伊藤忠商事の『脱スーツ・デー』の取り組みに対してあがった「普段、スーツを着ない女性は何を着たらいいの?」という、働く女性たちのリアルな声。実際にどんなアイテムを買えばいいかいうことで、Domaniでも人気のスタイリスト、城長さくらさんをアドバイザーに迎え、予算10万円しばりで、実際にお買い物に行ってみました。
▲スタイリストさん城長さんのすすめで、普段は着ないという明るめのカラーにもトライ!
▲特に時間をかけたのはカジュアルな装いに合うボトム選び。スカートを物色中。
今回、お買い物をしたユナイテッドアローズ 丸の内店には、普段からときどき買い物に訪れるという寺内さん。ただ、通勤仕様のものを探しに来ることが多く、カジュアルアイテムの売り場をじっくり見ることは少なかったそう。いつも行くお店でも、「脱スーツ・デーに着られる服」という新しい視点で回ってみることで、新しい発見があるかもしれません。
スタイリスト厳選!寺内さんが予算10万円で選んだアイテムはこちら!
手持ち服と合わせることを考えながら、厳選した4つのアイテム。どれも、きれいめスタイルをカジュアルに着くずすときにあると便利な「こなれ感」と、会社に着ていける「ちゃんとしている感」を併せ持っています。早速、ひとつひとつのアイテムをチェックしていきましょう!
1:チェックのリネン素材ダブルジャケット
▲ジャケット¥39,000(ユナイテッドアローズ 丸の内店<ユナイテッドアローズ>)
「ジャケットを着るといつも同じようなスタイルになる」という悩みを語っていた寺内さん。「ポンチ素材などの無難なONジャケットは、カジュアルに着こなすのはかなり難しい」と城長さんも言うように、新しいジャケットを取り入れることで、着こなしの鮮度はグッとアップ。こちらはリネン素材&チェック柄という主張の強さをもちながら、配色はベーシックで実はかなり合わせやすい1枚。着丈の長さも、身長の高い寺内さんにピッタリの選択。
2:ブライトイエローのリネンシャツ
▲シャツ¥14,000(ユナイテッドアローズ 丸の内店<ユナイテッドアローズ>)
「持っている服は、本当に黒・ネイビー・グレーの3色のものばかり」という寺内さんに「これからの季節にはぜひカラーを取り入れて」と城長さんが強く提案したのが、パッキリしたイエロー。リネンながらごわつきが少なく、また襟がコンパクトにつくられていて、着ると自然と抜けた感じが出せる、まさに夏のカジュアル通勤にふさわしい1枚。
3:コットンツイル素材のベルト付きロングスカート
▲スカート¥25,000(ユナイテッドアローズ 丸の内店<アストラット>)
「身長が高い寺内さんは、ボリュームのあるスカートを選ぶとその主役感が強調されて、きれいめに落とし込みづらい。その分、このくらいのシルエットなら、着くずしてもカジュアルになりすぎず上品にまとまるはず」と、スタイリスト城長さんも太鼓判。「この形や素材感で会社に行くのはまったく想像していなかった」と話す寺内さんですが、それこそが「脱スーツ・デー」を今よりさらに前向きに楽しめる変化。トップスをインしてもアウトにしてもすっきり着られる。
4:ブラックベースのミニサイズシルクスカーフ
▲スカーフ¥11,000(ユナイテッドアローズ 丸の内店<マニプリ>)
お買い物中は「絶対に自分では手を出さなかったアイテム」と言いながらも、スタイリスト城長さんの巻き方の指導により、その魅力に一気に虜になった寺内さん。セレクトのポイントは、65×65㎝という、コンパクトにまとまって扱いやすい小判であることと、それほど装飾的になりすぎない黒ベースに控えめなプリントであるということ。「Tシャツで通勤することに、なんとなく収まりが悪くとても抵抗がありましたが、スカーフを巻くだけできちんとした印象も足されますね」と、これからの季節に大活躍しそうな予感。
以上、4点で合計¥89,000(税込¥96,120)でした!
それではいよいよ、買ったアイテムで変身した寺内さんのビフォーアフターをご紹介!
こちらが、お買い物前のビフォースタイル。
寺内香織さん(43歳/伊藤忠商事 機械カンパニー 電力プロジェクト部 電力事業プロジェクトアジアチーム チーム長補佐)
スタイル1:チェックジャケットだけでこなれハンサムに!
手持ちのデニムが、今っぽいチェックジャケットひとつで、ほどよくマニッシュなきれいめカジュアルに変身。「一見して、素敵だけど、自分の服に合わなさそうだと思った」というジャケットも、袖を通してみると、長身で骨格のしっかりした寺内さんにピッタリ。シンプルな黒インナーとベーシックなスリムデニムが、簡単に洗練されて。スタイリスト城長さんの着こなしのポイントとしては、「袖の裏地もかわいいので、ロールアップして抜けを出すのがポイント。インナーを白のカットソーにして、白をリンクさせてもいいと思います」
スタイル2:イエローシャツで表情まで明るく!
今回のアフタースタイルの中では、このコーディネートがいちばん違和感が少ないという寺内さん。しかしながらカラーの効果は絶大!手持ちのきれいめ白パンツと合わせただけでも「脱スーツ・デー」らしい崩しが生まれるのは、リネンの素材感のチカラも大きい。こちらの着こなしのポイントは「シルエットがやや大きめなのですが、前を軽くインすることでだらなく見えません。デニムやカーゴパンツなど、カジュアルボトムと合わせてお休みの日にも活躍してくれますよ」と城長さんも太鼓判。
スタイル3:変形スカートで苦手だったスニーカーを克服!
手持ちの白Tシャツを、ゲットしたばかりのカジュアルな素材感のベージュスカートに合わせて。「会社に履いていくのは絶対無理」と語っていたスニーカー合わせも、こんなに大人っぽくきれいめに仕上がりました。「今回のお買い物を通して、いかに自分が選ぶボトムの形に偏りがあるか気づいた」と語っていた寺内さん。このスカートひとつで、着こなしの幅はかなり広がりそう。スタイリストによる、こちらの着こなしポイントは、やはりスカーフ。「スカーフが1点あるおかげで、カジュアルアイテム同士の組み合わせも、瞬時にクラスアップした感じ。スニーカーやTシャツが子供っぽくなって苦手、という人はぜひ挑戦したい着こなしですね」
「脱スーツ・デー」は、買い物をもっと楽しくしてくれる!
仕事服という範囲の中で、どこまでがOKなのかわからず、逆に難しくなってしまう一面をもつ「脱スーツ・デー」。でもこうやって新しいアイテムを取り入れて、おしゃれの幅が広がったり、休日にしか着られないと思っていたアイテムの活躍の場が広がるとしたら、それはとっても素敵なこと。今回、お買い物を体験した寺内さんも、「普段はいかに時間をかけずに選べるか、悪目立ちしないか、着ていてラクか、などを考えてばかりでしたが、このお買い物を通して、〝装う〟ということの意味や楽しさを改めて確認できた気がします」と話していて、少しだけ前向きにファッションが楽しめるようになった様子。
「脱スーツ・デー」は、そんな働く女性のファッションの閉塞感をも、取り去ってくれるアクションなのかもしれません。
同行したのは…スタイリスト
城長さくら
kind所属。望月律子氏に師事した後、独立。シンプルでベーシックな服を活かして、大人っぽく上品に見せるスタイリングが得意で、Domaniほか、さまざまなファッション誌で活躍中。