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2022.07.04

「小田原評定」とはどういう意味?言葉の由来をしっかり知って教養を深めよう

 

一般社会で使う「小田原評定」

ビジネス界以外の一般社会でも、学校のクラブ活動や家族間でも話し合いが決裂することは多くあり、「小田原評定」と称されるパターンがあります。以下に、その用例を挙げてみましょう。

・各クラブの予算を決める会議だったが、少人数のクラブの予算削減に反発するクラブとの調整がはかどらず、結局来週に結論持ち越しの【小田原評定】となった
・いくら話し合っても、兄弟同士の意見が正反対で家族会議はいつも【小田原評定】だ

「小田原評定」の類義語と対義語

「小田原評定」のようにうまくいかない状態を風刺する用語はほかにもいくつかあります。

小田原評定

そこで、ここでは「小田原評定」と似た意味を持つ類義語と反対の意味を持つ対義語について、ご紹介します。類義語でも若干の意味の違いがあるため、使用する際は注意が必要です。それぞれ詳細を見ていきましょう。

「小田原評定」の類義語は「水掛け論」「押し問答」

「小田原評定」の類義語は以下の2つです。

【水掛け論】 
お互いの意見が対立して結論が出せないという点で「水掛け論」は「小田原評定」と似た意味があります。ただし「小田原評定」が複数での会議の状況に用いられるのに対し、「水掛け論」は一対一での論争で使われることが多い傾向があります。

みずかけ‐ろん〔みづかけ‐〕【水掛(け)論】 両者が互いに自説にこだわって、いつまでも争うこと。また、その議論。互いに自分の田に水を引こうと争うことからとも、水の掛け合いのように勝敗の決め手のない論争の意からともいう。

【押し問答】
「押し問答」は、双方の意見が対立する状態を表現する言葉です。この言葉は「小田原評定」よりも「水掛け論」の方に意味が近く、二者の意見対立に使われることが多い表現です。

おし‐もんどう〔‐モンダフ〕【押(し)問答】 [名](スル)互いに自分の見解を主張して、あとにひかず言い争うこと。「渡した、受け取らないで押し問答を繰り返す」

「小田原評定」の対義語は「円満解決」「事態の収拾」

「小田原評定」では、この言葉の反対となる対義語は「会議が遅滞なく進み、無事に結論が出ること」を意味するので、格言的な対義語は見当たりません。強いて挙げるなら、以下の表現となります。

【円満解決】
会議が予定通り円満に進んで結論が導出されたことを、文字通り「円満解決」という言葉で表現します。

【事態の収拾】
会議での議論が長引き「小田原評定」状態になりかけたとき、会議のメンバーA氏がある提案をし、無事に結論が出たと仮定します。このようなケースでは「A氏のおかげで、小田原評定にならず、事態が収拾された」と表現することができるでしょう。

まとめ

「小田原評定」は、会議が長引き結論が出ないことを揶揄する風刺的表現の言葉です。したがって、物事を決めるための話し合いでは、なるべく「小田原評定にならないように」進めることが望ましいといえます。

小田原評定

言葉の由来となった戦国時代の「小田原評定」事件では、攻められる側の小田原城城主の北条氏直が自らの主張を譲らなかったために破滅するという悲劇を生みました。

「小田原評定」という言葉が数百年経った現代にも生き続けているということは、無駄に会議を長引かせることなく、状況を正確に判断し、譲歩できる点は譲歩して会議を締めるという方法論の正しさを示している言葉だからかもしれません。

「小田原評定」は、結論が出ない会議などを批判して用いるよりも、小田原評定にならないための戒めとして使いたいものです。

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※引用はすべて〈小学館 デジタル大辞泉〉より

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