅が必要になるため、注意して選びましょう。どうしても十分なスペースを確保できない場合は、左右や背面にスペースを設けなくてもOKなタイプを選ぶ必要があります。
また、扉の開閉方向も使いやすさに影響する大切なポイントです。電子レンジの扉には横開きと縦開きの2種類があります。
現在主流となっているのは縦開きタイプですが、高い場所に設置する場合は温めたものを取り出しにくいことがあるでしょう。対して、横開きの場合は高いところで取り出す分には問題ありませんが、利き手によっては開けにくかったり、隣に何か置いている場合は全開にできなかったりすることがあります。扉の開閉タイプも設置場所に合わせて選ぶことが大切です。
お手入れのしやすさも大事なポイント
電子レンジの庫内は、使っているうちに油や焦げ付きなどで汚れてしまうもの。放っておくと内部に臭いが付着したり、長期間掃除を怠ったまま使い続けると故障や発火したりすることもあります。
できるだけきれいな状態を保てるよう、お手入れのしやすいタイプを選ぶことも重要です。お手入れのしやすさは、庫内の形状に左右されます。
ターンテーブル式とフラット式がありますが、お手入れのしやすさで選ぶならフラット式がよいでしょう。平面になっているので拭きやすく、汚れが気になるときにさっとお手入れできて便利です。
また、便利なお手入れ機能が付いたものを選ぶのもよいでしょう。自動お手入れ機能付きのものなら、庫内を蒸気で満たすことで汚れを浮き上がらせるので、頑固な汚れも落としやすくなります。
ほかにも脱臭機能が付いていれば、ヒーターによる加熱で臭いのもとを取り除けます。
電子レンジの種類
電子レンジには、単機能・オーブン・スチームオーブンの三つのタイプがあります。それぞれ異なる特徴があるので、用途に合わせて選ぶとよいでしょう。
単機能電子レンジ
電子レンジで料理をすることはあまり考えておらず、お弁当やお惣菜の温め・冷凍食品の解凍をメインに考えているという人には、単機能タイプの電子レンジがおすすめです。リーズナブルな価格のものも多く、コンパクトな商品もそろうので導入しやすいでしょう。
中に入れた食品の重さで自動的に温め時間を設定してくれる自動温め機能付きのものなら、便利さも加わります。
価格を重視するならターンテーブル式がおすすめですが、大きめのお弁当などを温めると、中で引っかかって全体を満遍なく温められないことも。庫内容量も確認し、温めたいものがしっかり収まる商品を選びましょう。
オーブンレンジ
単機能電子レンジが食品を温める機能しか備えていないのに対し、オーブンレンジなら温め機能に加えてヒーターの熱による加熱調理も可能です。
グリル料理を作ったりお菓子を焼いたりといったさまざまな調理に使いたいなら、オーブンレンジを選ぶのがよいでしょう。焼くだけでなく、揚げたり煮たりなど幅広い調理方法でも使えます。
さらに、ノンフライ機能や2段調理機能など便利な機能が付いたものも豊富に展開されているので、自分にぴったりの商品を見つけやすいでしょう。
スチームオーブンレンジ
スチームオーブンレンジは、レンジで料理をもっとおいしく作りたいという人におすすめです。スチーム機能が搭載されることで、スチームなしのオーブンレンジで調理するよりもふっくらとした仕上がりにすることができます。
食品を温めたり解凍したりするだけでも、よりおいしく加熱できます。さらに蒸すこともできるので、レンジで作る料理の幅が広がります。
ただし、庫内に汚れが付いてしまうと乾燥や加熱によってこびり付きやすくなってしまうため、こまめなお手入れが必要です。お手入れのしやすさをチェックしながら選ぶことも大切でしょう。
また、スチーム方式にはタンク式と角皿式の2種類があります。タンク式は角皿式に比べてスチーム力が強く、高性能の上位モデルに搭載されていることが多いタイプです。それゆえ値段は張りますが、スチーム機能をメインに考えているならタンク式を選ぶとよいでしょう。
一方、角皿式はタンク式よりもスチーム力が劣り、水蒸気量の調整もしにくいタイプです。しかし、リーズナブルな商品が多いので、一度スチーム機能付きのレンジを試してみたいという人には導入しやすいのがメリットです。
電子レンジの人気メーカー
電子レンジは各社からいろいろな商品が出ていますが、メーカーによって特徴や力を入れているポイントは異なります。ここでは、代表的なメーカーの人気シリーズについて紹介します。
「ビストロ」でおまかせ調理「パナソニック」
パナソニックの電子レンジには、調理の手助けをしてくれる機能が付いた商品が豊富にそろいます。特にスチームオーブンレンジ「ビストロ」は、調理機能が充実した人気のシリーズです。
高精細・64眼スピードセンサーが搭載された上位モデルでは、自動で食品の分量を検知して温めや解凍ができたり、0.1秒ごとに食品の温度をチェックしながら加熱することで食材をふっくら調理できたりなど、手間なくおいしい調理に貢献してくれます。
パナソニック ビストロを使いこなそう！ | スチームオーブンレンジ・電子レンジ | Panasonic
「石窯ドーム」で本格調理「東芝」
東芝のレンジを代表する「石窯ドーム」シリーズは、食品の加熱にこだわって作られたシリーズです。350℃と業界最高の火力で調理可能なほか、「庫内まるごと遠赤」によって内側までじっくりしっかり加熱できます。
また、ラウンド石窯構造と角皿スリットを搭載することで、庫内全体に満遍なく熱が行き渡り、焼きムラのない仕上がりを実現しています。さらに、深皿調理機能を使用すれば、オーブン料理だけでなくスープ類やごはん、デザートなど幅広いメニューの調理も可能です。
「ヘルシオ」で低酸素調理を実現「シャープ」
シャープは、食品の余分な脂や塩分を落として調理できる「ヘルシオ」シリーズが人気です。過熱水蒸気によってヘルシーに調理できるだけでなく、庫内を低酸素状態にすることで、食品の酸化を防ぎながら栄養の流出も防いでくれます。
さらに、ふっくらジューシーに仕上がるので、健康的でおいしい料理を楽しめるでしょう。また、操作のしやすさにも定評があり、「COCORO KITCHEN」を搭載した上位モデルでは音声操作も可能です。
「ヘルシーシェフ」が人気の「日立」
日立では「ヘルシーシェフ」シリーズが人気です。「Wスキャン機能」では、庫内に入れた食品の重さを自動的に検知し、最適な温度と時間で加熱してくれます。庫内のお手入れのしやすさに優れた商品が多く、上位モデルではテーブルプレートを取り外してお手入れが可能です。
さらに、スマホアプリ「ヘルシーシェフアプリ」では、レンジを使ったレシピ検索ができる献立決め機能が搭載されており、献立に困ったときの強い味方になってくれます。
ヘルシーシェフ MRO-S8Z ： 電子レンジ ： 日立の家電品
おすすめのスチームオーブンレンジ
機能性の高いスチームオーブンレンジなら、時短調理から本格的なメニューまで幅広く対応できます。1台でさまざまな料理を作れるので、大活躍すること間違いなしでしょう。
東芝「過熱水蒸気オーブンレンジ ER-WD7000」
「石窯ドーム」のプレミアムモデルで、「石窯おまかせ焼き」に「魚」と「深皿煮込み」の二つのメニューが追加されたレンジです。食材をプレートに並べてセットし、メニューから該当の食材を選んでスタートするだけで難しいオーブン料理も簡単にできます。
深皿メニューでは、パエリアやグラタン、パスタなどを作ることもでき、料理の幅が格段に広がるでしょう。庫内容量は30Lとしっかり容量はありながら、奥行きは39.9cmと小さいので狭いスペースでも設置できます。
商品名：東芝「過熱水蒸気オーブンレンジ ER-WD7000」
シャープ「ウォーターオーブン ヘルシオ AX-RA20」
メタルカラーがおしゃれなヘルシオシリーズのレンジです。庫内容量は30Lで、2段調理も可能なので一度に2種類の料理を作れます。
「らくチン!センサー」搭載で、加熱中の食品から出る蒸気量から内部の状態を見分け、分量に応じた自動調理が可能です。カレーやパスタ、煮物に中華などさまざまな料理を楽に用意できるでしょう。
「全解凍」と「サックリ解凍」の2種類の解凍機能が備わっているため、用途によって使い分けられて便利です。
商品名：シャープ「ウォーターオーブン ヘルシオ AX-RA20」
日立「ヘルシーシェフ 過熱水蒸気オーブンレンジ MRO-W10Z」
庫内容量は30Lと、子育て家庭で使いやすい大きさのレンジです。最大1000Wの大火力で一気に加熱するので、水分が出てしなりがちな野菜料理もシャキシャキに仕上げられます。
クックパッドで殿堂入りしたレシピや、食品メーカーとコラボしたレシピがオート調理に対応している点も大きな魅力です。
また、「ヘルシーシェフアプリ」をダウンロードしておけば、おすすめのレシピを毎日提案してくれます。これ1台で献立に悩むことなく、いろいろな種類のおいしい料理を楽しめるでしょう。
商品名：日立「ヘルシーシェフ 過熱水蒸気オーブンレンジ MRO-W10Z」
パナソニック「スチームオーブンレンジ ビストロ NE-BS2700/NE-CBS2700」
庫内容量は30Lと十分にありながら、幅49.4×奥行43.5×高さ37.0cmとコンパクトで設置しやすいサイズです。
「ワンボウルメニュー」機能では、下ごしらえした材料を耐熱容器に入れて加熱するだけで、パスタや煮物だけでなくフレンチや中華などの本格料理も作れます。
ほかにも、下ごしらえ後に冷凍しておいた食品をそのまま焼ける「凍ったままグリル」など、時短調理に活躍する機能が豊富に搭載されています。
庫内の温度は70～300℃と幅広く設定できるので、パンやスイーツを作ることも可能です。
商品名：パナソニック「スチームオーブンレンジ ビストロ NE-BS2700/NE-CBS2700」
おすすめのオーブンレンジ
オーブンレンジがあれば、料理の幅がぐんと広がります。たくさんの便利機能があるものから、シンプルな設計のものまでさまざまな商品がそろうので、自分に合ったものを選びましょう。
パナソニック「オーブンレンジ NE-MS268」
サイズは幅50×奥行40×高さ34.7cmと、カップボードなどにも設置しやすいコンパクト設計ながら、庫内容量は26Lと使いやすいサイズになっています。
料理はできるだけ時短で済ませたい人にうれしい、自動メニューが充実しているのも魅力です。中華や煮物、パスタなどさまざまな料理をオーブンレンジで素早く作れるでしょう。
また、マイクロ波をらせん状に放射する「全解凍」では、食材に満遍なく熱が通るのでムラなく解凍でき、ストレスなくスムーズに下ごしらえが可能に。チャイルドロック機能が付いているので、小さな子どものイタズラも防げます。
商品名：パナソニック「オーブンレンジ NE-MS268」
パナソニック「オーブンレンジ NE-FS301」
サイズは幅48.3×奥行39.6×高さ31cm、庫内容量は23Lと比較的コンパクトなオーブンレンジです。
頻繁に利用する機能だけを搭載したシンプルな設計になっており、操作ボタンはあたため・飲み物・レンジ・解凍・オーブン・グリルの六つのみとなっています。シングルピクトが採用されたボタンは直感的に操作でき、使いやすいでしょう。
「1000Wインバーター」と「蒸気センサー」が搭載されており、素早く食品を温められます。オーブン機能を使えば発酵もできるので、ピザやパンを作ることも可能です。
商品名：パナソニック「オーブンレンジ NE-FS301」
コスパ抜群なおすすめ電子レンジ
リーズナブルな価格でも優秀な電子レンジがたくさんあります。自分に合ったものを上手に選べば、きっとお値段以上の価値を感じられることでしょう。
ハイアール「オーブンレンジ JM-KNFVH25B」
庫内容量は25Lと、大きすぎないサイズのレンジです。リーズナブルな価格帯でありながら、1台でさまざまな料理が作れる便利機能が搭載されています。
「エコ煮込みメニュー」では、材料を入れてボタンを押すだけでカレーや肉じゃがの調理が可能です。「オートメニュー」では、焼き魚やハンバーグなど24種類の料理が簡単に作れます。
さらに、本格オーブン250℃でお菓子作りもできるほか、2way簡単スチーム機能によって、外はサクサク、中はしっとりなトーストを焼くこともできます。さまざまな料理をよりおいしく楽しめるはずです。
商品名：ハイアール「オーブンレンジ JM-KNFVH25B」
ツインバード「センサー付フラット電子レンジ DR-E273」
フロント部分はミラーガラス、ボディはマットブラックでデザインされたスタイリッシュなレンジです。操作パネルもミラーデザインになっており、全体的な統一感がおしゃれさを引き立てます。液晶が大きいので見やすく、直感的に操作できるので使いやすいでしょう。
庫内はフラット式になっているので大きめの弁当も温めやすく、お手入れも楽にできます。庫内容量は20L、サイズは幅46×奥行35×高さ27.5cmとコンパクトな上、ヘルツフリーなので引っ越しや転勤が多い人には特に便利でしょう。
商品名：ツインバード「センサー付フラット電子レンジ DR-E273」
アイリスオーヤマ「スチームオーブンレンジ 26L カップ式 MO-FS2601-B」
時短調理を助けてくれるスチームオーブンレンジです。レンジ出力と時間をセットを設定し、時短ボタンを押すだけで、自動で温め時間を短縮してくれます。また、専用カップに水を入れて庫内にセットしておけば、食材をしっとりジューシーに仕上がるほか、ヘルシーメニューも作れます。
庫内容量は26L、サイズは幅49×奥行39×高さ37.3cmです。取り出し口の幅は39.5cmと十分な長さがあるので料理の出し入れも楽にできるでしょう。
商品名：アイリスオーヤマ「スチームオーブンレンジ 26L カップ式 MO-FS2601-B」
おすすめの単機能電子レンジ
食品の温めや解凍のみで使いたいなら、単機能タイプの電子レンジがおすすめです。シンプルながら機能性の高い商品も多いので、日常的に大いに活躍してくれるでしょう。
パナソニック 「電子レンジ NE-FL222」
スタイリッシュでおしゃれな見た目が特徴の単機能電子レンジです。庫内容量は22Lと1～2人分くらいの食品の加熱に適しています。
「1000Wインバーター」と「蒸気センサー」が搭載され、お茶碗1杯のご飯なら加熱時間は約1分と短時間で食品を温められます。忙しい中でも、スピーディーに食事を準備できて便利です。幅は32.1cmと広いので、大きめのお皿でも問題なく使えます。
また、「スクリューアンテナ」によってムラなく解凍できるのもうれしいポイントです。庫内はお手入れしやすいフラット式になっています。
商品名：パナソニック 「電子レンジ NE-FL222」
日立 「電子レンジ HMR-TR221」
操作性に優れており、レンジの出力と加熱時間を設定するだけで温められるシンプル設計の電子レンジです。温めは最大15分、解凍は最大30分まで設定できます。残り時間はLEDタイマーで表示されるので、確認しやすいでしょう。
庫内容量は22Lのターンテーブル式ですが、庫内有効寸法幅は31.4cmと広めに設計されているのがポイント。デザインもシンプルながらスタイリッシュで、キッチンに並べてもサマになるでしょう。
商品名：日立 「電子レンジ HMR-TR221」
東芝「電子レンジ ER-VS23」
間口は38.7cmと広いため食品の出し入れがしやすく、大きめのお弁当も余裕で温められます。庫内はフラット式になっている上、撥水・撥油コーティングがされているので汚れがこびり付きにくく、お手入れも簡単です。庫内容量は23Lあります。
また、「高出力1000Wインバーター」搭載で食品を短時間びで温められる上、「8つ目赤外線センサー」によって食品のグラム設定をしなくてもワンタッチでスタートできます。高機能ながらシンプルで使いやすいでしょう。
商品名：東芝「電子レンジ ER-VS23」
