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EDUCATION 子供の五感を育てる

2022.08.19

夏休みに実践!「自信ない子」が変わる凄い声かけ|親の意識と普段の行動で子どもの表情に変化

 

世間的には夏休み。感染拡大の状況や記録的な暑さもあり、家の中で何かとお子さんと過ごす時間が多くなりがちなのではないでしょうか? そこで今回は、「声かけ変換表」がTikTokで14万回再生され話題の大場美鈴さんの著書『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』から、お子さんの自信を育てる「ほめ方」をピックアップしてご紹介。親の意識と普段の声かけを少し変えるだけで、お子さんの表情は次第に変わってくるはずです。

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ほめラインを下げる

お子さんをほめる前に、まずは親である自分の「ほめライン」を下げる意識の変換からはじめてみましょう。

最初は「無事に生まれてくれてありがとう」だったのに、いつの間にか「コレができたら、アレも。アレができたら、ソレも」と、つい欲張ってしまうのが親なのでしょうね。

夏休みに実践!「自信ない子」が変わる凄い声かけ|親の意識と普段の行動で子どもの表情に変化

加えて、何ごとも子どもがある程度できるようになると、いつの間にか「これくらいできて当たり前」と感じられて、毎日の何気ないがんばりが見えにくくなりがち。

でも、もしもパパが「帰ったら夕飯できてるのが当たり前」なんて態度だったとしたら、「作ってやるだけでも、ありがたいと思え!」って思うでしょ?(笑)

子どもだって、きっとそうです。学校に行ったり、宿題をやったり……こんな、一見「やって当然・できて当たり前」に思える、何気ないがんばりや見えない努力に親が気づいて、「よくがんばったね」と認めるだけでも、ずいぶん違います。

すでに毎日の生活のベースになっているがんばりは見落とされがちですが、誰かがそれに気づいてくれるだけで、少しは報われた気になるのは、親も子も同じではないでしょうか。

どんな子にも、得意なことと苦手なことがある

どんな子にも、得意なことと苦手なことがあります。「スポーツ万能だけど、勉強は苦手」「算数は得意でも、国語は苦手」とか……。そして、得意と苦手の差が開けば開くほど、子どものストライクゾーンは狭くなるもの。「みんなと同じように」や「まんべんなくできること」が求められがちな環境では特に、クリーンヒットが少なく、なかなか結果が出にくいようです。

子どもの個性とほめラインの関係

なかには、苦手な部分でも、ものすごくがんばっているのに周りに気づかれずに、自信をなくしている子もいるでしょう。

ただ、親からすると「みんな」や「平均的」を基準に「〇年生なら、これくらいできるよね」と見ると、どうしてもできない部分のほうが気になってしまうものです。

そこで、得意なことを基準に、さらに高い理想を望みがちな親の「ほめライン」を、断腸の思いでグーッと下げ、子どもの「できないところ」「苦手なところ」に合わせて、そこを基準に見てあげると、いい情報にたくさん気づくことができます。

お子さんの「できてるところを見る」

目線を下げたらお子さんの「できてるところ」を探し、声かけを変換してみましょう。子どものテストや宿題を見れば、ついつい×のところに目が行くし、友だち関係や学校や公共の場などで「ちゃんとさせなくては」と思うほど、気になることも増えますよね。

お子さんの「できてるところを見る」

できてるほうを見るクセを意識してつけないと…

実は、欠点や足りない部分にまず目が行くのは、人の心理として自然なことなんだとか。だから、本能に逆らってでも(笑)、できてるほうを見るクセを意識してつけないと、親のダメ出しは増えがちに……。

一方で子どもは、なかなかダメ出しを素直に受け取れないこともあり、特に自信や意欲をなくしている時やもともと完璧主義の傾向がある子は、否定されることに過敏にもなるでしょう。

だから、テストや宿題では、×よりも〇のほう、間違っている部分よりも、少しでもできたところを見て、まずは「ここまで、できてるね」「ここがキレイ!」と気づいて、伝えてあげるのがいいでしょう。

ダメ出しに慣れていく強さも必要ですが、そういったことは充分に自信がついてからでもOKです!

「できてるところリスト」を作ってみる

どうしても「難しいな」と感じる人は「お子さんのできてるところ」を書き出してみましょう。長所や得意なこと、特に優れた部分などはもちろん、一見「できて当たり前」と思える毎日のことや不得意なことの中にも、その子なりの努力やがんばりが隠れています。

お子さんの「できてるところ」「いいところ」「素敵なところ」を書き出す(できれば全部で100コくらい!)。かなり苦しい方は、例えばこんな「自分の中の常識」に問い直しつつ、日々のお子さんの様子を思い出しながら、再考してみるのはいかがでしょう。

Q.「これって本当に、やって当然? できて当たり前?」
例:時々休みはするが………、宿題をなんとかこなしている。

Q.「これって本当に、子どもの短所・欠点?」
例:落ち着きがないが、「好奇心旺盛」とも言える。ワガママだけど、「意思が強い」という長所でもある。

Q.「これって本当は、すごく素敵なことと違う?」
例:好きなことには何時間でも集中できる。ほんの少しの味の違いを、敏感に感じ取ることができる

こちらの見方を少し変えてみるだけで、その子なりに日々がんばっていること、長所やいいところ、キラキラと素敵に見えてくる部分が、けっこう見つかるものです。

「いい情報をフィードバック」する

ほめるときは「いい情報」も一緒にフィードバックしながら声かけしてみましょう。

ほめるときは「いい情報」も一緒にフィードバックしながら声かけしてみましょう。

ほめ言葉で思いつくのが「スゴイね!/エライね!」だけだと、スグにネタ切れ、弾切れになっちゃうんですよね。それに、小さなうちはそれで良くても、子どもが成長するほど、上から目線での評価は「ウザい」なんて思われがち。

それより、もっと簡単なのは、子どもの「いい情報」に気づいて、それをそのまま言葉にして、本人にフィードバックすることです(見たまんまを言うだけなので、言葉に困ることもありませんしね)。

例えば、小さなお子さんが「ママ~、見て見て」と、ラクガキを得意そうに見せにきたら、「大きく描けたね」「色をいっぱい使ってるね」と、その絵の素敵なところや、「さっきから一生懸命描いてたね」「おお! 完成できたね」と、いい情報をフィードバックするだけでOK。これなら、思春期以降もアップデートしながら、末永く使えます。

お子さんの行動のいいところにマメに気づいて伝えるだけで、そこが伸びていきます。

プレッシャーにならずに伝わりやすく

とはいえ、人によっては、長年慣れ親しんだ「スゴイね! エライね!」に、どうしても頼ってしまうこともあるでしょう。

子どもの褒め方、声かけアレンジ

そんなときは、「自分から掃除ができるなんて、かあちゃん、スゴイと思うな」「イヤなことでも最後までやり通せたなんて、とうちゃん、エライと思うぞ」など、「なぜスゴイと思うのか」「どういうところをエライと感じたのか」を具体的に伝えればOK。

コツは、「自分」を主語にして、評価もあくまで自分の意見・ひとつの価値観・個人の感じ方として言葉で表現すること。すると、さほどお子さんにプレッシャーにならずに、いいと思った気持ちが素直に伝わりやすくなるはずです。

ほめ方がわからなければ、本人に聞いてOK!

周りが見え始める年頃になると「大げさにスゴイね!とか言われるとなんかヤダ」なんて言い始めますが(うちの長男の話です)、そんな場合は「じゃあ、なんて言ってほしいの?」と、直接本人に聞いてみるのもテ。

うちの長男の場合、「OK」「GJ (=Good Job)」などのシンプルで短い言葉やハイタッチ、親指で「いいね!」などのボディランゲージがいいんだそうです。

それと、思春期男子は特に、親のほめ言葉は不要でも、美味しいものならなんでも受け取りますからご褒美の「胃袋作戦」もあなどれませんね。

今回は自信を持たせる「ほめ方」について、いくつかピックアップしてみました。これらの声かけはあくまで、うちの子をベースにしたものです。親はみんな「うちの子専門家」。適宜ご家庭に合った形でアレンジしてみてください。

『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』(あさ出版)

楽々かあさん

大場 美鈴(おおば みすず)

1975年生まれ。うちの子専門家(専業主婦)。美術系の大学を卒業後、出版社で医療雑誌の編集デザイナーとして勤務し退社。実父の介護とうつを経験後、結婚。3人の子宝に恵まれる。長男(小4)はASD+LD+ADHDで、通常学級在籍。次男(小2)、長女(年中)はいくつか凸凹特徴のあるグレーゾーン。2013年より、Facebookなどで管理人「楽々かあさん」として、育児の傍ら、発達障害育児に役立つ支援ツールの制作と、日々の子育てのアイデアをシェア・情報発信する個人活動を開始。「声かけ変換表」がネット上で約14万シェアを獲得するなど拡散し話題となり、雑誌「kodomoe」や「grape」「Spotlight」などのネットメディアに掲載多数。

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東洋経済オンライン

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