卵の殻を食器・キッチンの汚れ落としに
卵の殻の主成分は、研磨剤としても使用されている「炭酸カルシウム」です。卵の殻の研磨性を利用すれば、食器類やキッチンの汚れ落としができるのです。
卵を料理に使った後、殻は捨てずに洗ってストックしておきましょう。
水筒やカップの茶渋を落とす
麦茶を入れた水筒や、カップに付いたコーヒー・紅茶・ほうじ茶の茶渋は、食器用洗剤でこするだけではなかなか落ちないもの。「飲み物を入れる水筒やカップに、漂白剤を使うのは抵抗がある」という人は、卵の殻を使った茶渋落としを試してみましょう。
カップの茶渋には、卵の殻を割って、殻の表面を直接こすりつけるだけでOKです。水筒の場合は、粗く砕いた卵の殻1個分と、汚れ落とし効果を高めるための熱湯を50mlほど注ぎます。しっかりフタをしたら3分ほど振りましょう。茶色い汚れがすっきり落ちて、面倒な茶渋落としが楽しくなるかもしれません。
シンク磨きにも活躍!
卵の殻の研磨性は、シンク磨きにも利用できます。クレンザーや洗剤を使わなくても、卵の殻でこするだけでシンクをきれいに掃除できるのです。
使用する殻の量は、一般的な広さのシンクなら卵1個で十分です。殻は小さく砕かずに、大きいまま使った方が磨きやすいでしょう。そのまま手に取ってこするのに抵抗があれば、排水口ネットやストッキングに殻を入れて磨きます。油のベタつきが気になるときは、少量の食器用洗剤を垂らして磨くと、すっきりと汚れを落とすことができます。
磨き終わったら水で汚れと殻を洗い流し、再利用が終わった殻は処分しましょう。
※傷になるのが気になる場合は、シンクの目立たない部分で試してから行うことをおすすめします。
鍋やコンロ周りの焦げ付きにも
卵の殻は、タワシの代わりとして再利用することも可能です。排水口ネットやストッキングに卵2〜3個分の殻を入れたら、鍋底やコンロ周りの焦げ付きを磨きます。磨き終わった殻はそのまま捨てられるので、衛生的です。
注意点として、ホーローの鍋やフライパンのフッ素樹脂加工面など、研磨剤が使用できない傷つきやすい素材に、この方法は使えません。素材を確認してから使用するようにしましょう。
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布巾の汚れ落としに利用できる
布巾を煮沸消毒するとき、卵の殻を入れて一緒に煮ると、布巾の汚れ落ちアップが期待できます。卵の殻の成分「炭酸カルシウム」は、熱湯で煮ると湯に溶け出してアルカリ性の漂白成分となり、汚れを落とす役目を果たしてくれるのです。
水を張った鍋の中に、きれいに洗った卵の殻を3〜4個程度入れて、布巾と一緒に煮込みます。沸騰したら10分ほど煮て完了です。漂白剤ほどの強い漂白作用はありませんが、捨てる前の卵の殻で環境に優しく汚れ落としができます。
なお、煮沸消毒は綿や麻の布巾に適しています。ウールや化学繊維の布巾を煮沸すると、熱により縮んだり生地を傷めたりする可能性があるため注意しましょう。
ガーデニングの肥料や土壌改良に
卵の殻を使った肥料や土壌改良剤は、ホームセンターや園芸店などでも販売されていますが、家庭でも自作することができます。肥料の作り方や使い方を見ていきましょう。
細かく砕いて肥料として活用
卵の殻の主成分「炭酸カルシウム」は、その名の通りカルシウムです。カルシウムは、植物の成長に欠かせない栄養素の一つですが、雨の多い日本では、土の中のカルシウムが流され不足しやすいという特徴があります。卵の殻を活用すれば、カルシウムの補給に期待できるのです。
卵の殻を再利用した肥料の作り方と使い方は、以下の通りです。
【作り方】
1.卵の殻を洗って乾燥させる
2.厚手のビニール袋に入れて麺棒ですりつぶすか、電動ミキサーで粉末状にする
【使い方】
細かくした卵の殻を、株元から少し離してまく
卵の殻の炭酸カルシウムは水に溶けにくい性質があるため、ゆっくりと植物に吸収され、穏やかに効果を発揮します。
酸性に傾いた土壌の改良にも
日本の土壌は、酸性雨の影響で酸性に傾きやすいとされています。また、植物の生育によっても、土は酸性に傾くのです。
植物ごとの差はありますが、一般的に植物の生育に適している土の酸性度は、弱酸性といわれています。卵の殻の成分である炭酸カルシウムはアルカリ性のため、土に混ぜると、酸性に大きく傾いた土をアルカリ性に傾けるように、つまり弱酸性に近づけるように働いてくれるのだとか。
このように、卵の殻は土壌の改良にも役立てることができるのです。炭酸カルシウムは水に溶けにくい性質のため、土壌を緩やかに弱酸性へと移行できます。
子どもと楽しむ! 夏休みの自由研究や工作に
卵の殻を、自由研究や工作に使うアイデアを紹介します。環境に優しい工作にもなるので、ぜひお子さんと挑戦してみてください。