「可笑しい」の読み方と意味
「可笑しい」は「おかしい」と読みます。普通とは違うところがあり、笑いたくなる様子を表す言葉です。「奇妙な言動や行動がおもしろい」「不釣合いでばかばかしい」「普通ではなく変わっている様子」といった複数の意味があります。
【可笑しい】
[形][文]をか・し[シク]
1 (「可笑しい」と当てても書く)普通とは違うところがあって笑いたくなるさま。
ア:珍妙な言動・状況などがおもしろくて、思わず笑いたくなる。こっけいである。「この漫画は実に—・い」
イ:どこか不釣り合いで、嘲笑したくなる。ばかばかしい。「彼が代表だなんて—・くって」
2 普通とようすが違うのに気づいて疑わしく思うさま。
ア:普通ではないところが感じられる。変である。変わっている。「どうもからだの調子が—・い」
イ:言動や状況が不審である。いぶかしい。怪しい。「なんとなくそぶりの—・い男」
(引用:小学館『デジタル大辞泉』より)
続いては、「可笑しい」の意味や言葉の由来について見ていきましょう。「可笑しい」の語源は、意味によって説が分かれるようです。
いくつかの意味がある
「可笑しい」はさまざまな意味を持つ言葉で、主に次のような3つの意味があります。
・奇妙な言動や行動がおもしろい
・不釣合いでばかばかしい感じがする
・普通ではなく変わっている様子である
「可笑しい」にどの意味があるかは、文脈の中で判断しなければなりません。意味によっては「可笑しい」ではなく、「奇怪しい」という漢字を使う場合もあります。
「可笑しい」の語源
「可笑しい」の語源には諸説があります。そのひとつは、興味を持って招き寄せるという意味がある動詞の「招く(をく)」に対応する形容詞であるとする説です。
一方、愚かなことを意味する名詞である「烏滸(おこ)」の形容詞であるとする説もあります。
また、「可笑しい」には「疑わしい」という意味もありますが、その場合には「可笑しい」ではなく「奇怪しい」という漢字が当てられます。
「可笑しい」の例文
「可笑しい」の意味を正しく理解するには、例文を読んでみるのがおすすめです。ここでは、次の3つの意味の例文をご紹介します。
・奇妙な様子で笑いたくなる
・不釣合いで嘲笑したくなる、ばかばかしいと感じる
・普通でなく変わっている様子である
それぞれの例文のシチュエーションを見ながら、「可笑しい」の意味を確認してみてください。
「笑いたくなる」という意味の例文
笑いたくなるという意味の「可笑しい」を、例文で見てみましょう。主に次のような文脈で使います。
例文
・先日始まったコメディドラマは今まで見てきた中で一番可笑しくて、毎回大笑いしている
・彼は周りが暗い雰囲気になると、いつも可笑しいことを言って笑わせようとする
・この漫画は本当に可笑しくて、読むのをやめられない
・その講師は講義の合間に可笑しい話を挟むため、参加者は楽しみながら受講できた
・試合の前に監督はメンバーの緊張を和らげるため、可笑しいことを言ってみんなを笑わせた
「不釣合いでばかばかしい」という意味の例文
不釣合いで嘲笑したくなる、ばかばかしいという意味の「可笑しい」は、以下のように使います。
例文
・狭いアパートの部屋にそんな大きなソファを買うのはさすがに可笑しいよ
・いつもしっかり勉強していた彼が試験に落ちて、遊んでばかりだったあの人が合格するなんて可笑しいよね
・同じような成績を上げたのに、彼だけが表彰されたのはさすがに可笑しいと思う
・フォーマルな席にそのようなカジュアルな服装をしてくるのはどう見ても可笑しい
・あなたのように真面目な人があんなに素行の良くない人と付き合っているのは可笑しく感じる
「変わっている様子」という意味の例文
普通と違って変わっている様子という意味では、次のような例文になります。
例文
・いつも早い時間に出社している彼がこのところ遅刻ばかりしている。どうも様子が可笑しい
・彼は可笑しな言動が多いため、上司から注意を受けた
・彼女はいつもと違ってどうも様子が可笑しいので、何があったか聞いてみるとよい
・昨日からどうも体の様子が可笑しいので、病院に行ってみようと思う
・こんな夜遅くに歩き回っていては、可笑しい人だと思われるよ
「可笑しい」の類語
「可笑しい」には複数の意味がありますが、それぞれに対応した類語があります。奇妙な様子で笑いたくなるという意味の「可笑しい」に対する類語には「面白い」や「ユーモラス」があり、不釣合いで嘲笑したくなるという意味の類語は「滑稽(こっけい)」があげられるでしょう。
また、「普通ではなく変わっている様子」という意味の「可笑しい」に似ている類語は「奇妙」「風変わり」などがあります。
ここでは、「可笑しい」の類語を2つご紹介します。
面白い
「面白い(おもしろい)」とは、興味をそそられて心が引かれる様子という意味です。面白いの「面」は目の前という意味で、「白い」は明るくはっきりしている様子を表します。この2つを合わせて目の前が明るくなる状態を指す言葉になり、転じて「楽しい」という意味を持つようになったとされています。
面白いを使った例文は以下のとおりです。
例文
・入社して3年経ってから、やっと仕事が面白いと感じるようになった
・面白いデザインの家具を見つけて、どうしても欲しくなった
・彼はいつも面白くない冗談を言っているが、最近は周りも反応しなくなっている
・面白そうな映画を見つけたので、今度の休みに観に行こうと思う
奇妙(きみょう)
「奇妙(きみょう)」とは、普通の考え方ではわからない不思議な様子、珍しい光景を表す言葉です。風変わりなことという意味もあります。普通ではなく変わっている様子という意味の「可笑しい」とよく似た言葉です。
奇妙を使った例文を見てみましょう。
例文
・彼女の服装はとても【奇妙】だったので、周りの注目を集めていた
・どこからか【奇妙】な声が聞こえてきて怖くなってきた
・彼の話はとても【奇妙】で、理解ができなかった
・家の周りで【奇妙】な出来事が続いているため、注意しなければいけないと思っている
まとめ
「可笑しい」とは普通ではなく変わっている様子など、いくつかの意味があります。どの意味で使われているかを知るには、文脈の中で判断しなければなりません。例文を見て、意味の違いを確認しておきましょう。
「可笑しい」の意味に対応した類語も多く、あわせて覚えておけば適切な場面で使い分けができます。この機会に、「可笑しい」のいろいろな意味を覚えておいてください。
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