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2022.07.04

「小田原評定」とはどういう意味?言葉の由来をしっかり知って教養を深めよう



「小田原評定」とは、大勢が延々と話し合っても、なかなか結論に至らないさまを表す言葉です。この記事では、正式な読み方と言葉の由来や用例についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

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「小田原評定」の読み方・意味・由来

小田原評定」とは日本の戦国時代に生まれた言葉で、会議が長引き結論が出ないことを指します。今では、その由来を知る人も少なくなっており、日常生活で実際に使われることもあまりありません。

小田原評定

特に若い世代では「小田原評定」という言葉の存在自体を知らなかった、あるいは初めて聞いた、という人が多いのではないでしょうか?

そこで、この「小田原評定」について、その読み方と意味、そしてこの言葉が誕生した由来についてご紹介しましょう。

「評定」は「ひょうてい」でなく「ひょうじょう」

「小田原評定」は「おだわらひょうじょう」と読みます。「おだわらひょうてい」と読むのは間違いなので注意しましょう。

企業などでは社員の勤務態度などを評価することを「評定」と書いて「ひょうてい」と読むので、混同しやすいようです。「小田原評定」の「評定」は「相談」のことなので「ひょうじょう」と読みます。「評定」は読み方によって意味が変わる漢字の代表例といえます。

ひょう‐じょう〔ヒヤウヂヤウ〕【評定】 [名](スル)皆で相談して決めること。「小田原評定」

ひょう‐てい〔ヒヤウ‐〕【評定】 [名](スル)一定の基準に従って価値・価格・等級などを決めること。「勤務成績を評定する」

「小田原評定」の由来と歴史

天正18年(西暦1590年)、戦国時代の日本では、豊臣秀吉が関東の小田原藩(現在の神奈川県小田原市)に軍勢を送り、北条氏直が城主である小田原城の周囲を包囲し、豊臣側の軍門に下ることを要求します。

北条氏直は和解のため豊臣側と小田原城内で評議を行いますが、お互いが主張を譲らず話し合いは長引くばかりで和解のための結論を出すことができません。結局、評議の結論(評定)が出ないまま、小田原城は豊臣軍に攻め込まれてしまい、北条家は滅ぼされてしまうのです。

ここから「会議が長引き結論が出ないこと」を、北条氏直が小田原城内で評定を出せずに滅ぼされてしまった史実になぞらえて「小田原評定」と呼ばれるようになったのです。

「小田原評定」と清洲会議とウィーン会議

「小田原評定」とは少し異なる比喩的表現で、地名が付いた歴史上の有名な会議に「清洲会議」と「ウィーン会議」があります。

「清洲会議」は、「小田原評定」からさかのぼること8年前の天正10年に、明智光秀に討たれた織田信長の後継者と織田家の領地の配分を決める目的で開かれた戦国武将たちの会議です。尾張国(現在の愛知県)の清洲城で行われたことからこの名が付いています。

現代では、亡くなった資産家の遺産相続の会談を「〇〇家の清洲会議」と呼ぶことがあります。

ウィーン会議」は、ナポレオン戦争後の戦後処理を決める目的で、欧州の主要国がウィーンに集合し開催された国際会議です。1814年9月にスタートしたウィーン会議は、翌年の1815年6月に終結します。長期間にわたったことから「欧州版の小田原評定」ともいえる歴史的な会議となりました。

途中で舞踏会なども催され「会議は踊る、しかし会議は進まず」という格言ができたほど、各国の思惑と利害関係が絡んでなかなか結論がでないことが風刺対象となった会議でもあります。

ウィーン‐かいぎ〔‐クワイギ〕【ウィーン会議】 1814年から15年にかけてウィーンで開かれた国際会議。フランス革命とナポレオン戦争後のヨーロッパの国際秩序の回復を図ったもので、ウィーン議定書が調印され、革命前の状態への復帰をめざす正統主義と、大国の勢力均衡とを二大原則とするウィーン体制が成立した。この会議は諸国の利害が対立して遅滞し、「会議は踊る、されど会議は進まず」と風刺された。

「小田原評定」の用例

企業の重要会議では、なかなか結論が出ずに会議が長引くこともよくあります。まさに戦国時代の「小田原評定」と似た状況が、現在のビジネス社会で毎日のように起きているわけです。

小田原評定

それでは、世の中で「小田原評定」がどのようなシーンで用いられているのか、ビジネスと一般社会における用例として以下にご紹介しましょう。

ビジネス現場での「小田原評定」

ビジネスの現場では、社内で働くそれぞれの立場の社員によって意見が異なり、会議が「小田原評定状態」になることがよくあるようです。それでは、ビジネス現場での「小田原評定」の用例を挙げてみましょう。

・会社の方向性を決める重要な会議だったが、営業部と技術部との対立が埋まらず、【小田原評定状態】になったらしい
・うちの課のミーティングでは、議論が紛糾して結局何も決まらない。これではまるで【小田原評定】だね

一般社会で使う「小田原評定」

ビジネス界以外の一般社会でも、学校のクラブ活動や家族間でも話し合いが決裂することは多くあり、「小田原評定」と称されるパターンがあります。以下に、その用例を挙げてみましょう。

・各クラブの予算を決める会議だったが、少人数のクラブの予算削減に反発するクラブとの調整がはかどらず、結局来週に結論持ち越しの【小田原評定】となった
・いくら話し合っても、兄弟同士の意見が正反対で家族会議はいつも【小田原評定】だ

「小田原評定」の類義語と対義語

「小田原評定」のようにうまくいかない状態を風刺する用語はほかにもいくつかあります。

小田原評定

そこで、ここでは「小田原評定」と似た意味を持つ類義語と反対の意味を持つ対義語について、ご紹介します。類義語でも若干の意味の違いがあるため、使用する際は注意が必要です。それぞれ詳細を見ていきましょう。

「小田原評定」の類義語は「水掛け論」「押し問答」

「小田原評定」の類義語は以下の2つです。

【水掛け論】 
お互いの意見が対立して結論が出せないという点で「水掛け論」は「小田原評定」と似た意味があります。ただし「小田原評定」が複数での会議の状況に用いられるのに対し、「水掛け論」は一対一での論争で使われることが多い傾向があります。

みずかけ‐ろん〔みづかけ‐〕【水掛(け)論】 両者が互いに自説にこだわって、いつまでも争うこと。また、その議論。互いに自分の田に水を引こうと争うことからとも、水の掛け合いのように勝敗の決め手のない論争の意からともいう。

【押し問答】
「押し問答」は、双方の意見が対立する状態を表現する言葉です。この言葉は「小田原評定」よりも「水掛け論」の方に意味が近く、二者の意見対立に使われることが多い表現です。

おし‐もんどう〔‐モンダフ〕【押(し)問答】 [名](スル)互いに自分の見解を主張して、あとにひかず言い争うこと。「渡した、受け取らないで押し問答を繰り返す」

「小田原評定」の対義語は「円満解決」「事態の収拾」

「小田原評定」では、この言葉の反対となる対義語は「会議が遅滞なく進み、無事に結論が出ること」を意味するので、格言的な対義語は見当たりません。強いて挙げるなら、以下の表現となります。

【円満解決】
会議が予定通り円満に進んで結論が導出されたことを、文字通り「円満解決」という言葉で表現します。

【事態の収拾】
会議での議論が長引き「小田原評定」状態になりかけたとき、会議のメンバーA氏がある提案をし、無事に結論が出たと仮定します。このようなケースでは「A氏のおかげで、小田原評定にならず、事態が収拾された」と表現することができるでしょう。

まとめ

「小田原評定」は、会議が長引き結論が出ないことを揶揄する風刺的表現の言葉です。したがって、物事を決めるための話し合いでは、なるべく「小田原評定にならないように」進めることが望ましいといえます。

小田原評定

言葉の由来となった戦国時代の「小田原評定」事件では、攻められる側の小田原城城主の北条氏直が自らの主張を譲らなかったために破滅するという悲劇を生みました。

「小田原評定」という言葉が数百年経った現代にも生き続けているということは、無駄に会議を長引かせることなく、状況を正確に判断し、譲歩できる点は譲歩して会議を締めるという方法論の正しさを示している言葉だからかもしれません。

「小田原評定」は、結論が出ない会議などを批判して用いるよりも、小田原評定にならないための戒めとして使いたいものです。

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※引用はすべて〈小学館 デジタル大辞泉〉より

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