生理前はホルモンバランスの変化によって「むくみ」が生じる
「生理前は、プロゲステロンというホルモンが増えていきます。これは、食欲が増したり、体に水分や脂肪をため込もうとするホルモンなので、どうしてもむくみやすくなります。また生理になる直前(2~3日)から体温が下がりはじめ、生理中は低体温の時期になります。低体温の時期は、代謝も下がっているので、同じものを食べたり、飲んだりしても、代謝されずに溜まりやすくなるんです」(石原先生)
身体がむくみやすくなるのはプロゲステロンが活性化しているときなので、生理が始まる約2週間前の排卵時から生理2日目くらいまで。それ以降はだんだんむくみが取れてすっきりしてくるそうです。
生理前のむくみ対策は!?
「冷え」対策と同様、水分を摂りすぎないことと、血流をよくすること。飲みものは常温以上のものを選び、入浴やサウナ、岩盤浴などで発汗を促すのもよいでしょう。また、運動、ストレッチ、ヨガなどで適度に体を動かしてみてください。クーラーの利いた部屋にいるときは、腹巻きをする習慣をつけてみてはいかがでしょうか? 体を温めつつ利尿作用のある「生姜紅茶」を飲むのもおすすめですよ」(石原先生)
どうしてもむくみが取れないときは、足を心臓より高い位置に置いて寝るという方法も。下肢の血液を循環させるポンプ機能を果たしているふくらはぎを心臓より上に置くことで、血液の巡りがよくなりむくみ解消に繋がります。また、スキニーパンツやタイトなガードルなどで体を圧迫すると、血液や水分が滞り、体を冷やしてしまう可能性が! 体の冷えはむくみに繋がるので、生理期間中はできるだけリラックスできる服を選ぶほうがいいようです。
医師/イシハラクリニック副院長
石原新菜
ヒポクラティック・サナトリウム副施設長。健康ソムリエ理事、ロングライフラボ理事、フェムテックジャパン理事。2006年帝京大学医学部卒業。現在父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察のほか、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。日本内科学会会員。日本東洋医学会会員。日本温泉気候物理医学会会員。
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